市川朔久子のレビュー一覧
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ネタバレ中学の放送部を舞台にした、これはもうド直球の青春成長物語。
最初から最後まで、どろどろはなくて等身大の、どこにでもいる女の子の物語。そこが良いのだと思う。ドラマティックすぎず、明るさは失わず、悩みつつも仲間とともに答えを見つける。
わたしはもうひねくれた大人なので、ここまでストレートなものを見せられると、ううむ…国語の教科書か、国語のテストの例文のようだ…などと思ったりしてしまうのです。
だけど、これがとても丁寧に書かれた物語であることもわかるんですよ。このへん、うまく言えないけど、そう、見たことのあるキャラが多いのが安心感でもあり物足らなくもあるの…。バスケ部のいじめっこタイプの派手な女の子 -
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ネタバレ本庄みさと。曙第二中学校の放送部。三年アナウンス担当の副部長。
古馬和人は同じく三年、機材担当の部長。先輩たちが卒業して、放送部はたった2人の弱小部となってしまった。みさとは本当はアナウンスは苦手だけど、古馬が機材と原稿作りを担当するので仕方がない。放送委員会が活動を始めるまでの間、お昼の放送をすることになって緊張するみさと。
そんな時、みさとと同じクラスに真野葉月(まのはづき)が転入してきた。誰もが振り向くほどの美人な葉月だが、クラスで誰とも仲良くなろうとせず、孤高の存在となった。
そして古馬が言うには、葉月は放送部経験者だと言う。それも、大会のアナウンス部門で賞を取るほどの実力者だと。
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市川朔久子、四作目。
二作目、三作目はいまいちだったけど、これは一作目の次くらい良かった。
読みやすさは相変わらずで、すらすら読めて、虐待や摂食障害という重いモチーフも、読者の心を抉り過ぎないように書かれている。後味爽やか。
まあ、ちょっといい話にまとめ過ぎという気もするけど、小学高学年から中学生が対象だろうから、これでいいのかも。
実際には、主人公はまだ中学三年生なんだから、親元を離れるまで時間があるし、こういう父親だと、母親が娘に依存してさらに状況悪化となりそうだけど。
そこまでリアルにはしない。
物語の運び方、表現は上手く、日本のYA作家としては、かなりいいと認めざるを得ない。個人的には -
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ネタバレ廃部寸前の放送部。運動部をやめ、放送部に転部したものの、やる気になれずにやめそびれていたみさとだが、顧問になった新任教師の情熱に引きずられ、本腰を入れるようになる。一方、周囲に壁を作り孤立している転校生の本音に触れ、関わりを持つようになる。やがて放送部はある目標に向かって進むようになるが、学校一厳しい古顔の教師から横やりが入る。
大人の権威を振りかざし服従を要求する教師に対し、波風たてないやり方を知りつつも自分たちの信念を貫きたい中学生たちにエールを送る。飄々とした新任教師の存在は貴重。むしろ、子どもたちよりも彼が折れずに前進することを願う。