真梨幸子のレビュー一覧
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まあタイトルからして当然ですけど実にイヤミスだった。
一番やだったのはラストの育児サイトの「ネイルアート」かなあ…「小田原市ランタン町の惨劇」も嫌だけどイヤミス的な嫌さというよりは気持ち悪さが勝った。
「いつまでも、仲良く。」も予想はできるものの非常にいやでした。いやなことが分かっていてそのままそこに進んでいくタイプと、まさかそんなのいやさが来るタイプがありますけどこれは完全に前者。上の二編は後者のタイプ、かな。
「シークレットロマンス」は、いや、嫌さも確かにあるんですけど、すみません、抱えている原罪ゆえににやにやしてしまう部分があり、うっかり許せてしまうといいますか、はい。 -
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男を狂わせてしまうような女性ってほんとにいるのかな?
あたしはお目にかかったことがない。いや、あっても同性だから気づいていないだけかもしれない。
主人公はかなり美人だったこと、喜びを表現するのがうまかったこと、性的関係にためらいがないことが人気のあった理由に思える。どれも男性が喜びそう。
とびきり高価な物を次々と与えられるってどんな気分なんだろうね? チヤホヤされて気分の悪い人はいないだろうから、相当舞い上がっちゃう? でも、考えたら中身のない付き合いなんだけどね。
他人との関わりってものではないと思うのだけれど、愛情を表現しようと思うとものが1番手っ取り早いのか。 -
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後味の良いものだけが人生を形作るわけではない。
苦いこと、苦しいこと、悲しいことこそ人生の彩り、なのかもしれない。
だが、実際に自分がその当事者になるとしたら?
そんなのまっぴらごめん、そう思うのは人間皆が持つ当たり前のエゴイズム。
自分は嫌だけれど、他人が味わうなら、それは甘い蜜になる。
自らは手を汚さず、高みの見物といこうじゃないか。
そして最後に神妙な面持ちでこう言うのだ、「かわいそうね」「嫌なことですね」。
その目の奥では、ほくそ笑みながら。
『小田原市ランタン町の惨劇』
男性にとっての惨劇の一つは付き合ってもいない、好きでもない女性から「妊娠した」と告げられることではないだろうか。 -
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タイトルどおりのイヤミス短編集。
「ネイルアート」の、炎上している掲示板が実はたった2人の自演だったというのにゾッとした。本当にこういうことありそう。そして、自分の情報もこういう風に筒抜けなのかな?と思うとちょっと怖くなった。これはイヤミスというよりも、ホラーサスペンスものという感じ。
「いつまでも、仲良く」がまさに真梨幸子のTHE・イヤミスという感じでした。こういう女同士のいがみ合い描かせたらこの人は上手いなぁ。
イヤミスって、登場人物に強く思い入れを持ったり、肩入れして読んだりしたら本当に厭な気持ちになってしまうから、ワイドショー感覚で楽しむのがいいと思う。毎度絶妙なさじ加減で「他人の不 -
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小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、著者を刺してしまう。
それに端を発し起こるデパ地下総菜売場での異物混入事件、企業中傷ネット祭り、郊外マンション殺人。
クレーマー、ストーカー、ヒステリーなど、日常に潜む狂気を描いた短編集。
一つ一つは独立した話ですが、各エピソードや登場人物が繋がっている連作短編集となっています。
それぞれの話がうまくリンクされ、時系列もシャッフルされており、複雑に凝った構成です。
どの話にも狂気と正気のはざまを行き来する誇大妄想に囚われた人たちが出てきて、読み進めるうちに気持ちがイガイガしてきます。
タイトルの「ふたり狂い」は作中の説明によると、妄想を持つ人の近く -
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2017年、17冊目は真梨幸子。
あらすじ:派遣社員と二足のわらじを履く、フリーライターの久保。若さにまかせ、連続の徹夜で二つの仕事をこなしてゆく。そんな時、16年前のエリート中学校と進学塾にまつわる「西池袋殺人事件」が再びクローズアップされ始める。彼もまた、その進学塾から、エリート中学校に進んだ人間だった。
読ませる力は充分にあったが、クライマックス、オチは……。多くの登場人物と、複雑な人間関係。ソレがスパッと解決されるモノではない。また、真梨幸子流のイヤミスを期待すると、手元で変化して、的を狂わされるといった感じ。
全体的に覆うのは、えんじ色と言うより、ダークグレーな空気感。特に主人 -
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時代を超えて因縁の地…鸚鵡楼とその跡地で起きる殺人事件。
冒頭のエピソードはどこに繋がるのかと思っていたら、「そうきたか!」というところへと繋がっていた。
設定など多少違和感を感じるところもあったけれど、女性の陰湿さや愚かさ、くだらないことにこだわる歪んだ執着心や方向性の間違ったプライドなど、女性の嫌な面を描かせたらさすがに上手い。
もっとも理解しづらかったのは沙保里の精神状態だ。
いくら過去の男がトラウマになっているからといって、あれほど実の息子を愛せないものだろうか。
妄想もあそこまでいくともはや病気の域だと思う。
それとも、沙保里は潜在的に精神的な何かを患っているという設定だったのだろう -
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誰もが認める美貌を持って生まれてきた有利子。
けれど、有利子が幸せになるためには何の手助けにもならなかった。
ファム・ファタール(男たちを破滅させる女)として描かれている有利子は、結局のところ寂しい女性だっただけかもしれない。
地道な努力や他者への思いやりなど、有利子からは一番遠いところにあるものだ。
彼女の中には背徳への後ろめたさなど欠片もない。
贅沢に、自由に、思うがままに。
ただそれだけが有利子の願いだった。
啓介と出会うまでは・・・。
一般的に考えられる純愛とは形は違ったけれど、有利子の啓介への思いも歪んだ純愛だったのかもしれない。
ほとんどの人が有利子は相手に不幸をもたらす悪女だと思 -
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2016年、7冊目は昨年も良く読み、年始にまとめ買いしてきた真梨幸子。
家電メーカーの派遣社員、岩代彰子、彼女の母・久仁枝は、久仁枝の意思で、伯父であるアマチュア画家、岩代彰夫の遺品を探している。一方、世界的流行作家、ジョー・コモリの死をきっかけに、広告代理店の深田喜代美、プランナーの嶋元ミチルは彼の空白の一年を追いかけるようになる。そこに関係していたのは、岩代彰夫であった。
四人の女性の視点を中心に、そして、もう一つ、イントロダクションで登場する、語りべ的◯◯の俯瞰的視点が絡み、物語は展開していく。
今作は、他の、真梨幸子流イヤミスとは、一味違う。真梨幸子が描く、女性特有の粘着質のドロ -
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評判ほどのイヤミスとは思えなかった。悲劇の連鎖が生む悲しい物語ではあるが、嫌な気分は残らなかった。私自身、他者とは少し琴線が異なるのかも・・・
あらすじ(背表紙より)
一九六二年、西新宿。十二社の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」で惨殺事件が発生する。しかし、その記録は闇に葬られた。時は流れて、バブル全盛の一九九一年。鸚鵡楼の跡地に建った高級マンションでセレブライフを送る人気エッセイストの蜂塚沙保里は、強い恐怖にとらわれていた。「私は将来、息子に殺される」―それは、沙保里の人生唯一の汚点とも言える男の呪縛だった。二〇一三年まで半世にわたり、因縁の地で繰り返し起きる忌まわしき事件。その全貌が明らかになる時 -
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ネタバレかつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。
奔放な彼女に魅了された男たちは彼女の為に浪費し朽ち果てる。
そんな男たちの一人が、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。はたして有利子は悪女か、それとも聖女なのか…?
あいかわらず、どろどろの人間関係を錯綜させる真梨幸子劇場の通常営業です。
絶世の美女の有利子に翻弄される周囲の人たちの視点で話は進んでいきます。
有利子にかかわると周りの人間はほぼ全員、人生のバランスを欠き、どこか歪んでいってしまいます。
人を狂わす磁場のような有利子なのですが、彼女視点の語りは無いので真の思惑がわからず、結局彼女が無自覚だったのか悪女だったのか謎のまま。
女の不自由な生