岩田規久男のレビュー一覧

  • 経済学を学ぶ

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    初版は1994年。
    日本経済新聞を読んでいて、日頃からもっと深読みしたいなと思っていた。ちくま新書は今から25年位前の学生時代、出版される本はどれも興味を喚起させる書名ばかりで、読みたい本がたくさんあり、実際に何冊か読んではいたが、全然追い付かない状態だった。筑摩書房はいい新書出すと好印象をもてる出版社だった。現在は当時ほど注意して書名をチェックしていないのでわからないが、この本はちくま新書の30年前の経済学の本である。

    当時の社会状況は今となっては少し古いが、経済学の内容は古くなく普遍的。この本を読んでみて基本的なことを説明するのに、わかりやすさの点で、この本を超える経済学の本はなかなか

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    2024年04月17日
  • 日本銀行は信用できるか

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    日銀の過去の過ちについて客観的な論拠とともに述べられています。本書が執筆されて以降日銀の黒田総裁の判断は前例主義を脱しているように感じますが課題は山積みです。

    本書で触れられる日銀そのものの構造へのメスも必須条件と言えるでしょう。

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    2023年02月08日
  • 「日本型格差社会」からの脱却

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    日銀副総裁も務めた岩田氏の本。
    長期デフレが根本にあり、そういった意味で他国とは異なる「日本型格差」といえる特徴的な格差に関して論じていて興味深かった。
    MMTとは一線を画していて非常に現実的な議論を進めている点は好感が持てた。
    ただ、気になったのは日本は配当課税に関して他国と比べて恵まれているとかかれていたが、アメリカと比較すると違うように思えた。

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    2022年01月18日
  • 「日本型格差社会」からの脱却

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    日銀内部の人の著者が語る、
    格差社会とデフレの原因。

    丁寧に説明を積み重ねていてわかりやすいが、
    対立する主張の氏を徹底的に叩くスタイルなのが
    やや気になった。

    国のためのことなんだから、いがみあってないで
    主張すべきところは主張し、協力できるところは協力して
    やってほしいと、一市民は願うのだけど。

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    2021年10月09日
  • なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス

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    著名な経済学者による、デフレ脱却の重要性を説いた本。著者は最近『日本型格差社会からの脱却』という名著を出版しているが、その中でも主題となっているデフレからの脱却について、詳しく述べているのがこの本。著者としては、欧米では当たり前の主張ではあっても、日本ではなかなか理解されないといったもどかしさを訴えている。説得力がある。

    「(FRBの徹底したデフレ対策)FRBは、01年から景気減速が明確になったため、同年8月までに累計3%の利下げを実施しました。しかし、同年9月11日に同時多発テロが起き、不確実性が高まったため、さらなる利下げをせざるをえなくなりました。しかし、こうした連続の利下げにもかか

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    2021年09月10日
  • 「日本型格差社会」からの脱却

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     リフレ派の代表で元日銀副総裁、黒田日銀総裁の異次元の金融緩和を指導した人なので、そのことについてコメントを期待して読みました。ですが、そのことについてはほとんど触れられていませんでした。
     デフレこそ不況の原因であり、これを根絶しないと日本経済の成長はないというのがリフレ派の理論です。そしてデフレを引き起こしたのは日銀の金融政策が間違っていたからなのだ、というリフレ派の理論的核心については凄い自信なのですが、黒田日銀総裁がその論理を使ったのだから、どうして効果があまり出ていないのか説明が欲しいところです。
     もう一つ「MMT」についても語って欲しかったのですが、岩田教授はMMT論者じゃないこ

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    2021年08月16日
  • 経済学を学ぶ

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    経済学の基礎がよく分かる。随所で具体例を上げて説明してあり、より詳しい内容への興味が湧いた。

    著者の他の著作にも目を通してより詳しい経済学を学んでいきたいと思う。

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    2021年05月10日
  • なぜデフレを放置してはいけないか 人手不足経済で甦るアベノミクス

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    少し前に読んだ、、、
    日本銀行「失敗の本質」 (小学館新書)
    とは真逆の論調だが、どちらかというと、こっちの方が説得力あるなぁ。

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    2019年10月21日
  • 日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い

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    ネタバレ

    新聞社の利益を社会的な利益よりも優先するという、露骨とも思える利己主義から、軽減税率導入を主張しているのではないかと疑ってしまう。これでは、新聞が「民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与している」とはいえないだろう。 ー 168ページ

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    2019年02月11日
  • 日銀日記 ──五年間のデフレとの闘い

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    第一次黒田体制の副総裁の時系列紹介。日記とはあるが、不定期ブログの様相で公開する為後からかなり手を入れてると思われる。
    日銀副総裁といえども情報は機関投資家と変わらないもの。ターゲットに未達なのは2014年の消費税増税が主要因でその後の原油価格下落も追い打ちとなったとしている。黒田総裁は財務省のDNAから逃れられず、政治、マスコミも財務省の手が回ってるとしている。

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    2019年01月06日
  • 経済学を学ぶ

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    良書。経済学の入門書として最適では?簡潔かつ親しみやすい文章で、スラスラ読めます。高速道路の料金や学生の映画割引など、経済学で説明できるものだとは知らなかった。昔の本ではあるけども、最近のシニア割引や京急の有料特急にも当てはめて考えることができるなぁと。満員電車緩和のための料金設定案は本当に実現してほしい。

    「神の見えざる手」が労働市場ではすんなりいかない理由、日銀の金融政策が社会に大きな影響を与える訳など勉強になりました。

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    2018年11月07日
  • マクロ経済学を学ぶ

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    「経済学を学ぶ」の続編としてのマクロ経済入門。

    できる限り文章で説明されているので、ロジックを追いやすく、頭の訓練もかねて、マクロ経済学の基礎を復習することができる。

    ★×4としたが、限りなく5に近いイメージ。

    一方で、文章で説明されているので、わかりづらい面もある。図などで、自分なりに整理するとよりわかりやすくなる。

    国民総生産、需要、供給、国民総所得、消費、貯蓄、投資の関係など。

    [more]

    (登録時コメント)
    経済の勉強、続きの続き。
    自分のわかっていないことが見えてきているような感があるので、一度、ノートにまとめてみた方がよいかもしれない。

    (目次)
    第1章 国民総生産

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    2018年10月12日
  • マクロ経済学を学ぶ

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    『経済学を学ぶ』(ちくま新書)の続編で、マクロ経済学の基本的な考え方を分かりやすい言葉で解説しています。

    難解なマクロ経済学ですが、本書ではほとんど数式を使わず、定性的な記述で押し通しているので、一気に読み通すことができます。むしろ、立ち止まってしまうところがないために、どこがポイントなのか分からなくなってしまうのが本書の問題ではないか、と思えてしまうようなところがあります。

    『経済学を学ぶ』と同様、すべての人に役立つ内容だと思いますが、とはいうものの、前著に比べると若干ですが、強硬なリフレ論者として知られる著者自身の主張がにじみ出ている度合いが強いように感じます。

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    2017年02月15日
  • 経済学を学ぶ

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    すこし古い本ですが、経済学の基礎をわかりやすく解説している良書です。

    著者自身の経済学上の立場を文章の端々に感じることはあり、バランスのとれた叙述といえるかどうかは若干疑問もありますが、読者をみずからの意見に同調させようとすることは控えられており、あくまで経済学の基礎をかみ砕いて解説することに努めているように感じられました。

    現在日銀の副総裁としてアベノミクスの経済政策を推進している著者の立場に違和感を覚えているという読者にとっても、有益な入門書ではないかと思います。巻末の文献案内も役に立ちます。

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    2024年03月17日
  • 世界同時不況

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    サブプライムローン問題に端を発する世界同時不況の原因と仕組みを解き明かすとともに、過去の大不況を顧みることで現在の危機に対処する方途を探っている本です。

    じつのところ、経済学に疎く思想史に関心を抱く者としては、もっぱら理論的な立場から現在や過去の世界的な不況を論じている本書は、ややとっつきにくく感じてしまい、もっと包括的な立場から経済という人間の営みについて考える必要があるのではないかと感じてしまうのも事実です。

    そうした私にとってもおもしろく感じたのは、石橋湛山の経済政策についての著者の評価です。反グローバリズム志向の強い左派の論者からは、石橋を評価する声は多く聞かれますが、著者のように

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    2016年06月01日
  • リフレは正しい アベノミクスで復活する日本経済

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    ネタバレ

    序論:アベノミクスとは:「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「民間投資の成長戦略」の3本の矢である。日本のデフレギャップを金融緩和で埋める。
    ①金融緩和競争:リーマンショックに対してアメリカ・EUは金融緩和によって乗り越えた。アメリカは国債+MBSもFRBが買い込んだ。FRBはLSAPs(大量の資産購入政策)により長期金利の低減=デフレリスク軽減。デメリット:資本市場の機能不全→量的緩和を終わらせられない→バランスシートの負債→
    ②アベノミクスの金融緩和:デフレ要因→不良債権・IT革命・生産労働人口・中国・雇用形態→これらが原因とは断定できない。お金の流動性不足。予想インフレ率→円安→貯蓄~

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    2014年12月26日
  • 日本経済を学ぶ

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    現在、日銀副総裁としてアベノミクスの金融政策にたずさわっている著者が、高度成長からバブル景気、平成の長期不況、小泉改革までの日本経済を、明快に解説した本です。

    本書では、行政指導は産業界の意向をおおむね受け入れる形で決定されていたとし、戦後の高度成長に政府による産業政策が大きな役割を演じたとする見方を批判しています。

    また、平成の長期不況からの脱却には、市場の機能を活用する構造改革だけでは十分ではなく、デフレからの脱却を伴わなければならないという主張がはっきりと押し出されています。本書の刊行は2005年ですが、この頃から著者がすでにインフレ・ターゲット導入の必要性を訴えていたことが分かりま

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    2014年12月06日
  • 福澤諭吉に学ぶ 思考の技術

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    「学問のすゝめ」「文明論之概略」から、思考や議論の手法を解説し学ぼうとするもの。「議論の本位を定める」「高尚な視点から軽重を判断する」「惑溺するなかれ」「憶断するなかれ」「多事争論のすすめ」などを大相撲野球賭博問題における責任のとりかたや夫婦別姓、規制緩和など、現代の事例を引っ張りだして説明されているので理解納得しやすい。特に「人間万事試験の世の中」という福澤の言葉があるが、これは、世の中分からないことだらけなので、旧習を有り難がって墨守するのではなく、新たな試みをせよ、ということでまさに起業家精神だと思う。著者の岩田先生は大学時代に必修科目を教えていただいていた。おなつかしゅうございます。

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    2014年09月02日
  • 経済学を学ぶ

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    よくぞ新書でここまでまとめてくれた。最終章の学び方もありがたい。経済と関係なく生きられないがゆえに、このような独学書の存在はありがたい。古典であり基礎を扱っているが故に版を重ねている理由もよくわかる。高速道路、ゴミ問題、雇用に私は興味をもった。

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    2014年05月31日
  • リフレは正しい アベノミクスで復活する日本経済

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    リフレ派の著者が多くの図表を用いて、リフレ政策の正しさを証明している本であり、非常に初心者用にわかりやすくと書こうとしているのがわかる。

    内容は、日銀だけが金融政策の誤りのために世界で日本だけがデフレ状態になっており、まずこのデフレ状態を脱することが大切であることを主張している。デフレを脱却するためのアベノミクスの第一の矢であり、そのうえで、第2.3の矢を放つべきだとしている。名目GDPが上がれば、増税する必要もなくなるとしている。4章では、世界の経済状況が減速し、今後ユーロは、リスクが高いことも指摘している。

    グローバル化というのは本当によいことばかりではないことを考えさせられた。

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    2014年02月28日