岩田規久男のレビュー一覧
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ジニ係数では測れない貧困は、相対的貧困=所得の中央値の半分以下の世帯、人。絶対的貧困ではないが、大多数と同じことはできない。日本はアメリカに次いで2位の国になった。ひとり親世帯では約半数。
正規と非正規の分断
年金の世代間格差
資本所得課税で所得の再分配を強化する。
正規と非正規の区別をなくす。雇用契約の流動化。
職業訓練制度の充実
公的補助はバウチャー制度にして、消費者に分配。
負の所得税方式の給付付き累進課税制度
年金を積立方式にして、その間の債務を年金清算事業団とする。
アベノミクスの最大の功績は雇用の改善。
従属人口指数は、2030年に50%を超える。2050年には70%を超える。
非正規の増加は規制緩和のせいではない。マクロ経済のデフレ要因による。
雇用を守ることは企業の責任ではなく、国の責任にする。セーフティーネットと職業訓練の充実。
ドーマー条件が満たされれば赤字は一定に保てる。
日本は、資本所得を優遇しすぎているので、高額所得者の重税感は薄い。
生活保護制度には問題がある。
年金の世代間格差は、親の面倒を見なくてよいので存在しない、という議論があるが幻想。
労働生産性は、景気に左右される。暇を持て余している店員の生産性は、景気が悪ければ低く算定される。
真の労働生産性を量る方法としてソロー残差という手法。
技術進歩率は不景気でも変わらないが、労働生産性は低く出る。
アメリカの消費者物価上昇率は平均的に2%で安定している。
不景気のときは、シュンペーターの創造的破壊は起きない。
正規社員も賃上げ抑制を求めている。経営が安定するため。
大企業の労働生産性は景気に左右される。中小企業は雇用調整がしやすいため、あまりかわらない。
1人当たり実質GDPを引き上げないと、現役の所得が減り、高齢者を支えることはできない。
最低賃金引上げが生産性に向上するか否かははっきりしない。一気に上げると失業が増える。韓国の例。
正攻法は、保護政策の縮小撤廃。
正規と非正規の固定化も格差の原因。
最終目標は雇用契約の自由化。
生活保護制度が邪魔をしている。給付付き税額控除方式に改める。ベーシックインカムでは限界がある。負の所得税は生活保護になる。
年金は積立金を取り崩しているから、賦課方式プラス積立金取り崩し方式になっている。そのうち積立金が枯渇して、今の給付水準を守れない。
積立方式に移行。年金清算事業団の財源を相続税にする。 -
Posted by ブクログ
経済学を再学習するために読んだ。
新書なので、経済学ってどういう学問?
ということを知りたい人には適した読み物である。
多少はグラフなどがあってもよかったと思う。
マクロ、ミクロと細分化する前に、そもそも経済学って?という本はあまりないのかもしれない。
けど、冒頭に「経済学とは、私たちの社会において、さまざまな経済活動がどのように営まれ、その営まれた結果が・・・」とあるが、経済学を説明する内容に「経済」って言葉を入れてしまうのは、どうなんだろう・・・。
[more]
(目次)
第1章 経済学の考え方
第2章 市場経済とは何か
第3章 ミクロ経済学の基礎
第4章 現代企業の行動
第5章 市場と政府
第6章 マクロ経済学の基礎
第7章 マクロ経済の安定と変動
第8章 経済学の学び方 -
Posted by ブクログ
本書の概要は次のとおりである。
日本銀行(日銀)の金融政策は前例主義を原則とする東京大学法学部卒をトップとする「官僚」によって運営されており、独特の「総合判断」に基づく裁量的金融政策をとっているが、それでは今の日本の大不況からは脱出できない。日銀のゼロ・インフレ政策はデフレ不況をもたらすとともに、過度の円高をもたらした。日銀は金融政策の達成目標を曖昧にしたまま「総合判断」という名の裁量で金融政策を運営しているため、国民は日銀の金融政策に対して、真の意味での「説明責任」を求めることができない、という点に問題の根源がある。成果を出しているインフレ目標を採用している国を見習い、日本でも、政府が日銀の達成すべきインフレ目標を決定し、日銀を国民がガバナンスする仕組みを作れば、日銀の金融政策は国民に信頼されるようになり、その結果、日銀の金融政策の成果も格段に改善されるだろう。
本書の内容は、一応筋は通っているし、それなりの説得力はあると思うのだが、自分がインフレ目標政策に懐疑的なこともあり、十分に納得できたとは言い難かった。例えば、高いパフォーマンスを発揮しているインフレ目標政策を採用している国の多くは、高インフレから低インフレへの移行に成功したものであって、日本のようにデフレから低インフレへの移行を目指す場合とは状況が違うのではないか、日銀の政策決定が経済の非専門家で決められていると指摘しているが、岩田氏が特に批判している白川総裁や翁氏は経済の専門家なのではないか、政府に「金融政策の目標設定」を行わせることは本当に妥当なのか(政府こそ、経済学的観点でなく政治的な観点から意思決定しがちなのではないか)、といったような疑問点が浮かんだ。
また、これは後知恵的な批判だが、岩田氏が実際に日銀副総裁に就任して以降、本書に書かれているとおりのことを実践しているとは思われないことは確かである。 -
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ざっくり内容
かつては物々交換をしていた。物々交換だと、例えば、コメを持っていて魚がほしい人(A)は、魚を持っていてコメがほしい人(B)を見つけないと交換はできず、人々はほしい物を手に入れられない。そこで、貨幣が登場し、交換が用意になるが、こんどは自分のほしいものを持っている人を探すのが大変。そこで、商人が登場し、商人を通して人々は色んな物を売ったり得たりできるようになる。しかし、一人の商人では限界があるから、市場が誕生し、人々は様々なものが得られるようになる。そして、市場が確立すると、人々は自給自足をするよりも自分の得意なサービス・商品を生産することに特化するほうが効率的になる。こうして、経済が発展すると分業が進み、生産と消費が別離していく。
経済学では、制約条件の中で人々は利益を最大化しようとすると考える。ポイントは制約条件を適切に設定することと利益を単なるお金と捉えないこと。
差別化核政策を考えるにあたり大事なことは、消費者の需要の価格弾力性を見極めること。例えば学割は、学生が他の消費者に比べ金がなく、正規の価格より安くなった時にその商品を欲しがる可能性が高いからとられる政策。その他、ゴールデンウィークにパック旅行の値段が上がるのも、大型連休における需要の価格弾力性が小さいから。
寡占市場では価格で差別化しようとしても、すぐに追随されてしまう。そこでその他の差別化を図る方法としては、①品質で差別化、②ブランドで差別化の2パターンが考えられる。テレビCMを多く打ち出しているような企業は、寡占産業×品質での差別化ができていない企業で、ブランドの差別化を図ろうとしていると考えられる。
環境問題は、経済システムに問題を取り込むことで市場による解決が見込まれる。例えば渋滞の発生している高速道路は、通行料金を上げることで渋滞を緩和し、一方で得た利益によりバイパスを作ることによって、交通容量自体を底上げし、渋滞を緩和できる。
ざっくり感想
需要の価格弾力性について、価格以外にも、例えばマクドナルドのハッピーセットは、おもちゃという商品を使い子供(親)の需要の弾力性を高めている。要は、どんなニーズを満たせば需要の弾力性が高くなるかを考えることが大事。例えば、学生証提示でご飯大盛りにしてくれる飯屋があってもいいだろうし。そういう消費者の弾力性が高いポイントを抑えられるようになるのが大事。
経済学は、人間社会をお金(価値)を用いて「説明」する学問だなと感じた。それ自体が何かを解決してくれるわけではなく、僕らはその説明(理論)を理解した上で社会の動きを予測できるようになるというところに経済学の意味があるのかなと思った。
さらに言うと、経済学はざっくりした社会の動きを説明するが、例えば人が商品を買う際、どういう状況のもと、どんな感情が沸き起こり、その結果どこでそれを購入したか等などの複雑でミクロな状況までは数式化(説明)できないのではないかと感じた。そのあたりは、心理学とかいった別の分野の範疇なのかもしれない。社会科学系の学問は、レイヤーになっているのかもしれない。そんなことを感じた。(実際知らないけれど) -
Posted by ブクログ
書かれたのが1994年で古いが、内容は普遍的なもの。
基本的な経済学の教科書として読める。
まず価格の話から経済に切り込む。価格はどのように決まるのか?価格は世の中にどのような影響を与えるか?という事から、失業の問題や景気変動の問題にまで切り込んだ内容になっている。
しかし、教科書的な内容では現実は全く測れるものとは限らない。
例えば、本書に書かれてる景気後退と失業の問題。景気後退時は企業は雇用を減らす。それにより人件費が減り利益が出て設備投資が増え、利益が増えまた雇用を増やす・・・なんて本当か?と思ってしまう。
理論は理論として必要だけれど、理論によって政策を決めるのは危険だと思う。 -
Posted by ブクログ
日本は20年ほど前にバブルを経験して、いまだに回復したのかが明らかになっていない状態です。社会人になる直前にバブルを経験しましたが、当時はお金も無かったせいかその時代を楽しむことができなかった思い出のみがあります。
そのような歴史があるにも拘らず、アメリカで何回りも大きなスケールで土地バブルが弾けてしまいました。今回はサブプライムローンに始まって、モノライン保険、ローンの証券化等、高度なテクニックを使って世界中にばら撒いているので、弾けた場合の影響はアメリカ内部にとどまらず世界中に及ぼすことになると思います。あと何年かかるのかわかりませんが、早く正常な状態に戻ってほしいと思います。正常な状態とは?と考えてしまうこともありますが。
この本においても、なぜこのような危機が起きてしまったのかを解説しています、やはりどの国も、法や税制の改正が分岐点になるのですね。また、あれだけ騒いで導入した時価会計も運用方法が変わったり、ペイオフも日本以外では全額保護、保護するレベルをアップ等、多くの環境が知らない間に変わってきているのは変な感じです。皆がこの経験から教訓を得て、まじめに働いてそれに応じた暮らしができれば良いと思いました。
以下は気になったポイントです。
・ 2つの法改正(1980年に定めた貸付金利の上限規制の撤廃、変動金利・期間終了後の一括払い可能)及び、住宅ローン利子が所得税の控除対象となる税制改正により、住宅ローンが借りやすくなった(p6)
・2008年にFRBから規制(所得と資産から見た返済能力を考慮せずに貸してはならない)が出るまでは、規制はなし(p8)
・貸し手が何を基準に金を貸したかは、貸し手が担保にとる住宅の価格(p11)
・銀行は住宅ローンを証券化して売却すれば、資産としての住宅ローンはなくなり、バランスシートに資産として計上不要(オフバランス化)となる(p33)
・サブプライムローンの滞納率が目立って上昇し始めた地域は、ミシガン州・オハイオ州・インディアナ州などの自動車産業の中心地、クリーブランドでは20%(p72)
・2005,2006年にはアメリカ投資銀行のレバレッジ比率(資産÷自己資本(資産-負債))がないのは、債務超過の状態(元手がマイナス)で資産を保有していた、2007年に債務超過を脱したとき、レバレッジ比率は475倍(p102)
・破綻したリーマン・ブラザーズの社債の清算価値は、国際スワップ・デリバティブズ協会のもとで行われ、8.625%に決定、1000円の社債の償還は86円あまり(p116)
・FRBはAIGに対して、2008年9月16日に850億ドル(9兆円)、それによりFRBは80%の株式取得する権利を獲得、10月8日に1228億ドルへ変更(p119)
・金融安定化法により、銀行破たんにより、10万ドルから25万ドルへ保護が可能となった(p126)
・アイスランドが国家破綻となったのは、2007年以降に外国資本がいっせいに逃げたから、同国の銀行全体が外国からかりていた金額はGDPの6倍、国内分をふくめると12倍(p134)
・為替リスクのある円キャリートレード取引を解消するために、ドルを円に買えて、円建ての借金を返済する、ユーロ建て証券に投資していた投資家は、ユーロを縁に換えて円建ての借金を返済することになるため、円高となった(p142)
・イギリスはノーザンロック銀行の取り付け騒ぎ時に、全額保護決定、アメリカは10→25万ドル、スイスは3.3→10万フラン、ドイツ・デンマークは全額保護とした(p155)
・今回の金融危機の特徴として、1)投資銀行・ヘッジファンド等の金融機関の急成長、2)証券化の著しい進展、にある(p182)
・銀行傘下のSIV(特別目的会社)の破綻が避けられない場合には、銀行が貸し付け債権をバランスシートに戻し、信用リスクをとる、シティ・グループが実行した(p195)
・時価会計の運用は、資産保有が、1)売買のときは、時価評価、時価と取得価格の差額を損益計上、2)満期まで保有の場合は、取得価格で評価、50%以下に下がった場合には差額を損失計上、という二重基準である(p206)