神楽坂淳のレビュー一覧
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「うちの旦那が甘ちゃんで」シリーズ2作目。
表紙イラストが可愛い。
沙耶の夫・紅藤月也は同心だが、おっとりし過ぎていて犯人を取り逃がしたりする。
夫としては好もしい性格だが?
「同心」の付き人として必要な「小者」に逃げられ、妻の沙耶が小者として付き従うことに。
若衆風に男装して歩くことにしたのです。
1話目の「掏摸と佃煮」は、町の掏摸がなぜか減っているという現象。
実は、さらわれているらしいとわかってきて、これは放っとけない。人手不足の藩が関係しているらしいのだ。
町奉行所の同心は、大名家には手を出せないのだが‥
2話目の「流行神長屋」
はやりがみとは、古来からある神ではなく、自分で思い -
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コミカルで気楽に読める時代小説シリーズ、1作目。
同心の妻が活躍します。
紅藤(くどう)月也は、南町奉行の風烈廻方同心。のほほんと人がよく、夫としては好もしいが、同心としてはぼんくら。
小者(付き人)が呆れて、どんどん辞めて行ってしまうほどだった。
妻の沙耶は、そのことに頭を痛めます。
小者というのは、一応制度としてある身分で、少しだが給料も出る役。
荷物を持って歩き、何かと用事をするので、いなければ仕事にならず格好もつかない。(提灯を持って「御用だ」と叫ぶのも、小者)
そこで沙耶が思いついたのは、自分が小者になればいい!ということ。
さて?
風烈廻方同心というのは、強風の時に見回るのが主 -
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「神楽坂淳」の長篇時代小説『うちの旦那が甘ちゃんで』を読みました。
「池波正太郎」、「木村忠啓」、「月村了衛」の作品に続き時代小説です。
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はっきり言って「月也」は「ぼんくら」である。
「月也」とは、南町奉行で風烈廻方同心を拝命している、「沙耶」の旦那のことだ。
のほほんとした性格から、盗人を見つけても取り逃がすことが多く、付き人である小者たちは愛想を尽かして次々に辞めていった。
小者は同心が私費で雇い、捕り物のときの補助や身の回りの世話をしてもらう。
一心同体で捜査にあたり、小者がいなければ同心本来の能力の半分も発揮できないと言える。
次の小 -
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諸葛亮の策を考えていたのは嫁の黄月英だった!的な話の戦国版で、信長のアイデアはだいたい嫁の帰蝶さまの発案!で押し通す歴史再構築作品。タイトルと共にくだけた文体はラノベ風で、主人公はもしかして侍女の皐月?(地の文がなんとなく皐月のモノローグにも思える。)冒頭にも書いたようにとにかく帰蝶さまがチートキャラで全てを見通す全能神のような存在。そういう面でもなろう系ラノベっぽく(本の厚みも)それが鼻につかない人なら楽しめると思う。そこに至る根拠や辻褄合わせはしっかりしているので通説との違いを楽しむのも良いかも。ただ、織田家がまだ尾張の守護代で帰蝶さまの輿入れ前から始まるので序盤の展開はやや間延びしてる気
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ネタバレ 購入済み
金四郎の得意な潜入捜査 始まる
おけいは、父、堀田一定に強制的に金四郎のもとに送られ、金四郎の側で暮らしている。おけいは押しかけ女房なのだ。
その一定が今度は、相手がその気でないのなら家に戻るようにと言い渡した。おけいは、身勝手な父に振り回されていると不満を感じる。おけいは金四郎のことが好きなんだ。今後一月の期限でどちらかに決めろと言われても、おけいには家に戻る気は無い。
祝言も挙げない男と女が、仲は好いが、長屋暮らしを一緒に送ること自体とても不自然である。
金四郎の実家におけいが訪れた時、金四郎は夫婦として固めの杯を交わすよう言われも、当てにならず及び腰だ。全くだらしない。優柔不断で決断力のない男である。
「遠山の -
購入済み
金さんの妻は「おけい」
江戸下町、諏訪町で金四郎とおけいが長屋で暮らしていた。おけいは、佐倉藩堀田一定の娘であるからお姫様の身分だ。父の命令で金四郎のもとにやってきた押しかけ女房、それも見習いという。おけいは、長屋の住民たちとも付き合いは良く、住民たちから沢山の手助けを受けて江戸の暮らしに困ることはなかった。
亭主の金四郎は、長崎奉行の息子であるから武士である。しかし、金四郎は今は無職で稼ぎがない。だから市中を巡り歩いて、好く賭場に出入りしている遊び人である。生活はおけいが勤める舟八の料理屋の奉公で凌いでいる。おけいは、金四郎がいずれ岡っ引きや奉行所同心になることを望んでいる。
金四郎が或る賭場で稼いでいた時、王