岩田規久男のレビュー一覧

  • 経済とイデオロギーが引き起こす戦争

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    ネタバレ

    NHK「映像の世紀」を見たことをきっかけに、最近昭和史のうちの戦前から敗戦までの期間の本を読み始めているが、この本は非常に面白い。(別の意味での「失敗の本質」。)

    「①戦争するかしないかは、集団間の利害対立を『戦争によって解決しようとするイデオロギー』と『平和的な外交・市場取引によって解決しようとするイデオロギー』との『イデオロギー間競争』において、いずれが勝ち残るかによって決定され、②この『イデオロギー間競争』に勝ち残れるかどうかは、経済的な状況に大きく依存している」(P.5-6)。
    この「経済的な状況」に「大きく依存」とは、端的に言えば、国の経済が厳しい場合、貧富の格差が極端に開いている

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    2025年10月02日
  • なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス

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    デフレにいいことはない!

    日銀審議員の質は非常に重要だと思う。昔からの伝統的なルールではなく、FRBのような博士号を持った学者でGDPを増やすために働いてもらいたい。

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    2024年07月07日
  • 日本経済を学ぶ

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    初版は2005年。
    岩田規久男のちくま新書『経済学を学ぶ』、『マクロ経済学を学ぶ』、『日本経済を学ぶ』、を「経済3部作」と独自に名付けて、続けて読んだ。読んだ目的は、毎日読んでいる日本経済新聞をより深く理解するため、より世界を知りたいためとシンプルに言えるけれども絶望的に難しいことはわかっている。
    1作目「経済学を学ぶ」は経済学とミクロ経済学の基礎理論について、2作目「マクロ経済学を学ぶ」はマクロ経済学の基礎理論について書かれている。
    今回読んだ3作目『日本経済を学ぶ』は、第1、2章で戦後復興から高度経済成長を経て、バブル景気から「失われた10年」へ至る2004(平成16)年までの日本経済の歩

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    2024年04月23日
  • 景気ってなんだろう

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    分かりやすい経済関連の著書で定評のある岩田さんの本ということもあり理解しやすいです。
    日本の過去の景気を大きな波で捉えながら、各トピックのメカニズムを教えてくれます。

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    2023年11月30日
  • 「日本型格差社会」からの脱却

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    日本でデフレによる経済低迷から起きる少子高齢化と所得格差や、綻び始めている年金制度による世代間格差など、詳細なグラフによって分析されていて勉強になりました。特に、第一章の年金制度の綻びに関しては、非常に深刻な状況を知ることが出来ました。また、他国と比較して所得が極端に大きい人々から十分に税を取ることもうまくできておらず、日本の税のシステムでは所得再配分が出来ていないことも分かりました。最終章では、年金の世代間格差を是正するためのこれからの年金制度についても触れられています。

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    2022年03月03日
  • 経済学を学ぶ

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    高校の政治経済や現代社会から少し進んだような内容。「経済学の入門の入門」といったものであり読みやすい。
    刊行されたのが90年代半ばであるので、最終章に書かれた読書案内含めて内容が古くも感じるが、バブル崩壊直後、失われた10年、20年と言われる前、平成不況とまだ言われていた当時の目線から書かれており、かえって新鮮味も感じる。

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    2021年09月22日
  • 「日本型格差社会」からの脱却

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    日銀副総裁を歴任し、上智大名誉教授でもある金融の専門家による、日本経済復活のための提言を述べた本。現状分析が的確で、加えてマクロ経済学、日本の経済政策の推移に詳しく、経験上日本の政治・行政の特性をもよく把握しているため、実現可能性の高い提言がなされている。アトキンソン氏のように、現状を諸外国とのデータと比較することによって、ある程度原因を特定できるのかもしれないが、日本経済の現状に至る経緯や特殊性までは理解していないために、提言内容に本質的なズレが生じている。極めて論理的で説得力がある。ところどころ野党やメディアを揶揄する表現は下品にも感じるが、面白く読めた。

    「正規社員と非正規社員の生涯所

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    2021年08月13日
  • インフレとデフレ

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    わかりやすい。マネーストックとインフレに相関関係があることは既に証明されている事実だと思うが、アベノミクスにおいて大胆な金融緩和が実行されたが、インフレ目標は達成できず。
    増税の影響もあるし、GDPギャップが埋まっていないので、まだまだ市場にお金が足りないということか、、

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    2021年01月13日
  • なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス

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    2013年に第二次安倍内閣が発足し、とにかく経済最優先を全面に出して、7年経過。大胆な金融緩和でインフレターゲット2%に設定したが、まったく実現されず。当時いわゆるリフレ派と呼ばれる方々の本を読んだが、やはり結局理論通りにはいかないんだろうなと思っていた。この本を読んで、金融政策と財政政策の協調の必要性、また消費税増税がかなり影響してることが分かった。アベノミクスで確実に雇用は改善し、企業の収益率も増加した。デフレ対策と同時に大胆な規制改革を行い、日本経済を復活させてほしい。高度な内容ではあったが調べながら読むとかなり勉強になるのでお勧めの一冊です。

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    2020年04月23日
  • 日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い

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    ・2014年4月の消費税率5%->8%への引き上げ前、4月時点では消費者物価前年同月比は1.5%と、2%の目標達成目前だった
    ・アベノミクス、量的・質的金融緩和後企業収益は順調に増加し、失業率は大幅に改善した
    ・アベノミクスで実質賃金は上昇していないと言われるが、消費増税分を差し引くとそうでもない、ただ非正規社員の賃金上昇に比べ正規社員の伸びが小さいことは否めない

    著者が2013年3月20日から2018年3月19日までの日銀副総裁期間を綴った日記。日記とはいってもその時期の経済情勢や理論、著者の考察などが盛り込まれた肉厚な内容だった。長いこと続けられているアベノミクスや日銀の2%物価安

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    2019年12月16日
  • 日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い

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    日銀副総裁の5年間の記録。
    日々の詳細な記録と言うより、起こったことに対しての考えと意見が書かれている。
    やはり消費税増税によってインフレ目標2%がくじかれたことに対して強く描かれている。
    たらればではあるが消費税増税がなければ本当にインフレターゲットが達成できていたかどうかはわからない。
    ただ増税した割には財政再建も見えず経済も悪くなり増税のメリットが全くわからない。
    もう二度とこのようなデフレ脱出のチャンスがないと言うことを考えると増税してしまったのは非常に悔やまれる判断だと思う。

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    2019年12月14日
  • なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス

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    自分の未熟な経済学の知識では、100%の理解には至りませんでしたが、デフレ経済になってしまった歴史や、その負の影響、デフレ解消には金融政策と財政政策との協調が必要でその中身、などかなり勉強になりました。一応、今までの勉強で理解できたつもりでいた部分(インフレ目標の定義など)も、再度、認識を深めることができました。成長戦略における規制の緩和についても同様でした。

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    2019年11月04日
  • 日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い

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    2013年3月から2018年3月まで、日本銀行の副総裁を務めあげた著者による、任期の五年間に著した日記をベースに職務内容を著した一冊です。一般になじみのない語句には、注釈がつけてあるので比較的読みやすく工夫されています。経済の勉強にもなるので、経済学を勉強している方には本書は白眉と言えます。私が特に印象的だったのは、2014年4月に5%から8%に増税された消費税の負の影響に苦しむ著者の姿です。増税で棄損したリフレ・レジームをどの様にカバーするのか日銀で対応にあたる一方で知人のエコノミストに意見を聞いたり、如何に知恵を振り絞っているのかがよく分かります。
    このような、悪影響の強い消費増税を201

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    2018年12月30日
  • 日本銀行は信用できるか

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    内容については、日銀の組織の説明、金融政策の是非、日銀改革の提案など素晴らしいものであり一読することを薦めます。

    ただ、読後の感想としては、この提案されている改革案が実行されなければ(その可能性は高いのだが・・・)日本経済はまだまだ失われた○○年の○○の年数が伸びていくんだろうな、とつらい気持ちになった。

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    2018年11月24日
  • 日本経済を学ぶ

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    戦後の高度経済成長期から失われた10年と言われる平成の長期経済停滞期までの日本経済の道筋を分かりやすくたどる。日銀の政策に2〜3%のインフレ・ターゲット政策を強く求めると書かれている。現在の日銀の政策はこれに沿っているのだろう。

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    2018年10月20日
  • 景気ってなんだろう

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    景気にまつわる、ありとあらゆる用語や事象を素人でも分かりやすいように著してくれている一冊です。かなり、基礎的なことばかりですが、分かり易く丁寧に著しされてあるので、新聞を読んで分からなかった経済的な基本を学ぶことができます。

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    2016年08月10日
  • 福澤諭吉に学ぶ 思考の技術

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    (思いのほかっていうと失礼かもしれませんが)よかったです!!!

    そして議論を上手く進めるコツ、ノウハウをあの当時見抜いていた福澤諭吉は改めてすごいなと痛感しました。

    ■よかった点
    □例がよい。
    出版当時に問題になった相撲選手の賭博問題、夫婦のけんかのきっかけ、夫婦別姓…
    □章立て構成がわかりやすい
    □各章にまとめが書かれている(次の章では~と次の展開も記載されている)ので負担が少ない

    ■なるほど、明日から取り入れたいこと
    第1章.議論の本位を定める
    生活や会議では本位を定めずに銀論している人がお互いの議論の本位が違うことに気づかずに議論するから発散や誤解で終わる
    →天声人語は良文とは本当

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    2015年09月27日
  • インフレとデフレ

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    第1章~第4章、第6章まではありがちな経済の現象について触れている。
    第5章は世界恐慌のおきた理由を、アメリカの金本位制のルールに基づかない不胎化政策によるものと分析する。また高橋是清の財政政策も有効需要創出を先取りしていると説く。

    最終的に著者はインタゲ論を説く。かつ成果を示してインタゲは効果的であると主張する。ただ単純にインタゲを導入するのではなく、自己資本比率規制などの制作が重要であるとする。
    最終的には日銀法改正に話は落ち着くのだが、政府の指導に従いすぎる中央銀行というのも危険ではあるが、今は金本位制ではないのだから、そういう政策も管理通貨制度の下では重要なのかもしれない。
    今までの

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    2015年01月24日
  • 日本銀行は信用できるか

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    徹底的な日銀批判。ここまで日銀を批判することには偏りがあるように思うが、批判される主な論点をとても分かりやすく解説している。

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    2014年02月20日
  • インフレとデフレ

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    マネーストックの増加率が実質貨幣需要の増加率を越えるとインフレになる。含め、金融の政策レジームが重要。

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    2013年10月29日