藤田孝典のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「下流老人」を始めとして貧困問題を積極的に訴えてきている著者の最新作。
我が国では「貧困」が広がっているが、「絶対的貧困」ではなく「相対的貧困」が広がっているため問題が見えにくい。著者は「下流老人」で高齢者の貧困を明らかにしたが、雇用の破壊が進行している現在、若者や中年、女性にも貧困が拡がり、それが更に高齢者の貧困を進行させ、社会保障の削減がそれに拍車をかけていることを実例を通じて論じているので説得力がある。最終章で、それでも個人で行える策はあると、現在使える社会保障制度を説明されている。最後はとどのつまりは政治を変えることが社会保障政策を存続・維持していることにつながると結ぶ。 -
Posted by ブクログ
2015年新語・流行語大賞にノミネートされた「下流老人」を生み出した筆者による続編。前著から1年半という期間しか経っていませんが、深刻さが増す高齢者をめぐる貧困と格差の状況等を伝えています。
先の臨時国会では年金カット法案が強行可決され、1月末から開会される通常国会では介護保険法改定法案が上程される予定です。自己責任に押し込めない権利を保障する制度のありようについて、基本的な方向を確認すると同時に徹底的な議論が必要です。税の使われ方を主権者としてきちんとチェックすることも大事だと感じます。この本を読んで、自分としてもよく考えたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 社会から傷つけられている若者=弱者
第2章 大人が貧困をわからない悲劇
第3章 学べない悲劇~ブラックバイトと奨学金問題
第4章 住めない悲劇~貧困世代の抱える住宅問題
第5章 社会構造を変えなければ、貧困世代は決して救われない
おわりに
<内容>
衝撃の書だと思う。うすうす感じていた若年層の貧困問題。とても分かりやすい論理的な文章で、白日の下にさらしてくれたと思う。確かに我々「大人」は、20代~30代の貧困層の問題を過小評価している。「働き口はたくさんあるではないか」、「もっと努力を」…などなど。私よりも高年齢の人ほど、その思いは強いだろう。 -
Posted by ブクログ
老後に貧困に苦しむなんて、人生設計ができてなかっただけだろう。浪費のつけがまわっただけだ。真面目に働いてこなかったんだから自己責任だ。
それに比べて自分は真面目に働いているし、贅沢はせず所得のいくらかは毎月コツコツ貯金している。だから大丈夫!
なんて自信を持っている人!あなたももれなく下流老人候補です。
めでたく定年退職して、退職金を満足いくだけもらえたとする。65歳で貯蓄は3000万。そんな人でも下流老人になる可能性はある。
なんといっても病気だ。保険の利かない先進医療を受けたら、まずがっつり減る。高額医療費助成制度を利用しなければ、持ち出しばかりで戻ってくる金はない。
-
-
Posted by ブクログ
社会的弱者層の貧困問題の研究者であり、かつNPOの代表として彼らへの支援を行っている著者による、「貧困世代」の若者たちの実態と対策を述べた本。
2013年刊行。
「貧困世代」(Poor Generation)は、著者の創作語であり、1973年以降に生まれた日本の若者たちを指す。
現在の52歳以下で、約3600万人存在している。
貧困世代は、教育や国主導の福祉から排除され、奨学金返済や年金保険料支払いの重苦を背負っている。劣化した雇用・労働環境におかれ、家族機能の縮小、住宅政策の不備によって追い詰められている世代だ。
この現実を反映するように、若年層(15〜34歳)の自殺率は10万人あたり -
Posted by ブクログ
少し前の本だが「下流老人」の後が気になっていたので読んだ。前作に続き、「死ぬまで働く」未来が現実になることを強調しており、暗い気分になる。特に第2章の事例紹介は残念であり、不安を煽られる。
下流老人に陥ることを個人レベルで対処する策は無い。予防措置として、社会の構造と実情を理解し、声を上げ、連帯するしか無い。これではあまりにも寂しい結論だろうし、当時はこの本を読んでガッカリした方も多かったのだろう。確かにこの本だけを読むと、働く気力、介護や子育ての気力、選挙投票に行く気力を削がれるもの。ズルして儲けるか、ゴマすりしてまで出世するしかないのか。若かった自分は、きっと腹を立てたことだろう。
た