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著者は、21世紀にはハイテク製品がコモディティ化して値下がりし、代わって資源や食糧が希少品化する、一種の価格革命が起こると予想しています。こうした転換期に直面すれば、経済政策、為替政策も大きく変えざるを得ません。日本は「強い円は日本の国益」だと認識して、それを対外的にも公表すべきである、と強調しています。
著者の榊原英資氏は大蔵省財務官を務め、世界の金融・為替市場で「ミスター円」と呼ばれたスペシャリストです。近年は政治・社会分野にもわたる評論活動で知られていますが、本書では久しぶりに“ホームグラウンド”に帰り、ダイナミックな議論を展開しています。
※本書は2008年9月に東洋経済新報社より刊行された『強い円は日本の国益』を電子書籍化したものです。
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Posted by ブクログ
ミスター円こと榊原氏の本。2008年。過去の世界的な経済イベントを解説しており、今後の日本の方向性を提案している。先進国においては、資産を保有している割合が大きいため、サブプライム問題のような大きな資産価値の下落は、そのまま財の下落に通じる。つまり、資産の価値に振られる状況である。一方、途上国は保有資産が少ないために、逆の状態にある。世界中の状況と日本の体制から、今後の世界で生き残るためには、農業政策、円高政策、エネルギー政策を確実に実施することが重要と説く。人口減少の問題はそのまま受け入れ、いかに、労働力が低下したなかで付加価値の高い製品・サービスを提供するかが問題となる。したがって、産業構造もこれまでのような製造業メインの国策ではなく、農業にも力点をずらしていく必要がある。エネルギーの確保も重要な点であり、今後の政治に期待。
Posted by ブクログ
ー売るシステムから買うシステムへの転換ー
アジア等の新興国の成長や人口構造等の相対的な変化といった、世界経済の構造変化は、21世紀型の価格革命、すなわち資源価格の高等とハイテク商品のコモディティー化をもたらす。
その中で日本経済が生きていくためには、従来の労働集約的な輸出立国から、資本集約、更に技術集約的なブランド商法へと産業構造を転換していく必要がある。
榊原さんの主張は要約すると以上のようになる。
気になった点として、現状(2008年9月時点での「現状」だから、当然今現在とは全く異なる!)は円安バブルという主張はイマイチぴんと来なかった。
それは、主張の根拠に名目レートではなく実質実効為替レートを用いて「歴史的な円安」と言っているのだが、その部分の説明がほとんどなされていないために、(自分のような国際金融の初心者には)論旨、ロジックがつかみにくいからだ。
実質実効為替レートでは円安とのことだが、それが名目レートとなぜ乖離しているのか、その意味を説明して欲しかった。
本旨ではないが、読んでいて印象に残ったのは、日本独特の総合商社の強み。独自のファイナンス機能のもと、資源等を国際的に買うビジネスを展開するその姿は、榊原さんの主張する「買うシステム」の好例だ、と。海外の投資銀行が担っている機能を、日本では商社が展開している。
これは、黒木亮の『トップ・レフト』の劇的な結末のシーンを彷彿とさせるものだった。
Posted by ブクログ
タイトルから興味をひかれ、衝動買い。
読み始めたころ(大3年秋)、共感したと同時に、いろいろ勉強になった。
日本の携帯市場のガラパゴス状態とかはこの本から学ぶ。
けど、大4に読み直して、
結論の一つ「日本産業は高付加価値産業に集中すれば生き残れる」
というのに疑問もつ。
これからは新興国の低・中流所得者、BOPの時代。
高付加価値産業お育成で高所得者に集中だけしていては、世界の企業に置いて行かれるのではないか。
少し短絡的な結論なのではというのが今のこの本に対する感想。
ただ、日本産業の現在の課題をわかりやすく描写していて、
読みやすかった。
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