岩田規久男のレビュー一覧
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【概要】
本書は,ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎について,豊富な具体例を挙げて平易な文章で説明・解説をしている経済学の入門書です。
【感想】
私は,大学時代の教養科目として経済学を履修したことがある程度で,ほとんど経済学について勉強をしたことがない。そんな私でも(だからこそ?),経済学って面白そうだなと興味を覚えたので,入門書としては申し分ないと思います。
第8章の「経済学の学び方」で挙げられている経済学関連の書籍で,さらに経済学を勉強しようと思う。
本書は,1994年に発行されているので,取り上げている具体例・題材には古いものがある。しかし,経済学を学ぶ端緒としての入門書としての効果 -
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ネタバレ「経済の面白い話は分かりやすいけれど、もう少し深く経済学を学びたい」
「けれども、分厚い教科書は抵抗感がある」
と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな人にとって、この本は最適な本です。
この本の著者は、リフレ派の論客として、
また日銀批判で有名な岩田規久男氏(学習院大学教授)です。
岩田氏は、日本の金融界をリードしてきた人物であり、
この本の他にも経済学の入門書を多数執筆しています。
その経験から非常に柔らかい筆致であり、読みやすいです。
冒頭でも述べられているように、本書の背景にある考え方は、
経済学を学ぶことによって「大空を舞う鳥の眼で世界を見る」
というもので -
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震災後に、何冊かの経済、復興に関する本が緊急出版された。それらのうちの一冊。何らかの形で仕事を通じて復興に携われないものかという漠然とした思いの中で手に取った。
関東大震災、第二次世界大戦、阪神大震災という3つの大災害についてレビューし、今回の震災で復興はどうあるべきかを提言している。
以下のような記述は納得がいった。
・復興の財源は国債発行でねん出し、国債は日銀が引き受ける。
・今回の福島原発による損害は、今まで隠れていた原発の費用が顕在化したものである。したがって、この費用は本当は電気利用者が事故が起きる前から負担すべきであったもの。従って、原発災害の対策費用がこれから電気料金に上乗せされ -
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[ 内容 ]
日銀の責任を問い直す。
なぜデフレを怖れず、利上げを急ぐのか?
もっとも信頼される学者が金融政策の病根に迫る。
[ 目次 ]
序章 日本銀行の金融政策は信頼できるか
第1章 どんな人が金融政策を決定しているのか
第2章 日銀の金融政策で大不況を脱出できるか
第3章 責任逃れに使われる「日銀流理論」
第4章 平成デフレ不況をもたらした金融政策
第5章 日銀はなぜ利上げを急ぐのか
第6章 日銀に「インフレ目標」の錨を
第7章 日銀改革の勧め
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッ -
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[ 内容 ]
わが国の経済は、この先、安定的な成長路線に復帰できるのだろうか。
不良債権処理、累増する国債、少子・高齢化と年金といった問題が山積している現在こそ、戦後の高度成長期から平成の「失われた一〇年」までを丹念に振り返る必要がある。
「日本的経営」の行方、コーポレート・ガバナンス、規制改革や構造改革などの課題を、さまざまな観点からダイナミックに捉える、最新で最良の日本経済入門。
[ 目次 ]
第1章 戦後復興から高度経済成長期まで
第2章 バブル景気から「失われた一〇年」へ
第3章 日本的経営とその行方
第4章 日本の企業統治
第5章 産業政策と規制改革
第6章 構造改革と少子・高齢化 -
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[ 内容 ]
景気が良くなったり悪くなったりするのはなぜなのだろう?
アメリカのサブプライムローン問題が、なぜ日本の経済に影響を及ぼすのか?
景気は悪いのに、どうして物価が上がるのだろうか?
デフレとは?
日銀の役割とは?
景気変動の疑問点をわかりやすく解説する。
[ 目次 ]
序章 景気とはなんだろう
第1章 景気はなぜ良くなったり悪くなったりするのだろうか?
第2章 設備投資は南極探検のようなものだ!
第3章 日本の景気は海外の景気とどう連動するか
第4章 お父さんの会社は景気とどういう関係があるのか
第5章 いろいろな価格は景気とどう関係するのか
第6章 景気を安定させる方法はあるのだ -
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経済の回復より構造改革を優先させては、「改革」そのものが、危殆に瀕するという、「改革」の本格的論議が述べられている。基本的に著者は、「改革」については賛成しているのだが、デフレの状態にある社会を、マイルドな「インフレ」の情態にまで持っていかない限り、改革の意義が達成できないという。
■この点では、岩田の議論は、一貫している。日銀が、量的金融緩和の解除への意志を、年次目標も無く言い募っている現在(2005年11月)日銀の金融政策が、マクロ経済としてみた場合、正当なのかどうか吟味するには、岩田や、深尾の見解を抜きにしてはまっとうな経済議論は出来ない。
現実経済では、様々な要因により、市場競争が -
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ネタバレ珍しく政治が入っている本を手に取った。
格差を測る尺度
ジニ係数 0-1 大きいと不平等
相対的貧困率 平均所得の中央値しか得られない人の割合1985年: 12.0%
2000年: 15.3%
2009年: 16.0%
2018年: 15.4%
正規雇用、非正規雇用の格差は1990以降急速に進んだ。
小泉内閣による新自由主義で労働者派遣の規制緩和が格差の拡大を生んだとの話もあるが、実態はこの内閣前より差が出ていた。90年代以降ぐらいで特に上昇したのは97-2002年。
小泉内閣 2001/4~06/9
労働者派遣の規制緩和 2024/3~
差が大きくなったのは90年代以降の日銀の失 -
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2013年4月から日銀副総裁としての5年間における日々の日記をまとめたもの。日銀副総裁の仕事がなんとなくイメージでき、歴史的にも価値があるものだと思う。
経済統計について述べている箇所も多く、出版に当たっては図表も付けてもらえると非常に分かりやすく、説得力も増したと思う。
リフレ派として、大胆な金融緩和の実行を主張してきて、実際に副総裁として実行したものの、目標とする物価上昇率2%には達せず。
消費税率引き上げや原油価格の下落、英国のEU離脱、中国の景気減速、トランプ誕生と振り返れば色んなおとことがあった訳だか、結論としては、金融緩和だけではインフレ目標達成は無理ということか。
難しい理 -
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ジニ係数では測れない貧困は、相対的貧困=所得の中央値の半分以下の世帯、人。絶対的貧困ではないが、大多数と同じことはできない。日本はアメリカに次いで2位の国になった。ひとり親世帯では約半数。
正規と非正規の分断
年金の世代間格差
資本所得課税で所得の再分配を強化する。
正規と非正規の区別をなくす。雇用契約の流動化。
職業訓練制度の充実
公的補助はバウチャー制度にして、消費者に分配。
負の所得税方式の給付付き累進課税制度
年金を積立方式にして、その間の債務を年金清算事業団とする。
アベノミクスの最大の功績は雇用の改善。
従属人口指数は、2030年に50%を超える。2050年には70%を超える。 -
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経済学を再学習するために読んだ。
新書なので、経済学ってどういう学問?
ということを知りたい人には適した読み物である。
多少はグラフなどがあってもよかったと思う。
マクロ、ミクロと細分化する前に、そもそも経済学って?という本はあまりないのかもしれない。
けど、冒頭に「経済学とは、私たちの社会において、さまざまな経済活動がどのように営まれ、その営まれた結果が・・・」とあるが、経済学を説明する内容に「経済」って言葉を入れてしまうのは、どうなんだろう・・・。
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(目次)
第1章 経済学の考え方
第2章 市場経済とは何か
第3章 ミクロ経済学の基礎
第4章 現代企業の行動
第5章