あらすじ
「年収400万でも将来、下流に 」──半年で20万部を突破し、流行語にもなった『下流老人』は、一般に金持ちと思われていた高齢者の貧困を 発見 した。続く本書では、ますます深刻化する現状を辿りつつ、自分が下流化しないための 解決策 を提示する。
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Posted by ブクログ
前書「下流老人」に続き続編の本書を手にした。現状把握の部分は前書と重複する部分が多い。しかし解決策を論じる部分は著者の意気込みを感じる。曰く「私たちは、社会がどうなれば住みやすくなるのか、これからも理想を語れるだろうか。子供たちや孫たちにどのような社会を託すのか、彼らの前で語ることができるだろうか」「理想主義者を排斥する社会は、成長や前に進むことを諦めた社会だと言える」
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■一度職を失うと高齢なほどキャリアを生かした職を得にくい。
■「そもそも日本に金がないのは当たり前」。なぜかというと先進国の中で税の負担率を見たときに,日本は明らかに低い。税の負担率だけでいうのであれば消費税を18%ぐらいまで引き上げて,ようやくOECD の平均率並みになる。
■過去20年の所得分布の変化をグラフにして並べてみると年数を追うごとに平均年収100万~400万円の階層のボリュームが大きく膨らんでいることがわかる。つまり日本の格差は高所得者と低所得者の両端が増加したというより,中間層が全体的に下方に推移した結果だといえる。
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良かった。事例部分は他人事ではなく、明日は我が身感があります。
今後への提言もありますし、あとは(この提言の通りではなくても)どこまで実現できるか、でしょうか。
Posted by ブクログ
2017年1月
前作「下流老人」がベストセラーになり、多くのメディアで下流老人という言葉が聞かれるようになった。しかし、どうも多くの人は下流に陥る原因を、「自己責任」にしたがる傾向にあるようだ。
この本は、単に「自分が下流に陥らないにはどうすべきか」という問いに答える本ではない。恥ずかしながら、私も自分の老後について不安があったのでこの本を手に取ろうと思っていた。
では、著者はどのような事を訴えたかったのだろか。
それは日本の社会保障システムの脆弱さではないだろうか。
下流に陥る原因は様々ではあるが、少なくとも国が助ける事は出来る。しかし現実には、社会保障に充てられる予算は決して多くない。そんな現状を変えるためにこの本が書かれたのだろう。だから決して老人をいかに助けるか、といった観点だけで語られることはなく、広く日本に生きる我々が少なくとも住居や生活の心配がなく生活ができるために何が必要なのかを考えさせらる本になっている。
個人的には、教育に携わる仕事をしているため、大学の学費(特に国立大学の学費)が非常に高額な日本の現状が変わっていくことを望んでいる。また、最近話題になる生活保護の家庭に生まれた子供が大学に行くことができない制度など、貧困のループをなんとか改善できればと思う。
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前著は些細なきっかけで誰しも貧困に陥る危険性と、それを生む社会システムの問題を述べ、センセーショナルを呼んだ。続編では高齢者になっても働き続けないといけない我が国の現状と、出来なければ貧困化する現状をデータを用いて説得力のある議論を展開。一億総活躍社会は一億総疲弊社会の到来と、皮肉のある言葉で警鐘。我が国の社会保障への財源も含めた問題提起だが、方法論には色々と議論はあるだろうが、今の政策では改善が得られないのは明らかで、根本的な転換が必要と考える。
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下流老人にならないためにどうすればよいか?ということについて書かれているが、自分事として、しっかり考えないと、いつの間にか歳を取っているということになりかねない。
世の中を変えるのは難しいことだけど、声を挙げなければ見向きもされない現状。
制度の恩恵を受けたければ、申告、しかも手続きがとても煩雑な日本。弱い者を助けるという色が薄いことに残念な気持ちになったが、一方でそれを少しすつでと変えていけるのは国民である自分達なんだとも思う。
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少し前に、老後の生活の為に必要な金額が示されていましたよね。
その金額があったとしても、不慮な病気、事故、予期せぬ扶養家族増加(子どもが孫を連れて転がり込んでくる、親を引き取ることになる等)によって、年金をそれなりに受け取っていようと、2000万円持っていようと下流老人になる可能性は誰にでもあるのだ、ということに衝撃を受けました。
以前、消費税をアップさせる際、「社会福祉」に利用する、というのを私自身も聞いていましたが、ふたを開けてみると、実際に福祉に利用されたのは、そのうちのほんの僅かな割合だったとか。
今回の増税はどうなんでしょう。
全体が底上げしてもえらえるのであれば、増税は我慢するかな、と思うのですが、今の政府は、何だかお金がうまく使ってもらえる気がしないのです。
その場をしのぐだけの発言、政治ではなく、長期戦で考えてほしいと思います。
そうでなければ、現在の仕組みでは一生、それこそ死ぬまで働き続けなければいけないそう。
でも高齢になるにつれ、頭も体も若いときの様には動かなくなるでしょうから、これは現実的ではない。
現状を打開するには、著者の提案が今のところ一番現実的なのかな、と感じました。
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普通に一生懸命働いていても、老後安心して暮らせない今の社会システムに疑問を投げかけると共に、改善策を提言する本。
"一億総活躍社会"とは、聞こえはよいが、老人や社会的弱者も働かないと暮らせない社会。今のコロナ禍で不安を抱える人々に対する政府の補償の考え方を見ていると、多くの人が年を取ってから直面するかもしれなかったことが早く、しかも一気に起きたと思えなくもない。
今読むと、どんなに危なっかしい社会システムを安部政権が目指しているかよくわかる。
Posted by ブクログ
前半は事例を挙げつつ検証。
藤田さんの良いところは一方的に自論を展開するのでは無く、いろんな角度から一つのテーマを検証すること。
とても参考になった。
後半は具体的に今後どうしたらいいのか藤田さんなりの自論とその解釈。
正直自分もよく分からないところもあるが、現状藤田さんの考えがベストと思う。
自分も自身の保身を考えつつ藤田さんのような活動に加わりたいと思った。
少しづつでも世の中変えて行きたいよね。
Posted by ブクログ
離婚,配偶者との死別,病気,介護…。一部の富裕層を除き誰でも下流老人になってしまう危険性がある。筆者はいたずらに自己責任を問うのではなく,下流老人を生み出す社会の仕組みに目を向け改善を図る必要があると主張する。なるほど,頷ける主張だ
Posted by ブクログ
今、『続・下流老人』を読み終わった。現代社会の定年後の私たちに突き付けられたいろいろな問題に身につまされて読んだ。真面目に働いてきても、家族環境、経済環境、健康問題、それらのことがジワジワとわが身に迫っている。この本を読んでいてそのことを実感として感じた。
Posted by ブクログ
下流老人。
健康は、人生の最大の財産であり、最大の買い物だと思いました。
年金受給額の引き下げや生活保護の問題。日本人は、ひとに頼ることが苦手な民族の様に思う。こどもの貧困も結局は、回り回って現役世代の老後に負担がのし掛かる。
まわりの批判を反らす意味でも、ベーシックインカムの話もそうだけど、現物支給もひとつの手段だと思います。
Posted by ブクログ
2015年新語・流行語大賞にノミネートされた「下流老人」を生み出した筆者による続編。前著から1年半という期間しか経っていませんが、深刻さが増す高齢者をめぐる貧困と格差の状況等を伝えています。
先の臨時国会では年金カット法案が強行可決され、1月末から開会される通常国会では介護保険法改定法案が上程される予定です。自己責任に押し込めない権利を保障する制度のありようについて、基本的な方向を確認すると同時に徹底的な議論が必要です。税の使われ方を主権者としてきちんとチェックすることも大事だと感じます。この本を読んで、自分としてもよく考えたいと思いました。
Posted by ブクログ
少し前の本だが「下流老人」の後が気になっていたので読んだ。前作に続き、「死ぬまで働く」未来が現実になることを強調しており、暗い気分になる。特に第2章の事例紹介は残念であり、不安を煽られる。
下流老人に陥ることを個人レベルで対処する策は無い。予防措置として、社会の構造と実情を理解し、声を上げ、連帯するしか無い。これではあまりにも寂しい結論だろうし、当時はこの本を読んでガッカリした方も多かったのだろう。確かにこの本だけを読むと、働く気力、介護や子育ての気力、選挙投票に行く気力を削がれるもの。ズルして儲けるか、ゴマすりしてまで出世するしかないのか。若かった自分は、きっと腹を立てたことだろう。
ただし、当時と比べて、遅ればせながら、医療費控除やふるさと納税とか、マイナポイントなど、生活に役立つ制度があることを知り、活用している。これらは読書や友人から得た情報である。1つ1つ調べて申請する手間があり面倒だったが、やるだけの価値は十分ある。