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12歳のまゆ子は、両親と離れて遠縁の「ナオコ先生」のもとで暮らしている。ナオコ先生の営む「ひるま美容院」は、古くからのお客さん達によって支えられている昔ながらの小さなお店だ。まゆ子は、つらい記憶のせいで声が出ない。月曜日の夜、閉店後の美容院で、ナオコ先生は、まゆ子のためだけに丁寧にまゆ子の髪を洗って整える。心を閉ざしていたまゆ子の声が、だれかに届く日はくるのだろうか。
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Posted by ブクログ
講談社児童文学新人賞受賞作。傷ついた小学生の少女の再生の物語。登場人物が皆暖かい。 ダジャレばかり言っている古本屋のおじさんが、少女が自分の居場所に帰る時につぶやく。 「、、、じゃーにぃ」 旅。 舞台の美容院が素敵すぎる。 傷ついた少女に気を遣いすぎず、かといって見放しはしない。程よく見守る...続きを読む。 読後、あたたかい気持ちが充満します。
講談社の児童文学新人賞受賞作品。 つらい記憶のせいで声が出せなくなってしまった主人公のまゆこは、昔ながらの美容院をやっているナオコ先生のもとで暮らす。 そこでの生活を通して、自分の傷と向き合い、人の優しさに触れ、少しずつ心を開いていくまゆこの姿や、ナオコ先生の優しさの奥にあるものが明らかになっていく...続きを読む展開に、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。 そして、作品に漂う優しさに、気が付けばボロボロと涙をこぼしていました。自分が具体的にどこに感動したのか分からない、だけど、思いやりにあふれた日常の積み重ね、そして人の優しさが、人の心を救うんだということを、じんわりと実感させてくれ素敵な作品でした。
まゆ子の一進一退に心がギュッとなって、途中うるっとなった。そんな中、ナオコ先生も商店街の人たちも温かく、自分も温かく包まれているような気分になる。 読後感も爽やかで、昔ながらの美容院という舞台も良かった。優しい物語。
再び歩きだすために。 伝えることのできなかった言葉が、澱のようにたまっていく―。 こわばっていた心をナオコ先生の指がやわらかくとかしていきます。 言葉でみえる「やさしい」より、言葉で表現しないやさしさの方が、心の奥に届くよね。 すべての場面が描かれているわけではないし、まして、問題のすべてが解決し...続きを読むたわけではないのだけれど、だからこそ、胸が痛いほど、心を揺さぶるのだと思います。 最後の2通の手紙。 「うそは書いていなかった。かといってぜんぶでもなかった。」 涙が止まりませんでした。
誰にも言えないこと。親からのプレッシャー。ズレている周囲の気遣い。子どもにとって、自分ではどうしようもできないことが、主人公を追い詰めていったんだなぁと思い、苦しくなった。一番言いたかったことはなかなか言えない。苦しいよね。うん。苦しかったと思う。 誰だって子ども時代、理不尽だなぁと思うことがあった...続きを読むはず。そんな、言葉にできないモヤモヤ、心の変化を丁寧に書き出していて、最後の希望が見える終わりかたもよかった。
タイトルは「よるの美容院」。 お店の名前は「ひるま美容院」。 ネーミングの妙の面白さもあるが、タイトルは、主人公の「まゆ子」にとって、とても大切な意味合いを持つ。 まゆ子の身に起きた異変は、シリアスに重くなりがちなテーマであるが、それを、のんびりと温かく描いているところに、この作品の良さがあると...続きを読む思いました。 そこには、周りの温かい人達に囲まれながらの暮らしもあるし、「ナオコ先生」のまゆ子との距離感も良い。役割をきちんと与え、見守りつつ、そっと助言をしてくれる。「しずかな魔女」もそうだったが、「気づき」を促すことが、本人にとって重要なのだと思いました。それがどんなに辛いことでも、共に寄り添ってくれる人がいれば、その時だけは、おもいっきり身を委ねれば、次から前に進める。 まあ、美容師さんのシャンプーが絶品なのも確かだということで。心地よさは分かるなあ。 ただ、別れの場面は読んでる私も悲しくなって、妙に感情移入してしまった。若い頃の、好きな人達との別れは、仮に一時的だとしても、妙に辛いものを感じる。まるで卒業式のように。
久しぶりに、児童書コーナーへ。 講談社児童文学新人賞受賞作ということで、読んでみました。 主人公、まゆ子、12歳。 友達のタケルの”事故”を目撃してしまったことや、 母の愛情と期待に応えることが苦しくなって、 言葉を口にすることができなくなってしまった。 親元を離れ預けられた親戚の家は、昭和の香...続きを読むりがぷんぷんする「ひるま美容院」 そこの女主人の「ナオコ先生」 大きなふさふさの毛をした赤茶色の猫「ジンジャー」 見習いのサワちゃん、タケルそっくりの颯太、 古本屋のダジャレおじさん、コロッケ屋のおばちゃん。 彼らの温かなまなざしに包まれて、まゆ子の凝り固まってしまった心が、ゆっくりほぐれていく様子がとても良かったです。 ナオコ先生の”天使の手”のシャンプー、どんなに気持ちいいんだろう…。 あと、猫のジンジャーの無愛想感(笑)がいい味です。 もっと登場してほしかったなぁ。 またサワちゃんとダジャレおじさんの不仲の理由が可笑しくて~。 ”児童文学新人賞作品”… 児童と呼ばれた日は遥か昔でも、これだけ感動できたことに、 まだまだ純粋無垢な心を持っていると、ひとりほくそ笑む私です(笑) やさしくて、温かい一冊でした。
小学校高学年向けの児童書と思われます。 特に女の子のオススメ。夏休みの読書感想文にどうでしょう?(笑) 主人公のまゆ子は、ある出来事がきっかけで声を出すことが出来なくなってしまった12歳の女の子。 美容院の女主人であるナオコ先生や商店街の人たちとの生活の中で、 少しずつ変わっていく彼女。 人の気持...続きを読むちに寄り添うとは、どういうことか。 切なくもやさしく、そして心強さも感じる作品。
あぁ、またしても丑三つ時〜 『よるの美容院』 市川朔久子(作) 講談社 ★★★★☆ 口を閉ざししゃべらない(しゃべれない)緘黙(かんもく)の小6の少女が、ゆっくりと「話す」を取り戻していくお話です。 読むにつれ明らかにされる事情と心情が感動的に運ばれます。 この少女の気持ちを主体に著さ...続きを読むれてあり、自分を取り戻していくその様子が丁寧に描かれています。 「できることはできる。できないことはできない。」「なにがだいじか、そうでないか、自分で考えて決めること」「それが、うまく人生の舵を取るコツよ」とアドバイスもあります。 特に思春期初めの頃の子どもは、大人の本音を知っているけど自分の本音を通せない、その狭間で多いに悩みます。 この作品には その繊細さを周囲の人のあたたかさでうまく救い上げてくれています。そこがまた切なくていい作品です。 あぁ、うちの娘に 読ませたい! (感動〜)
魔女の宅急便のような、少女の成長を描いた作品。とてもきれいにまとまっている。もっといいタイトルをつけたら、子どもが喜んで読むような気がする。
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