沙村広明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一つの思惑を抱いている主人公によって様々な人間が二人に関わっていくストーリーは、時には人の容赦のなさを、時には人の優しさを二人に与えていきます。
危険と隣り合わせの潜入は、都合よく二人を救ってはくれません。家に置く代わりに体を差し出すことになったビエールカは絶望した顔を見せても逃げることはしませんでした。
簡単にはいかない。何かを失うかもしれない。それを引き換えにしても手に入れたいものがある、ということが分かるこのシーンが一番好きです。決死の覚悟が見事に描かれています。
実在の人物をフィクションとして扱ううえで出てくる、「この人物には実はこんなことが隠されていたのではないか?」というならではの面白さが詰まっています。
時代ゆえの残酷さと厳しさが表現されていてるのも魅力の一つです。 -
Posted by ブクログ
すっごい面白かった!!!パラレル、SF、ギャグ…いろんな短編が収まっているが、なんだこの面白さは…短編の切れ味抜群。BL好きな私としては『殺し屋リジィの追憶』…佐吉の話を詳しく描いて欲しいーっ、 BL好きはそう、留吉はどうなったんだ、って思うし、『イヴァン・ゴーリエ』は海外の短編小説を読んでいるようだった(谷崎潤一郎の『刺青』と言う作品にインスパイアされて描かれた作品と書いてあったので、こっちも読んでみたい)…狂った母親が抱いていた下賤の生まれの男、伸ばし放題の髪に髭、逞しい肉体、あのフォルムだけでなんだろう、物凄く滾る。画力のなせる業と言うより、あの男の置かれている生が非常にBL臭かった。台詞も、顏の造形がはっきり描かれたコマもなかったのだが。
沙村作品は「残酷」で「怖い」作品が多いが、この作品はその部分は垣間見える程度なのに、切れ味抜群である。とにかく滅茶苦茶に面白かった。
反芻すると、イヴァン・ゴーリエが何故あの男の背中に刺青を掘ったのか、ってところが気になってしまうんだよなー。彫られた人間が6人ほど存在する、その人間は男女わけ隔てないとなると、なぜイヴァン・ゴーリエが彼を選んだのか、って事にこだわらずにいられない。作品として蒐集された人間、と言うだけでなく。キャンバスとして選択されるに足る何かが彼に在り、その後、蒐集家に蒐集されるがままに甘んじたと言う事は、彼の中に何が在ったのか。ひょっとして彼は五感のどこかに支障があったんじゃなかろうか、とか、色々考えてしまう。私個人としては下賤な生まれで五感のどこかに支障があり、不遇な生まれだったとしても、類まれなる完璧な肉体美を持っていたのでは…そこを芸術家であるイヴァン・ゴーリエが見抜いたんじゃなかろうか。
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