岩田規久男のレビュー一覧
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どうしてシロウト経済学はダメなのか、様々な例を用いて説明してくれており、読みやすかった。しかし、なぜダメなのかはよくわかったけれど、本来の経済学的思考である、演繹法や数式やグラフを用いて説明されている5章6章などは、ちんぷんかんぷんだった…。
シンプルな方がわかりやすいけれど、様々な要因が考慮されていないから悪影響を及ぼすだけという場合が多いんだなあ。経済は、大枠で見るため個人の損得だけが問題になるのではない。私はどうしても自分の損得や目の前のことだけで考えてしまいがち。帰納法には、錯覚の科学に通じるものがある気がした。因果関係とか。経済学はそう簡単に論じれるものではないんだなと思いました。難しかったー。 -
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福沢諭吉はクリティカルシンキングを実践していこうという主張があったことが勉強となった。
このような日本人の日本語で書かれた著書を読まず、やたらと流行のビジネス翻訳本を読んできた自分を反省。
明治時代のベストセラーであるが、現代でも十分通用すると思われる。ベストセラーにした明治時代の民衆の向学心にも驚く。
古典として学ぶ必要あり。今後福沢諭吉を読もうと思う。
①議論の本位は比較から始まる。
②利害得失が関わる議論はどの立場の議論か明確にする。
③有益な結論を導くため、利害得失を超えた「一層高尚な視点」を導入して判断する。
④溺惑をしない
⑤憶断をしない
⑥学問とは何を疑い、信ずるかの取捨選択の目を持つために存在する。
⑦多事総論の重視
⑧学問の要は活用にある。活用のない学問は無学に等しい。 -
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良書です。タイトルに「経済学」とありますが、
理論的な記述では無く、
米国住宅ローンブームの発生から
サブプライムローン証券化の仕組、そして
それが米国内を超えて世界中に危機が波及した流れに
ついてわずか220頁ほどの小著に簡潔にまとめてあります。
感情的な議論に落ち込まず、事実関係をシンプルにまとめて
ありますので、2009年出版ながらまだ読む価値があるかと。
(ただし、欧州債務危機までは述べられておりません)
なお、銀行間の資金決済の仕組みや
金融商品時価評価の景気増幅効果の問題点にも
触れられておりますが、
中の人としては残念ながら用語が正確では無く
苦笑いしてしまうような記述も。
しかし本文の論旨には影響ありませんし、
大意では間違っていないので問題無いかと。
金融危機に関心のある方にぜひお勧めします。 -
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リフレ派経済学者の著者が,今次の震災復興について,関東大震災,戦後復興,阪神淡路大震災の歴史を踏まえて論じる。国債の日銀引受によって復興支出を増加するのが肝要としている。国債日銀引受は従来からの持論らしい。
復興国債を民間が引受ける場合は,財政支出の乗数効果だけにとどまるが,日銀が引受ければ,それに加えて貨幣増加による需要拡大効果もあるという。ただ,財政法は国債の日銀引受を原則禁止してる。これは政府がそれに頼って放漫財政に陥ることを避けるため。
戦前の高橋財政で,国債の日銀引受は行なわれた。これは失敗だとする考えもあるが,高橋の暗殺までは昭和恐慌からの脱却に一定の成功を収めていたそうだ。
戦後復興でも国際や金融債の日銀引受が行なわれた(石橋財政)。このときハイパーインフレが起きたとされるが,これは貿易が封鎖されていたために,原油など原材料が圧倒的に不足していたからだそう。そんなものなのか。この辺の理論は良く分からないな。学者にも意見の相違があるみたい。 -
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経済学の専門家でない人が経済本をものし,それが結構売れちゃう日本。経済学者がこの現状に警告を発する本。
一般向けに噛み砕いて本を書いてきたのに,間違いだらけのシロート経済本の方が売れると愚痴もこぼしている。筆者は,他の分野ではそんな非専門家によるダメ本は幅効かせてないよねと言っているが,トンデモ本が売れるのは経済学に限らないと思うけど…。
経済学は演繹で,似非経済本は帰納だ!と両者の違いを強調。前提を仮定して,そこから経済の動きをを演繹的に導き出すのが本物,あやふやな帰納とか類推を使って大雑把に分かったような気にさせるのがニセモノだという。
まあいいたいことはよくわかるし,経済学の説明も何とか追えた。ダメ本としては,辛坊治郎・辛坊正記『日本経済の真実』を取り上げて,めった斬りにしてる。 -
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経済学の入門書。マクロ経済の概観を掴むにはちょうどいいかも。
序章 景気とはなんだろう
第1章 景気はなぜ良くなったり悪くなったりするのだろうか?
第2章 設備投資は南極探検のようなものだ!
第3章 日本の景気は海外の景気とどう連動するか
第4章 お父さんの会社は景気とどういう関係があるのか
第5章 いろいろな価格は景気とどう関係するのか
第6章 景気を安定させる方法はあるのだろうか?
第7章 インフレにどう対応するか
付論 イワタ流景気動向指数の見方
景気が良い悪いって、確かに感情論で言っている場合が多く、景気そのものの実態って分かりにくい。著書は、そんな漠然とした景気という対象を、分かりやすく説明している。
個人的には、もう少し踏み込んだ内容を期待していたが、経済の入門書との位置付けであればやむを得ないかも。日経新聞を毎日読んでいれば、著書の大枠は掴めるはずなので、正直新鮮味はあまりなかった。
この本を機に、経済に興味を持つようになる読者が増えれば、それはそれでいいかも。まずは、経済学の導入編として、読んでみるのはオススメ。 -
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[ 内容 ]
二〇〇八年秋、世界金融危機が発生した。
世界金融危機はなぜ世界同時不況をもたらしたのか。
一〇〇年に一度の未曾有の危機といわれる今回の不況は、一九三〇年代の世界大恐慌から何を学べるのか。
昭和恐慌や平成の「失われた一〇年」の歴史と比較しながら、世界およびわが国が、この不況からどうすれば脱出できるのかを緊急提言する。
[ 目次 ]
第1章 世界金融危機はなぜ起きたのか
第2章 世界金融危機はなぜ世界同時不況をもたらすのか
第3章 一九三〇年代の世界大恐慌はなぜ起きたのか
第4章 昭和恐慌と高橋財政
第5章 日本の金融危機と「失われた一〇年」
第6章 世界同時不況からどう脱出するか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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岩田紀久男の最新作にあたる一般書。岩田は本作のみならず数学を使わず、マクロ経済学を使って述べることの出来るマクロ経済学者である。
本作でも、インフレターゲットの有効性と限界性を述べている。日本の景気の減速の仕組みが適切に述べられていて、巷間に流布される謀略的な経済学を説くものではない。その点で、昨今の昨今の米国金融危機の謀略性については全く述べてはいないのはさすがというべきであろう。
米国の経常収支の赤字であり、それが中国、インド、その外のアジアの新興国、日本の黒字を補っているという国際経済のあり方の指摘は、ありふれた指摘でありながらもマクロ経済学的には「常識」である。
そのような視点から、一時喧伝されたデカップリング論に対する批判は当然の論理的帰結であり、また、世界経済の成長性は米国の過剰な消費経済、ほとんど貯蓄の不足の個人消費によって演出されていたのである。このことの認識の欠如したドル安によるそるの信任の崩壊論も一面的な反米経済論であるということも指摘できるであろう。
岩田の本作の問題点は、スタグフレーションへの言及である。スタグフレーションは、平均賃金の上昇無きインフレといえるのだろうが、石油ショック時は平均賃金は上昇し、原油高が外性的ショックとなって現れた。よって、インフレーションは起きたが、平均賃金の上昇が先であって、その後に原油高によるコストインフレ圧力によって、インフレ予想の基盤によって人々の多くが買い漁るインフレ劇が生まれたと理解している。その観点から言えば、原油高によるスタグフレーションの懸念は、根拠薄弱であるといえるだろう。
ただその点を覗けば、さすがに岩田の著作であり、資産デフレから債務デフレへ、デフレ圧力からデフレ予想の定着を指摘してる。金融緩和によるデフレの脱却の金融論の極々まっとうな経済学の開陳がある。非常に信頼できる著者である。