榊原英資のレビュー一覧
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”新たな成長戦略”というが、成熟国家としての日本に成長戦略が必要か。 多くの日本人は成長シンドロームから抜け出られないようだが、いまさら、発展途上国の中国やインドと競争してもはじまらない。必要なのは成長から成熟へのパラダイムシフトだ。成長から成熟に発想を転換して、日本の良さを再認識するべきだ。
他国にない日本らしさ、ユニークな日本の文化は江戸の後期から明治維新までに完成した。元禄時代の17世紀に日本の人口は急増して3000万人に達するが、文禄時代の18世紀から19世紀にかけては3000万人で安定した。江戸後期、貨幣経済が拡大し、浮世絵、文楽、歌舞伎、大相撲などの庶民文化が花開いた。成熟期という点で、江戸時代は現代と二重写しになる。
産業革命で後れをとった日本は、欧米からの植民地化を避けるために、明治以降欧米の先進的な文明を導入し、欧米を目標に近代化を進めてきた。欧米に対するコンプレックスは今でも色濃く残っている。しかし、日本人が日本について悲観的になる理由は全くない。
日本に住んだことのある外国人は、日本は世界で最も住みやすい国だという。 日本は、環境、安全、健康に優れた成熟先進国の一つのモデルだ。 一人当たり名目GDPではフランス、ドイツ、イギリス等のヨーロッパ諸国より豊かになった。相対的貧困率ではアメリカより低く、平均的な日本人は世界で最も豊かになったといえる。これ以上の豊かさを求めるよりも、豊かさの質を高めることが必要ではないか。確かに人口は減少してきているが、江戸時代もその後期には人口は増加していなかったが、その安定のなかで文明を発展させ、成熟を楽しんでいた。」
そんな日本は、これから発展することが明らかなアジアにおいて中心的な役割を果たすことが間違いない。だから対ドル、対ユーロで75円ぐらいになってもおかしくないそうです。
今は短期的に円安方向に動いているが、長期的にみて日本が少子高齢化で停滞して大幅な円安(150円ぐらい?)になるという説よりも、榊原さんの円高説のほうが、明るい日本の未来を描いているように思います。 -
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日本の高等教育政策を学ぶ上で、政治過程のアクターとして財務省は大きな役割を果たしているだろうという視点から本書を手に取ってみた。
政治過程についての学修を深める目的を充足しようとしていたが、本書は財務省の歴史、特に人物史に集中しておりほとんど参考にならなかった。
読者として批判的に読み進めたうえで、エリート組織としての財務省を賛美し、これまでの財務省を中心とした官僚制システムの継続を筆者が望んでいることに深く疑問を感じた。しかし、民主党が掲げる脱官僚も現実性は乏しい。どのような仕組みがこれからの日本にとって最適なのか深く考えさせられた。 -
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ネタバレ現在の日本が抱えている様々な問題を具体的に取り上げて、そも打開策をこうしたらどうだろう?と提案している本
特に若者に蔓延する問題と、その原因となる特にメディアの腐敗というか低レベルかを憂いでいる。この辺りについては凄く同意できた。
特にメディアが何でも単純な善悪で物事を紹介し「ズバッと」バカでもわかる勧善懲悪スタイルを取ることが、大きな問題であると指摘している。
確かに最近のテレビを中心としたメディアの質の悪さというかレベルの低さはげんなりする一方であるが、まぁそれを望むスポンサーと視聴者がいるんだからメディアだけを責めるのもどうかなぁとかは思った。
あと「儲けりゃなんでもOK!」の拝金主義を激しく批判しているがこれも同意。ただ、若年層を中心に昔と比べれば給与は下がり、今後も上がらず、それどころか就職もロクに出来ない現状で「金儲けだけが全てじゃない」という意見は激しく説得力を失っている気もした。
ただ全体を通してフラットな目で世の中を見て、考えていこうという姿勢はかなり共感を持てたし、各在りたいとも思えた。 -
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ー売るシステムから買うシステムへの転換ー
アジア等の新興国の成長や人口構造等の相対的な変化といった、世界経済の構造変化は、21世紀型の価格革命、すなわち資源価格の高等とハイテク商品のコモディティー化をもたらす。
その中で日本経済が生きていくためには、従来の労働集約的な輸出立国から、資本集約、更に技術集約的なブランド商法へと産業構造を転換していく必要がある。
榊原さんの主張は要約すると以上のようになる。
気になった点として、現状(2008年9月時点での「現状」だから、当然今現在とは全く異なる!)は円安バブルという主張はイマイチぴんと来なかった。
それは、主張の根拠に名目レートではなく実質実効為替レートを用いて「歴史的な円安」と言っているのだが、その部分の説明がほとんどなされていないために、(自分のような国際金融の初心者には)論旨、ロジックがつかみにくいからだ。
実質実効為替レートでは円安とのことだが、それが名目レートとなぜ乖離しているのか、その意味を説明して欲しかった。
本旨ではないが、読んでいて印象に残ったのは、日本独特の総合商社の強み。独自のファイナンス機能のもと、資源等を国際的に買うビジネスを展開するその姿は、榊原さんの主張する「買うシステム」の好例だ、と。海外の投資銀行が担っている機能を、日本では商社が展開している。
これは、黒木亮の『トップ・レフト』の劇的な結末のシーンを彷彿とさせるものだった。 -
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[ 内容 ]
原始資本主義段階の中国経済。
中国の政策決定周期。
人民元の再切り上げはいつか。
華僑人脈の強み。
経済の高成長はいつまで続くか。
中国躍進で日本はどうなるのか。
人民元改革と中国経済の行方を予測。
[ 目次 ]
第1章 誤解だらけの人民元論争
第2章 中国政府の政策決定メカニズム
第3章 動きだした人民元改革の未来
第4章 中国経済の成長はいつまで続くのか
第5章 社会主義体制の残滓とその功罪
第6章 中国の強さを支えているもの
第7章 中国共産党支配のリスク
第8章 迷走する日中関係の未来
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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日本の特色である、外来の文化等を取り込み、自分のものにしてしまうと言う性質が、現在の国際化を妨げている。
日本かkろえまで、中国文化欧米文化を自己のものとするべく様々な努力を行い、日本化した上で取り込んできた。欧米図書の翻訳もそうだ。それがあまりにも徹底していたため、ほとんどの概念が日本化され、それが今現在に至っている。翻訳された概念はあくまで日本化されたものであり、欧米本来の意味合いとは違っている場合もある。
日本では外国の図書は瞬く間に翻訳され出版されている。それが故に日本人は外国語を真剣に学ぶことなく、知識を得ることができた。いまはそれが日本の国際化を阻害している。
グローバル社会はイヤでも世界的分業化の流れとなっており、低賃金の国の労働者にとって有利となる。日本も格差がさらに広がることになる。これまでの中流層は世界の労働者との競争に巻き込まれる。それらの労働者とくらべても群を抜いた能力がなければ、低賃金の労働者が有利になる。
そうした時代だからこそ、日本人は国際化しなければ生き残れない。 -
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なぜ外国語(英語)が喋れないのか?
⇒外国語を外国語のまま使わなかった、日本語に訳してしまったのが原因
(十年英語を勉強しても身につかないのは和文英訳、英文和訳が原因)
たとえば、blue=青と直訳するけど、本来のblueは陰気、憂鬱なイメージが強い。単語で暗記してもだめ。結局、文章全体から推測するしかない。
日本企業の問題点は、国内市場がかなり大きいので国際的に進出する必要性を感じない。一方、おとなり韓国は自国の市場自体が小さいのでどうしても国際進出するしかない。
では、国際市場ですっかり出遅れた日本は今後どうすればいいのか?
著者は日本のユニークな文化(たとえばマンガとか)をどんどん広めて行けばいいと言ってる。
教育面での改善も当然必要。英語を第二の公用語へと熱く語る。