市川朔久子のレビュー一覧

  • ABC! 曙第二中学校放送部

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    実に真っ直ぐで居心地のいい作品。
    それぞれの人物の想いがどれも否定されず尊重され、過去を捨てるのでなく引きずるのでもなく、次のステップへ進む展開が快い。
    嫌な人物が最後まで嫌な人物だったのも、ある意味潔い。

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    2024年07月31日
  • 小やぎのかんむり

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     家庭内で父親のモラハラに悩む中3の夏芽は、耐えられず、夏休みを利用して寺のサマーステイに行く。そこでの体験を通して、生きていくうえで大切なことを学ぶ。

     読みながらメモを取らなかったので、色々と取りこぼしている気がしますが、メモを取ることで途中で意識を途切れさせたくないほどに、本の世界に引き込まれました。親子関係、摂食障害、親からの虐待、子供を亡くすこと…など、様々な深刻な問題が出てきますが、それぞれの事象のことだけを書いているのではなく、あらゆる問題の根底に必要な力、理解、想いなどを教えてくれています。大人が読んでも考えさせられたり救われたりしますし、子供も、早い段階で知っておくと助けに

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    2023年10月26日
  • よりみち3人修学旅行

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    幼稚園から一緒の柊と風知が、6年の夏休みに引っ越してきた天馬を引き込み、修学旅行に行かれなかった者同士で旅をすることに!
    離れて暮らす風知のお父さんに会いに行くのですが、お父さんとの約束の時間までに「知らない人10人から卒業アルバムにメッセージをもらい、一緒に写真を撮ってもらうこと!」という課題をクリアしなければなりません!
    果たして、この一日で3人が見たもの、やったこと、いろんなことがこの卒業アルバムに刻まれていきます。
    清々しいラストです!がんばれ中学生!

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    2023年08月02日
  • 紙コップのオリオン

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    うわあ〜とてもいいお話だった。何かに真剣に打ち込むって素敵だな。みのりおばさんも、ましろのお母さんも良いことを言う。大切な人が居なくなってしまうのは「いつか」。でもそのいつかは突然やってくる。その突然を家族と乗り越えて、尚且つ学校行事でも周りと力を合わせて成功に持っていった論里の成長が素晴らしい。良い経験をしたね。中高生向けの本だけど、大人が読んでも読み応えがありました。

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    2022年07月31日
  • 小やぎのかんむり

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    泣ける!これ児童書なの?めっちゃいいじゃん!虐待する父親から必死にお寺に逃げた夏芽はそこで生きることを学びなおしていく。ヤギたちと触れ合い、雷太を守り導いていく。一夏を通して夏芽自身もすごく成長したし、そもそも夏芽がいい子すぎて泣ける。「優良図書」に選ばれるだけはある。中学、高校生だけでなく、大人にも読んでほしい。
    ウチの近所のお寺もヤギを飼ってるけど、小さいうちは可愛くて毎日見に行きました。今はデカすぎてちょっと怖いけど、またヤギ見に行こう(笑)

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    2022年07月28日
  • ABC! 曙第二中学校放送部

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    ネタバレ

    本読んでうれしくなってピアノに向かって曲を作りたくなったのは久しぶりかも。ラストで、女の子が互いに手をぱちんと打ちならす、きれいな終わり方。余韻を楽しみたくなる。
    「しずかな魔女」もそうだったけれど、ここでも放送部のコンクールに向けて、自分たちでドラマをつくり、ニュースの原稿を作成しと、物語の中で物語を語る構成になっている。そのドラマやニュースの中身が、登場人物の抱えている様々な問題と響きあって、深く心を打つ。
    最後の放送で流すことになっている、オリジナルな曲の歌詞も何だかよい。
    こういう物語のリアリティーって、登場人物が抱えている問題の解決の度合いによって決まってくる部分も大きいと思う。あま

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    2020年01月13日
  • 紙コップのオリオン

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    奇妙な置き手紙を残して出て行った母親、血のつながらない父親、その気はなかったのに選ばれた記念行事実行委員、学校に来ない幼なじみ。中学生の論理の日々は当たり前だけど当たり前には過ぎていかない。

    物語は論理の目を通して書かれます。一人称の物語は語り手が知らないことは書けない。語り手が他者に踏み込まなければ、他者の心の中はわからない。(中には超能力者か!? と思うような察知力を発するものもありますが)
    そこがこの物語では丁度いい距離感となっています。
    何故母親が家を出て行ったのか。父親は自分のことをどう思っているのか。よく知っていると思っていた友達の全く知らない顔。家族のことも友達のこともわからな

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    2019年12月12日
  • よるの美容院

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    講談社児童文学新人賞受賞作。傷ついた小学生の少女の再生の物語。登場人物が皆暖かい。
    ダジャレばかり言っている古本屋のおじさんが、少女が自分の居場所に帰る時につぶやく。
    「、、、じゃーにぃ」 旅。
    舞台の美容院が素敵すぎる。
    傷ついた少女に気を遣いすぎず、かといって見放しはしない。程よく見守る。
    読後、あたたかい気持ちが充満します。

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    2019年04月30日
  • 紙コップのオリオン

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    母親が突然居なくなった。
    残された中2の主人公と元気な妹と養父
    との生活と、記念式典実行委員での活動が主軸の物語。
    爽やかで読後感が良い。

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    2019年03月09日
  • 小やぎのかんむり

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    もう50歳手前のいい大人ですが、ずっと私も母を心から愛せないことに罪悪感を感じていた。宗教が、親を敬えとあまりに言うので、本当に辛かった。

    でも、こんな風にいい子でいられる場所は、きっと誰にもどこかにあるはずだから、諦めないで生きて少年少女!

    父親を死ねばいいのにと思ってしまった事に罪悪感を感じながら、家に居たくなくて、サマーキャンプを探すなつめ。交通事故で入院していた父が間もなく退院だと聞いただけで、友人と楽しく食べたたい焼きが、せり上がってくる…吐かないと。。

    なつめが選んだのは、田舎の、お寺でのサマープログラム。料金が安く、家から遠かった。。

    サマープログラムの参加者はなつめ一人

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    2018年04月01日
  • 小やぎのかんむり

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    ネタバレ

    お嬢様学校白桐に通っている夏芽は、父親の横暴から逃れるためお寺で行われているサマースティに申し込んだ。行ってみるとなんと参加者は夏芽一人だった。
    そこへ母親に置き去りにされた5才の雷太と、お寺の草刈りの助っ人、3匹の山羊をつれた高校生の葉介が加わる。
    お寺の手伝いをしながら規則正しい生活をし、幼い子の相手をすることによって夏芽は自分の問題を整理し、初めて他人に相談することができるようになる。
    山羊が帰り、夏休みが終わり、力強い味方を得て夏芽は自分の生活に戻ってゆく。

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    2017年10月28日
  • 小やぎのかんむり

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    ネタバレ

    同業者が何人か「良かった」と言っていて読み始めた。

    表紙のイラストの可愛さに反して、テーマは重たい。
    夏芽は言葉で父に支配され、そのことに反感を持ち、そんな自分が汚らわしいと自分を責める。
    雷太は父に暴力を振るわれ、バカと言われ、自分はダメな子と思っている。

    そんな二人がお寺で出会う。
    夏芽は親から逃げるように参加したサマーキャンプ。
    雷太は母親から突然預けられ。

    しかし、傷ついた二人に対し、お寺の人たちは穏やかで優しかった。
    ひょんなことから飼うことになった3匹のヤギとその世話役の葉介も加わったお寺の夏。
    夏芽はだんだん摂食障害の症状も収まり、雷太は子どもらしく伸び伸び過ごすように。

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    2017年06月26日
  • 小やぎのかんむり

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    拍子の羊毛フェルト(?)の小やぎちゃんがかわいいのでほんわか系かと思いきや、重たかった。
    でもよかった。

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    2017年06月10日
  • 小やぎのかんむり

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    中三の夏休み、『夏芽』は父から離れたい一心で、お寺のサマースティを申し込んだ。
    着いて見れば、とんでもなく田舎の山寺で、参加者は夏芽一人きり。だが、そこへ母親に置いていかれた小さな男の子『雷太』が加わり、草刈りに駆り出されたやぎの『後藤さん』と世話係の高校生『葉助』と…。
    悩める子どもたちに送る心暖まる物語。


    虐待、摂食障害など、心身ともに傷つけられた子どもたち。中学生の女の子の目線で書かれているので軽いタッチではありますが、とても辛い話です。それでも情景描写はとても美しく、出てくる食べ物もとても美味しそう。読んでいるだけで、こちらも元気がもらえそうです。
    きっと世の中には親との関係に苦し

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    2017年01月03日
  • 紙コップのオリオン

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    ある日、母は、中学2年生の論里たちにこんな手紙を残した。

    「いつか」は、いつ来るのか。
    必ず来ることは、信じていました。
    でもそれがいつかはわかりません。
    といって、ただ待つだけでも、つまりません。
    そしたら、いいことを思いつきました。
    こちらから迎えにいけばいいのです。
    「今」を「いつか」と変えればいい。

    というわけで、今日がその「いつか」です。

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    2016年08月06日
  • ABC! 曙第二中学校放送部

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    それぞれの個性がとても伝わりやすく、すっと入り込めて物語の世界を楽しめた。YAだけど、大人にもオススメ!

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    2015年09月03日
  • よるの美容院

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    講談社の児童文学新人賞受賞作品。
    つらい記憶のせいで声が出せなくなってしまった主人公のまゆこは、昔ながらの美容院をやっているナオコ先生のもとで暮らす。
    そこでの生活を通して、自分の傷と向き合い、人の優しさに触れ、少しずつ心を開いていくまゆこの姿や、ナオコ先生の優しさの奥にあるものが明らかになっていく展開に、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。
    そして、作品に漂う優しさに、気が付けばボロボロと涙をこぼしていました。自分が具体的にどこに感動したのか分からない、だけど、思いやりにあふれた日常の積み重ね、そして人の優しさが、人の心を救うんだということを、じんわりと実感させてくれ素敵な作品でし

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    2014年09月14日
  • よるの美容院

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    まゆ子の一進一退に心がギュッとなって、途中うるっとなった。そんな中、ナオコ先生も商店街の人たちも温かく、自分も温かく包まれているような気分になる。
    読後感も爽やかで、昔ながらの美容院という舞台も良かった。優しい物語。

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    2014年07月12日
  • よるの美容院

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    再び歩きだすために。

    伝えることのできなかった言葉が、澱のようにたまっていく―。
    こわばっていた心をナオコ先生の指がやわらかくとかしていきます。
    言葉でみえる「やさしい」より、言葉で表現しないやさしさの方が、心の奥に届くよね。
    すべての場面が描かれているわけではないし、まして、問題のすべてが解決したわけではないのだけれど、だからこそ、胸が痛いほど、心を揺さぶるのだと思います。

    最後の2通の手紙。
    「うそは書いていなかった。かといってぜんぶでもなかった。」
    涙が止まりませんでした。

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    2012年06月19日
  • ABC! 曙第二中学校放送部

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    ゆるくて存在感のない放送部
    思いが伝わらない経験をしながら、言葉に、態度に、声に表現していく。中学生に拍手です。

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    2025年08月23日