広瀬弘忠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
地震や洪水、火災などの災害に遭遇した時、身をまもるために素早く行動できる人間は驚くほど少ない。
現代人は安全に慣れてしまった結果、知らず知らずのうちに危険に対して鈍感になり、予期せぬ事態に対処できなくなっている。
来るべき大地震のみならず、テロや未知の感染症など、新しい災害との遭遇も予想される今世紀。
本書では災害時の人間心理に焦点をあて、危険な状況下でとるべき避難行動について詳述する。
[ 目次 ]
プロローグ 古い「災害観」からの脱却を目指して
第1章 災害と人間
第2章 災害被害を左右するもの
第3章 危険の予知と災害被害の相関
第4章 「パニック」という神話
第5章 生 -
Posted by ブクログ
災害法制の勉強をしていて、関係ある本を読んでいくと、同じ本と時々二度かって読んでしまう。
この本も二度目。ちょっと情けないが、しょうがない。
今回、気になった点。
(1)十分な資格があると認められるNPOとかNGOに対して、現在地方公共団体が行っている被災者救援の仕事を、逐次、可能なかぎり権限とともに委譲すべき。(p195)
大災害になれば、ボランティアや民間企業に助けてもらう謙虚な姿勢が大事だと思う。
(2)パニック発生の4条件、「多くの人々が脅威を感じている」「危険を逃れる方法があると信じられている」「脱出は可能であると信じられているが、安全は保証されていない」「人々の間 -
Posted by ブクログ
洪水を経験した人は、洪水には対処できるが、津波には対処できない。
自分の目で災害をみないと、警報があってもそれを過小評価してしまう。
この本は、阪神大震災の九年後に書かれている。
このため、東日本大震災でまのあたりにしたような、津波被害に対する避難態度というのは、書かれていない。
しかし、冒頭で書いてあるように、人は、自分が実際に経験したことでないと、きちんと状況を把握できない。
だから、過小評価してしまい、結果的に逃げ遅れが発生してしまう。
一つの災害からは学ぶものがたくさんあり、次に類似した災害時にそれを生かさなければならない。
でも、東日本大震災から一年半たった今、被災地以外の人々があの -
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Posted by ブクログ
地震・伝染病・テロ……現代社会を脅かす災害は枚挙にいとまがない。本書は、災害を乗り越えるために必要な事を、心理学を通して考察したものである。
まず災害が発生した場合の人間の心理状態を分析し、被害軽減のための諸条件を検討する。そして、災害が過ぎ去った後の、復興へ向かう道についても言及している。
災害時の人間心理を中心に据えながらも、災害後の行動や災害と社会の関係性など、災害と人間について広く考察がなされており、災害について考える入門書として位置づけられる。特に、主に終盤にかけて述べられている筆者の災害観は、東日本大震災を経験した今こそ強く心に響くものである。
「心理学」と題されてはい -
Posted by ブクログ
長文レビューを書いたのに、うっかり消えてしまってショック・・・。
過去の災害を取り上げているので、ケーススタディーになる。
この本で気になった点をいくつか。
①人が逃げ遅れるのは、災害に対して鈍感にできているから(これを正常性のバイアスという)
②災害からの復興には、被災社会システムの活力が大いに影響(←日本は今回立ち直れるのか・・・?)
③過去の大災害からのみごとな復興には、有能なリーダーがいた。(←日本は・・・)
④パニック神話(←恐れられているほど、パニックは起きない)
自明なものをやたら抽象的に書いているので、ざっと目を通して読む程度でよいかと。 -
Posted by ブクログ
われわれが危険を冒すとき、
なにかアドベンチュラスな冒険を連想することが少なくない。
アドベンチュラスな冒険とは、誰も損失を補償してくれなくても、
そんなことは意に介さず、
心をワクワクさせながら冒す類のものである。
それが自発的リスクである。
自発的リスクを冒す場合には、われわれは危険に近づく行為を楽しみのために行っている。
ロッククライミングやスカイダイビング、バンジージャンプなどがそうである。
これらの行為は誰かに命令されてやる義務的なものではなく、自分から進んでやるものだ。
骨折や下手をすれば死んでしまう恐れがあるが、
スカイダイビングやバンジージャンプはやりたいし、
凍死や墜落の