岩田規久男のレビュー一覧
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ネタバレ日本銀行が日本経済に与えた影響や、日銀の取るべき方針について論じた本。
結論から言えば、日銀の問題点はプラザ合意以降、円高・デフレ容認(金融引き締め)の方針を採用したことに尽きる。そのため、内需が冷え込んで産業空洞化=地方経済衰退を招き、外需に依存する経済体制になり、「失われた10年」を迎えることになった。
では、なぜ日銀はこのようにデフレを恐れず、インフレを過度に恐れるようになったのか。著者はその原因を速水優総裁の発言に求める。曰く、昭和恐慌の際、高橋是清蔵相が日銀に国債を引き受けさせたため、戦後の国債処理の際にハイパーインフレを起こすことになった。
しかし、実際は1936年 -
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近代日本における最高の啓蒙思想家である福澤諭吉の『学問のすゝめ』『文明論之概略』および丸山真男による福沢解釈を援用しつつ、議論はこうなされねばならないという「思考の技術」のエッセンスを論じたもの。
福澤諭吉の著作を読んだことのない読者も、本書を通じて140年前の福澤の議論が現代においても十分通用する新鮮さをもっていることに驚くことであろう(逆に140年も前に指摘されていることが、いまだ克服されていないことにがっかりするかもしれない)。丸山の『「文明論之概略」を読む 上・中・下』を、読み通すのにしんどいという人は、この岩田本から入るのが良いかもしれない。こちらも大学生には是非読んで欲しい一書で -
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[ 内容 ]
交換と市場、需要と供給、企業・政府などミクロ経済学の基本問題から、国民所得、財政金融政策などマクロ経済学の基礎までを、豊富な例示とたくみな比喩で説く明快な入門書であるとともに、今日の複雑な経済・社会を正しく読み解きたいという読者にむけて、現実の経済・金融問題などを幅ひろくとりあげ解説する、役にたつ生きた「再」入門書である。
[ 目次 ]
第1章 経済学の考え方
第2章 市場経済とは何か
第3章 ミクロ経済学の基礎
第4章 現代企業の行動
第5章 市場と政府
第6章 マクロ経済学の基礎
第7章 マクロ経済の安定と変動
第8章 経済学の学び方
[ POP ]
[ おすすめ度 -
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ー 企業の場合を考えましょう。企業が人を雇おうとするときに注目するのは、その人を雇うとどれだけ生産量が増え、その増えたモノやサービスがどれだけの価格で売れるかです。この増えた生産量に予想されるその生産物の価格をかけた値を、労働の限界生産物の価値といいます。この限界生産物の価値の定義から、限界生産物の価値はモノやサービスがいくらで売ることができるかに依存することがわかります。この売れる価格には不確実性があります。さらに、雇おうとする人がどれだけ生産的であるかも、不確実です。企業はこのような不確実性に直面しているので、支払ってもよいと考える賃金には幅があるのが普通です。その幅は企業によって異なりま
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初版は1996年。
物価が上昇し続けている。緩やかなインフレ気味。長い間デフレだったのに、いつの間にか物価が高くなり続けている。リフレーションと言うようだ。リフレーション(リフレ)とは、デフレから抜け出たが、本格的なインフレには達していない状態のこと。リフレは不況を克服しようとする経済政策で、今の日本経済状態は政府・日銀の思惑通りのリフレなのかもしれない。
先月これまでバブル期の最高値を更新して日経平均が史上初の40000円超えをしたものの、今日は日経平均が落ちて37000円ほど。円はドルに対して154円の円安。最近日銀が金利を上げた。などの情報を頼りに、日本経済の状態を把握する日々。そう