榊原英資のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今日本の政権が躍起になっている、成長戦略に異議を唱える二人の経済学者が持論を展開。
ゼロ金利が長らく続いていることとは、もう世界にフロンティアが残っておらず、資本を投下する場所が残っていないこと。日本だけではなく世界の各先進国が同じ状態になっていることを数値・グラフを使って解説する。その状況下で起こる弊害として中産階級の下落や格差の拡大を指摘する。
「より遠く、より速く」を掲げるのではなく現実を再認識し「より近く、よりゆっくり」を提唱する。日本は失われたン十年とか言われているが、治安や自然、長寿などむしろ誇るべきものが多い。都市集中ではなく、地方文化回帰なども今後の活路の一つになりえる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人の生き方に関する内容かと思いましたが、日本の将来への道筋についての提言でした。
「ミスター円」と呼ばれた榊原氏の著書としては、これまでと違う趣向で、その点が一番面白かったです。
農業分野のブランドについて、地域の名前を冠するよりも国産はすべて統一したほうが海外に向けて日本力を発揮するのではないか、というご意見です。ごもっともだと思いました。
江戸後期と現在の低成長は類似している。したがって低成長に見合う政策転換が必要……実現すれば、桃源郷です。AI,IoTという時代を迎えつつも、とても人間的な時代で、むしろ心が豊かな暮らしができるのではないかと思います。
実現してほしいものですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世界にはもう新しいフロンティアはないから(まだ成長するインドを除き)先進国の成長余地は乏しい。だから成熟国家日本はもうモノは欲しがらないし、豊かな安全安心国家なのだから、2%も成長しなくてよいという。失われた20年ではなくて、成長しなくていい成熟国家になっただけ。 アベノミクスの”成長戦略”も意味はないという。新しい工場はつくらず、原価償却のおわった工場で、代替品だけ作り続ける・・・便利さの追求も限界にきている。コンビニをこれ以上作る必応はない。 リニア新幹線つくって、そんなに急いでどこにいく。マッハ2で飛んだコンコルドは、そんなに早く飛ぶニーズがなくて破綻した。速さを優先して座席も少なく、乗
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Posted by ブクログ
日本は決して大きな政府でなく、(この事は、少し前に読んだ「統計データが語る 日本人の大きな誤解 (日経プレミアシリーズ)」にも詳しかった)、西欧型の成熟国家を目指すべき・・・という主旨だったようで、まぁ、取り立てて反論するほどの事はない、さほど珍しくもない内容であった。
ただ「成長戦略」と決別せよ!というオビから期待したのは、安倍政権の掲げる2%成長でなく、成長0%でもやっていける「成熟戦略」でしたが、読んでいくと、1%程度の成長で十分・・・とあって、0%もしくはマイナスから比べると、どう違うんだ?!と突っ込みたくなりました。
また本書の後半あたりから、官僚国家の復権、少数のエリートが国家 -
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「日本を牛耳る悪い奴ら」か、「日本最良のエリート集団」か。「財務省支配」の実態、消費税論議のポイント、職員たちの私生活まで「ミスター円」が大公開!
「省庁のなかの省庁」として、霞が関に君臨する財務省。歴代の政権をコントロールしてきたとも言われる彼らは、「日本を牛耳る巨悪」なのか、はたまた「日本の最後の砦」なのか。「ミスター円」と呼ばれた元大蔵官僚が、豊富なエピソードも交えて古巣の姿を詳述。「財務省支配」の実態、消費税増税論議のポイント、永田町との関係、職員たちの私生活まで、これ一冊で財務省のすべてが分かる!(2012年刊)
まえがき
第一章 省庁のなかの省庁
第二章 財務省の組 -
Posted by ブクログ
ネタバレミスター円の財務省解説本。「官僚」というと悪いイメージが先行してしまうが、彼らは紛れもないエリートであり、諸外国に比べ圧倒的に少数で国を動かしている。
「黒衣に徹するというのは、実は強い自信とプライドがあるからこそできることです。」これが官僚の美学であり、そうでなければ国、政治は回らないということ。また、悪者にされがちだけど、昔に出世した官僚はみんなワルだったというのも興味深い。ワルで回りにどう思われようが、自分の仕事を貫けるのが官僚力ということでしょうか。
政治主導とは何なのか、ただ官僚をたたくのは違うのではないか?と思った。