【感想・ネタバレ】クロク、ヌレ!のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

〈あらすじ〉

母は売れない無名画家だった伯父の作品を収集していた
その訳は、昔伯父が弟である父の金食い虫だったから
そのことで母が怒って仕送りを断ったら
伯父は猟銃で自殺して、父も後を追って自殺した
だから母は自分のせいだと思って贖罪として作品を集め
さらにはHPを立ち上げて伯父を世間に広める活動を行っている。

ある日、有名作家が事故死した
その作家の大ファンだった広告プランナーの女性が
次回の広告企画アイデアで悩んでるときに
その有名作家と無名画家が知り合いだったことを知り
さらにその無名画家は猟銃自殺ではなく有名画家が殺したのでは?
と思い至り、無名画家を現代のゴッホのように祭り上げて
広告企画に連動させようと決める。

有名作家の家族は借金苦だから本が売りたいし、保険金が欲しい
広告プランナー女はこの企画で成功して不動の地位を築きたい
そして母は無名だった伯父が世間に知られることを望んでる。

三者三様Win-Winの関係で上記作戦は成功した
でもそこでそれぞれの秘密が明らかとなる。

母がコレクションしていた伯父の手紙の順番の真意
伯父はだれに殺されたのか
有名作家は事故死でなく殺人だった、その犯人とは?


<感想>
作内で主観視点がグルグル入れ替わるのが面白かった
中盤からの盛り上がりは良かった
女ドロドロ系はほとんど無く、オチではあまり驚かず

0
2012年11月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ものの見事に真梨幸子中毒となり、最近いちばん好きなジャンルがイヤミスな気が
するオレ(^^;)。この「クロク、ヌレ!」は、ようやく文庫化された女史の初期作品
の一つ。既に絶版の単行本に5,000円以上の高値が付いていた、ある種幻の作品。

コレ、今まで読んだどの真梨幸子作品よりもインパクト強いかも。
フジコの時もそりゃあびっくりしたのだけど、この作品のジワジワ来る悪意の塊も
背筋が凍る。物語の展開だけでもかなりスリリングなのに、男の嫉妬や女同士の
ドロドロが絶妙に絡んで来るから、とにかくもう目が離せない。
ここにブライアン・ジョーンズとかゴッホとかいう稀代の実在芸術家がサラッと
登場してきちゃうのだから、面白くならないワケが無い。

そしてこの本、珍しく読むのに時間がかかった。
理由はいつの間にか語り部が変わっている三人称表現で、途中で何度か読み返しが
必要になるほど。ただこれは印象が悪いのでは無く、良い意味でのもどかしさを生
み出してくれる気が。いやぁ、どっぷりハマりました。お見事です!

あとは同じく幻の作品、「えんじ色心中」を残すのみ。一刻も早く文庫化を!

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2012年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2012.11.17.sat

【経緯】
帯に、「私が死んだ時、『代表作』と呼ばれるのはこの小説であってほしい。」とあったので。

【感想】
メインキャラクターが複数人いて一人称と三人称が交錯するという珍しい文体でありながら、それが物語を形作るのにとても心地よくページをめくらせる真梨さんの手腕にまた驚かされた。ほんとうまいわこの人。

ただ、「イヤミス」がうりの真梨さんにそれを期待して読む人にとっては、いつもより毒気が薄いので物足りないのかもしれない。
わたしは「勢いのある物語力をもつ作家さん」として好きなので問題ないです。

真梨さんのだす本だす本のキャラクターたちって愛すべき要素よりも理解したくない生理的に嫌な要素がかってしまうから、そういうキャラクターが無残に殺されても同情できなかったり読後もやっとして終わることが多いんだけど、今回はキャラクターすべてに愛嬌と応援したくなるところがあって、終わり方も「肩の力が抜けた」で読者も肩の力が抜けて読み終えたんじゃないかと思う。

【真梨さんらしいって思う引用】
それでも、三十五にもなってこんな有様なのが時には憂鬱だ。だから、絵との悪縁がときどきいやになる。リシュパンがどこかでこんなことを言っていた。『芸術は真の愛情を失わせる』まったくその通りにちがいはないが、その反対に、ほんとの愛情は芸術をきらうのだ。(弟テオドルに宛てたゴッホの書簡より)_P4

いつの世もどんなときでも、恨まれるほうには自覚はないものだ。が、うらむほうには、確固たる理由があるのだ。それが、傍からみたらどんな些細なことであったとしても、一度生えてしまった恨みは、そう簡単には駆除できるものではない。それどころか、抜いても抜いても次の朝には青々と茂る夏の雑草のように、生命力絶倫なのだ。_P96

女性にとって、男性の肩書・経歴・職業・収入は最重要項目なのだ。これを無視して、”愛”という一時のまやかしの感情で相手を全肯定してしまう女性の方が要注意なのだ。誰かが言っていた。金のために結婚することはよくないが、金がないのに結婚するのは愚かなことだ…と。_P256

恋愛モードから結婚モードに切り替わった途端、女性は障害飛越競技に出走している馬と化す。とにかく”結婚”というゴール目指して、華麗なる技で目の前にある障害物をはらりはらりとクリアしていくのである_P262

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2012年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

有名な作家の死と無名画家との関係を自分達の出世の道具とした2人の貪欲な女性の話。
ああ、あの人が犯人だったのね。

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2015年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回の真梨幸子さんの作品は今までのストーリーとイヤミス感がたまらなかったのに。
なぜか今回はなんとなく納得いかなかった感じでした。

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2013年06月10日

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