あらすじ
2008年秋、米国を震源に発生した金融危機は、瞬く間に世界同時不況へと拡大した。100年に1度の未曾有の事態といわれる今回の不況は、1930年代の世界大恐慌から何を学べるのか? 現在、起こりつつある事象と当時の推移を緻密に分析し、さらに昭和恐慌や平成の「失われた10年」とも比較しながら、世界および日本がこの危機から脱出するための方策を緊急提言する。
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Posted by ブクログ
サブプライムローン問題に端を発する世界同時不況の原因と仕組みを解き明かすとともに、過去の大不況を顧みることで現在の危機に対処する方途を探っている本です。
じつのところ、経済学に疎く思想史に関心を抱く者としては、もっぱら理論的な立場から現在や過去の世界的な不況を論じている本書は、ややとっつきにくく感じてしまい、もっと包括的な立場から経済という人間の営みについて考える必要があるのではないかと感じてしまうのも事実です。
そうした私にとってもおもしろく感じたのは、石橋湛山の経済政策についての著者の評価です。反グローバリズム志向の強い左派の論者からは、石橋を評価する声は多く聞かれますが、著者のようにイデオロギー・フリーな理論的立場から石橋の経済政策を詳しく検討し評価したものはこれまであまり目にしたことがなかったので、興味深く読みました。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
二〇〇八年秋、世界金融危機が発生した。
世界金融危機はなぜ世界同時不況をもたらしたのか。
一〇〇年に一度の未曾有の危機といわれる今回の不況は、一九三〇年代の世界大恐慌から何を学べるのか。
昭和恐慌や平成の「失われた一〇年」の歴史と比較しながら、世界およびわが国が、この不況からどうすれば脱出できるのかを緊急提言する。
[ 目次 ]
第1章 世界金融危機はなぜ起きたのか
第2章 世界金融危機はなぜ世界同時不況をもたらすのか
第3章 一九三〇年代の世界大恐慌はなぜ起きたのか
第4章 昭和恐慌と高橋財政
第5章 日本の金融危機と「失われた一〇年」
第6章 世界同時不況からどう脱出するか
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