藤田孝典のレビュー一覧
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ネタバレ第一章〈生活困窮者を絶え間なく生む社会〉
①終身雇用と年功賃金による日本型雇用の崩壊、非正規雇用の拡大、ブラック企業の台頭etc.
→貯蓄困難
→病気などのリスク回避が出来なくなった。
→困窮者が生まれる
②生活ギリギリの世帯に対する社会福祉が不十分
→選別型社会福祉…条件を満たさないと救済無し
③こうした状況改善を訴えた際の風当たり強い
→改善されず。
第二章〈引き裂かれる日本社会〉
税金からなる選別型社会福祉は、「みんなの利益」から「誰かの利益」となっている。
→財政事情が厳しい
→何処を削るかの争い勃発
→世代間、性別などで引き裂かれる。
第三章〈日本の「労働」はなぜこれほど苦 -
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■下流老人がみて「ああなりたくない」というマインドが若者にできてしまい、それが貯金→消費抑制→経済悪化になってしまう
■親世代が下流老人になることで、それを支える現役世代まで共倒れとなってしまう。このように下流老人によって現役世代にも影響が出てしまう。
■この国が抱える種々の社会問題、こと貧困に関しては蜘蛛の巣のようにあらゆる方面にリンクしているのだ。そこで「下流老人に対する支援より、子供の支援を充実させるべきだ」とか「他に重要な政策があるのだから、我慢してもらうしかない」といった一面的な感情に基づいた二者択一論は、意味をなさないどころか、社会全体に貧困の綻びを拡大させる恐れすらある。
■下流 -
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下流老人
オペレーションZの参考文献リストにあり、兼ねてから興味があったため、購入し、読んでみた。
下流老人とは、筆者である藤田氏の造語であり、生活保護受給レベルで生活を行っている老人のことである。実は、日本には生活保護受給レベルでありながらも生活保護を申請することなく、極めて低い収入で暮らしている老人が存在する。それらの人々は、まずは自らが生活保護受給レベルにあることに関しての認知もなく、さらには社会的な繋がりも持たずに生活している為、実際に孤独死してしまう方もいる。
本書では、下流老人になってしまった方々のこれまでの経緯と、生活保護についての知識、そして、今後非正規雇用として高齢者となる -
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就職氷河期世代は、就職時期だけでなく、その後も困難を抱え続け、引きこもりなどの社会問題を引き起こしている。8050問題も、この世代に対する政策を考えないと、解決には至らない。政府も様々な政策を打ち出してはいるが、「やっている感」を演出するだけで効果は少ない。この世代を「棄民世代」と揶揄する表題で書かれた物。著者もこの世代であり、同世代として問題提起をしている。政策に効果がない分、どこに希望を見いだすか。労働組合が協同組合(労働者協同組合)にどのように進んでいけるかが希望の道と説く。今後、働き方もまちづくりも、協同組合の発展なしに進めないのは私自身も感じていることで、大事な提言と思う。
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色々と納得させられたり、考えさせられました。
子育てしている中で薄々感じている、周囲の境遇や、
何かふと、レールから外れてしまった後の苦しさや怖さの正体を、
活字として知れた感覚でした。
自分(40代後半)も、比較的貧しい境遇のなか、生き抜いてきた思いがあるし、
親の世代は更に、苦労しながら頑張って育ててくれていたことを
同じ世代になり、子どもを育てる中で、より深く感じていますが、
今の子供たちは、より搾取的で複雑な環境に置かれている事を知り
愕然としました。
まずは自分の子ども、周囲の子供たちを丁寧に見守りたいです。
住宅の問題や、奨学金ローンの件など、もっと改善できるのではないか? -
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ネタバレ<目次>
はじめに(今野晴貴)
第1章 生活困窮者を絶え間なく生む社会(藤田孝典)
第2章 引き裂かれる日本社会(井出英策)
第3章 日本の「労働」はなぜこれほど苦しいのか?(今野晴貴)
第4章 身近な世界を政策につなぐために~「ベーシック・サービス」の提唱(井出英策)
第5章 限定的で狭小な社会福祉からの脱却(藤田孝典)
第6章 「職業の再建」で分断を乗り越える(今野晴貴)
第7章 未来を再建せよ(井出英策)
あとがき(藤田孝典)
<内容>
日本の現代社会の問題を示した本。この本の優れているところは、3人の知恵者が、彼らなりに解決策を提案していることだ。それも実現不可能な夢物 -
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悲惨な老後を送る貧困高齢者への支援活動を実際に行っている著者だけあって、実態を描いた第1章から第3章はリアリティと迫力がある。たしかに、老後の生活崩壊は、特殊な人に訪れる特別な事態ではなく、誰にでも起こりうる話である。他人ごとではない。われわれはそれを覚悟しておいた方が良い。
著者は、「社会システムと社会福祉制度の機能不全」が、このような下流老人を生み出す原因であるという。そのとおりだと思う。ではどうすればよいか。社会システムや社会福祉制度を変えればよい。それもそのとおり。
だが、問題は、社会システムや社会福祉制度をどう変えれば、下流老人の出現を食い止め、一人ひとりが幸せな老後生活を送るこ