【感想・ネタバレ】クロク、ヌレ!のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年11月05日

〈あらすじ〉

母は売れない無名画家だった伯父の作品を収集していた
その訳は、昔伯父が弟である父の金食い虫だったから
そのことで母が怒って仕送りを断ったら
伯父は猟銃で自殺して、父も後を追って自殺した
だから母は自分のせいだと思って贖罪として作品を集め
さらにはHPを立ち上げて伯父を世間に広める活動...続きを読むを行っている。

ある日、有名作家が事故死した
その作家の大ファンだった広告プランナーの女性が
次回の広告企画アイデアで悩んでるときに
その有名作家と無名画家が知り合いだったことを知り
さらにその無名画家は猟銃自殺ではなく有名画家が殺したのでは?
と思い至り、無名画家を現代のゴッホのように祭り上げて
広告企画に連動させようと決める。

有名作家の家族は借金苦だから本が売りたいし、保険金が欲しい
広告プランナー女はこの企画で成功して不動の地位を築きたい
そして母は無名だった伯父が世間に知られることを望んでる。

三者三様Win-Winの関係で上記作戦は成功した
でもそこでそれぞれの秘密が明らかとなる。

母がコレクションしていた伯父の手紙の順番の真意
伯父はだれに殺されたのか
有名作家は事故死でなく殺人だった、その犯人とは?


<感想>
作内で主観視点がグルグル入れ替わるのが面白かった
中盤からの盛り上がりは良かった
女ドロドロ系はほとんど無く、オチではあまり驚かず

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年10月28日

ものの見事に真梨幸子中毒となり、最近いちばん好きなジャンルがイヤミスな気が
するオレ(^^;)。この「クロク、ヌレ!」は、ようやく文庫化された女史の初期作品
の一つ。既に絶版の単行本に5,000円以上の高値が付いていた、ある種幻の作品。

コレ、今まで読んだどの真梨幸子作品よりもインパクト強いかも。...続きを読む
フジコの時もそりゃあびっくりしたのだけど、この作品のジワジワ来る悪意の塊も
背筋が凍る。物語の展開だけでもかなりスリリングなのに、男の嫉妬や女同士の
ドロドロが絶妙に絡んで来るから、とにかくもう目が離せない。
ここにブライアン・ジョーンズとかゴッホとかいう稀代の実在芸術家がサラッと
登場してきちゃうのだから、面白くならないワケが無い。

そしてこの本、珍しく読むのに時間がかかった。
理由はいつの間にか語り部が変わっている三人称表現で、途中で何度か読み返しが
必要になるほど。ただこれは印象が悪いのでは無く、良い意味でのもどかしさを生
み出してくれる気が。いやぁ、どっぷりハマりました。お見事です!

あとは同じく幻の作品、「えんじ色心中」を残すのみ。一刻も早く文庫化を!

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Posted by ブクログ 2023年07月30日

いつもの作風と違ってコミカルでサクサク読める、とても好きな作品だった。

登場人物は全員おかしい人ばっか、話の進み方もなるほどって感じ、フジコのイメージとは全然違う作品だった。

真里幸子さんの小説は、ちゃんと解決して完結するし、読んだ後に納得がいくから好き。

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Posted by ブクログ 2021年09月06日

小説家ジョー・コモリと売れない画家岩代彰夫の死に関わる物語。コモリの死をきっかけに、彰夫の遺族や真相を探る人達の想い・思惑が絡み合う中、2人の過去が徐々に… ストーリーや語りが斬新で面白いのですが、真梨さんにしてはパンチが弱いかな?と。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年11月19日

2012.11.17.sat

【経緯】
帯に、「私が死んだ時、『代表作』と呼ばれるのはこの小説であってほしい。」とあったので。

【感想】
メインキャラクターが複数人いて一人称と三人称が交錯するという珍しい文体でありながら、それが物語を形作るのにとても心地よくページをめくらせる真梨さんの手腕にまた...続きを読む驚かされた。ほんとうまいわこの人。

ただ、「イヤミス」がうりの真梨さんにそれを期待して読む人にとっては、いつもより毒気が薄いので物足りないのかもしれない。
わたしは「勢いのある物語力をもつ作家さん」として好きなので問題ないです。

真梨さんのだす本だす本のキャラクターたちって愛すべき要素よりも理解したくない生理的に嫌な要素がかってしまうから、そういうキャラクターが無残に殺されても同情できなかったり読後もやっとして終わることが多いんだけど、今回はキャラクターすべてに愛嬌と応援したくなるところがあって、終わり方も「肩の力が抜けた」で読者も肩の力が抜けて読み終えたんじゃないかと思う。

【真梨さんらしいって思う引用】
それでも、三十五にもなってこんな有様なのが時には憂鬱だ。だから、絵との悪縁がときどきいやになる。リシュパンがどこかでこんなことを言っていた。『芸術は真の愛情を失わせる』まったくその通りにちがいはないが、その反対に、ほんとの愛情は芸術をきらうのだ。(弟テオドルに宛てたゴッホの書簡より)_P4

いつの世もどんなときでも、恨まれるほうには自覚はないものだ。が、うらむほうには、確固たる理由があるのだ。それが、傍からみたらどんな些細なことであったとしても、一度生えてしまった恨みは、そう簡単には駆除できるものではない。それどころか、抜いても抜いても次の朝には青々と茂る夏の雑草のように、生命力絶倫なのだ。_P96

女性にとって、男性の肩書・経歴・職業・収入は最重要項目なのだ。これを無視して、”愛”という一時のまやかしの感情で相手を全肯定してしまう女性の方が要注意なのだ。誰かが言っていた。金のために結婚することはよくないが、金がないのに結婚するのは愚かなことだ…と。_P256

恋愛モードから結婚モードに切り替わった途端、女性は障害飛越競技に出走している馬と化す。とにかく”結婚”というゴール目指して、華麗なる技で目の前にある障害物をはらりはらりとクリアしていくのである_P262

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Posted by ブクログ 2022年04月12日

ちょうど原田マハさんのリボルバーを読んだ後だったので、
なんだかゴッホとゴーギャンの関係性みたいだなぁー
って思ったよー。
あと、ゴッホの弟のテオもねー。

無名の画家だった義兄の絵を集める母親。
その義兄には、有名な作家との交流があったようで…。
有名な作家は、謎の死を遂げて…。

真梨幸子さんの...続きを読む複雑に絡み合う感じというよりは、
淡々と話が進んでいくように感じちゃったなー。

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Posted by ブクログ 2021年01月17日

うーん、真梨さんの小説は比較的タイプだったんだけど、これは全体的にパッとしないし、なんだろう‥、浅い感じがしてしまった。

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Posted by ブクログ 2019年11月19日

彰子の母、久仁枝は売れない画家だった亡き義兄の遺作を集めるために日本中を駆け回る。
義兄が生きている時には、嫌悪感を露にし、仲が良い訳ではなかったので、彰子には不可解で仕方ない。
ただ、父と伯父は仲が良すぎるというか、幼い頃に両親を亡くし自分を大学にまで通わせてくれたという兄を、今度は自分が養って行...続きを読むかなければと思っていたようだ。
そんな売れない画家だった伯父と最近自殺したという有名な作家が親しかったという話が持ち上がり、妙な展開に。
真梨さんの女性特有のドロドロ感は少し薄めだけど、男性同士の微妙な関係もあって、わりと面白かった。

2019.11.18

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Posted by ブクログ 2017年02月01日

2016年、7冊目は昨年も良く読み、年始にまとめ買いしてきた真梨幸子。

家電メーカーの派遣社員、岩代彰子、彼女の母・久仁枝は、久仁枝の意思で、伯父であるアマチュア画家、岩代彰夫の遺品を探している。一方、世界的流行作家、ジョー・コモリの死をきっかけに、広告代理店の深田喜代美、プランナーの嶋元ミチルは...続きを読む彼の空白の一年を追いかけるようになる。そこに関係していたのは、岩代彰夫であった。

四人の女性の視点を中心に、そして、もう一つ、イントロダクションで登場する、語りべ的◯◯の俯瞰的視点が絡み、物語は展開していく。

今作は、他の、真梨幸子流イヤミスとは、一味違う。真梨幸子が描く、女性特有の粘着質のドロリとした部分はあるものの、作品全体としての印象、読後感はソレ程重いモノではない。この辺が評価の分かれ目。個人的には、ストーリー展開のドライブ感、読者を引き付ける力は健在も、オチが少し弱いし、語りべ的◯◯が馴染めないという部分で、可もなく、不可もなくってトコロ。評価は★★★☆☆。

もちろん、タイトルの『クロク、ヌレ!』はローリング・ストーンズの曲からだし、ブライアン・ジョーンズの死も味付け的に使われている。ただ、それだけで手を出すコト、この作品だけで作家を判断するコト、それは避けていただきたいかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年09月30日

有名な作家の死と無名画家との関係を自分達の出世の道具とした2人の貪欲な女性の話。
ああ、あの人が犯人だったのね。

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Posted by ブクログ 2015年04月19日

今まで読んだ真梨幸子の作品の中では一番ユーモラスではないかと思った。独特の人物描写はさすが。ただ物語の内容がいまいちピンと来なかった。ストーンズの曲、paint in blackの引用のされ方にも無理があったような気がする。

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Posted by ブクログ 2015年01月25日

 無名画家の人生を広告企画のために暴いていく、有名人との意外な接点や、不可解な殺人事件など・・・周囲のキャラクタが際立つ、著者がお得意のちょっとあぶない人達が登場する、壊れかけた人たちの扱いが上手い。

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Posted by ブクログ 2013年09月15日

エキセントリックな名も無き画家の作品を集め始めた母に翻弄される娘。
この画家と昔同居していた、プールで溺死した有名小説家。
最近パッとしない広告プランナーは画家と小説家に目をつけ、広告企画に連動させるために二人の死を劇的な物語に仕立て上げようと奔走する――。

様々な人の視点から捉えられた事実が輻輳...続きを読むし、やがて決壊の後に収束していく。
この先どうなっていくのか、お話の着地点が全く読めず、とまどいながら読み進めていきました。

また、一人称と三人称が混在しながら展開していくので視点がころころ変わり、落ち着かなかったのですが、あやういけれど限りなくパワーのある語り口に翻弄されました。

話の方向性が錯乱してるし、ミステリとしては最後の数ページで急に答え合わせが始まるし、欠点もたくさんあると思いますが、人の僻み嫉みや悪意をえげつなくえぐり出し、他人の不幸を覗き見しているような感じで面白かったです。

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Posted by ブクログ 2013年07月07日

いつもの真梨さんにしては毒が少ないかも。女のドロドロさが嫌な感じではなく、いい具合に感じられる話でした。

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Posted by ブクログ 2013年06月10日

今回の真梨幸子さんの作品は今までのストーリーとイヤミス感がたまらなかったのに。
なぜか今回はなんとなく納得いかなかった感じでした。

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