【感想・ネタバレ】ABC! 曙第二中学校放送部のレビュー

あらすじ

主人公・みさとはアナウンス経験ゼロの、放送部員。しかも2人しかいない零細クラブだ。能天気な顧問と厳しい担任のせいで、毎週火曜日の昼の放送を行うこと、しかも部員を増やさなければならなくなって…。超美少女転校生・葉月の出現で、放送部が大きく変わる。気になる同級生との関係も、目が離せない。温かな描写と、キャラクターたちが美しく輝く、心優しい青春小説!

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Posted by ブクログ

実に真っ直ぐで居心地のいい作品。
それぞれの人物の想いがどれも否定されず尊重され、過去を捨てるのでなく引きずるのでもなく、次のステップへ進む展開が快い。
嫌な人物が最後まで嫌な人物だったのも、ある意味潔い。

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2024年07月31日

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ネタバレ

本読んでうれしくなってピアノに向かって曲を作りたくなったのは久しぶりかも。ラストで、女の子が互いに手をぱちんと打ちならす、きれいな終わり方。余韻を楽しみたくなる。
「しずかな魔女」もそうだったけれど、ここでも放送部のコンクールに向けて、自分たちでドラマをつくり、ニュースの原稿を作成しと、物語の中で物語を語る構成になっている。そのドラマやニュースの中身が、登場人物の抱えている様々な問題と響きあって、深く心を打つ。
最後の放送で流すことになっている、オリジナルな曲の歌詞も何だかよい。
こういう物語のリアリティーって、登場人物が抱えている問題の解決の度合いによって決まってくる部分も大きいと思う。あまりきれいさっぱり解決しきってしまえば、欲望の代替的満足としてはすっきりするけれど、リアリティーは低くなり、逆に問題が全く解決できなければ、リアルではあるけれど、物語としてのカタルシスはなくなってしまう。

このお話では、仲間の中の人間関係は、主人公たちの成長とともにうまいところに着地していくんだけれど、外には和解しえない「敵」がいて、その強敵ぶりがお話のリアリティを高めている。そのあたりも、「しずかな魔女」と似ていて、現実の問題に対して、妄想の中ではなくきちんと立ち向かっていく強さを要求してくるところが、僕には好感を持てた。

これを読書感想文の課題図書として選ぶセンスはなかなか。いろいろな切り口でひっかかってきそう。

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2020年01月13日

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それぞれの個性がとても伝わりやすく、すっと入り込めて物語の世界を楽しめた。YAだけど、大人にもオススメ!

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2015年09月03日

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ゆるくて存在感のない放送部
思いが伝わらない経験をしながら、言葉に、態度に、声に表現していく。中学生に拍手です。

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2025年08月23日

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2017年度読書感想文中学校の部の課題図書

中学校で放送部というのはとても珍しいのではないだろうか。
廃部寸前の弱小部で、コンクール目指して奮闘する部員たち。でもそこに至るまでは紆余曲折。
中学時代って、ホントに色々めんどくさいんだよなぁ…とあの時代にトリップして読んだ。
それくらい、作家の目線がリアルだった。

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2019年05月05日

Posted by ブクログ

いや、これは名作なんじゃないかな。

あまりに予定調和的なラストとか、あまりに一面的な敵役とか、ひょっとしたらそういう不満を持つ人がいるかもしれないけど、いいのである。中学生向けの本なんだから。

で、エンタテイメントとして秀逸。
特にキャラが立っているし、そういったキャラの特徴を物語の最前半でちゃんと提示するのがすごい。
ストーリーも奇をてらわないけどありきたりでもなく、一切のたるみを見せずに最後まで続く。

うん、やっぱ名作だ。

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2016年10月21日

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廃部寸前の放送部。そこに誰もが振り返るほどの美人の転校生葉月が入部してくる。
そして熱心な顧問の須貝先生。
活動らしいこともしていなかった古場とみさとも、発声練習から始まり、やっと週一でお昼の放送を始めるところから部活らしい動きが始まる。
新入部員珠子も加わり、アイデアを出し合い、だんだん充実した放送になっていく。

ある日、須貝先生から放送コンクールに出てみないかと勧められる。しり込みをする未経験者の中にあって、アドバイザーとして力を発揮するのが葉月である。彼女は前の学校で放送コンクールの出場経験があったのである。彼女の指導は的確であるけれど、彼女は決してアナウンスはしない。
これには、転校の理由でもあるけれど、彼女の苦い思い出がかかわっている。

途中から入部することになる新納。彼はみさとの密かな憧れである。
淡い恋もあり、一つの目標に向かって皆で頑張る姿もあり、それぞれにちょっと苦い思い出なんかもある学園ものである。

個人的に言えば、誰もが認める美人でカリスマ性もあるけれど、ちょっと協調性に欠けた葉月がどうも好きになれない。 だけれども、読んでるうちに、放送コンクールの結果よりもなにより、葉月のアナウンスが聞きたいと思うようになるのです。

きみが歩きだすとき
生まれたての風が吹くだろう。
一歩を踏みだせたら
今 きみが 風の先頭になる

美しい声で読み上げる葉月の姿が目に見えるようです。私は、思わず声を出して読んでしまった。
いい詩なのです。
この物語ははじめにこの歌詞があって、作られたのかもしれない。

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2016年07月09日

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放送部の話。
委員ではなく部活動なので、自主性が大切です。
登場人物それぞれに事情があり、主人公を変えれば別の物語ができそう。
頑張ってる子、信念のある子の話、好きです。
ただ、この話、読書感想文の課題図書だよね…
書きやすいんだか、書きにくいんだか…?
頑張れ!中学生!!

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2016年06月15日

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学校生活のいろんな事がたくさん詰まっていて、面白かったです。読後感も良い。今の中学生に読んで欲しいです。

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2016年05月14日

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中三のみさとは、放送部員。とはいっても部員はあとひとり、部長の古場のみ。新任の須貝先生が顧問になって、はりきっているけど、正直つぶれるのは時間の問題なんだけど…。クラスで孤立している絶世の美少女真野葉月や野球部の巨体新納がなぜか放送部にかかわってきたかと思うと、生徒指導の先生に眼をつけられ、波乱の予感…。
小さな放送部を舞台に、結構波乱万丈な毎日を描く青春小説。

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2016年05月10日

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昔、中学校で放送部の顧問をしていたことがあった。それまで放送部がなかった学校に創部したから、この本に出てくるような一期生と共にワクワクしながら、作り上げていった思い出がある。キーパーソンになる美少女転入生には、橋本環奈を重ねて読んでいた。彼女が主人公の少女と放送部を作り上げていく中でお互いの心の傷が癒えていく様子が爽やかな読後感につながった。

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2022年11月07日

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ネタバレ

放送部を扱ったところ、マイナー部活の大変さ、がんばる描写は良かった。
死ね死ね言っておいて正当化するところは嫌い。超絶美少女が相手を「ブス」と罵れば効果抜群っていうのも現実的じゃないと思う。

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2020年09月06日

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ネタバレ

中学の放送部を舞台にした、これはもうド直球の青春成長物語。
最初から最後まで、どろどろはなくて等身大の、どこにでもいる女の子の物語。そこが良いのだと思う。ドラマティックすぎず、明るさは失わず、悩みつつも仲間とともに答えを見つける。
わたしはもうひねくれた大人なので、ここまでストレートなものを見せられると、ううむ…国語の教科書か、国語のテストの例文のようだ…などと思ったりしてしまうのです。
だけど、これがとても丁寧に書かれた物語であることもわかるんですよ。このへん、うまく言えないけど、そう、見たことのあるキャラが多いのが安心感でもあり物足らなくもあるの…。バスケ部のいじめっこタイプの派手な女の子、とか生徒指導の嫌な先生とか、まあ敵キャラです。このへんがなー、もう少し理解できそうな良いところを見たかったというか。ああでも現実はむしろ、嫌なやつは嫌なやつなので、リアルではあるのか…。

美少女転校生の口の悪さとか、野球部の三田村くんの変わり者ぶりとか、そういうちょっとヒネってある設定は好き。奥行きというか。弟くんが出てくるあたりも良い。

で、最後の詩が、これも直球なんだけど、おお、ってなるくらいまぶしくて、なるほどここへすべてのメッセージが込められてるんだなあ、と思った。ここは本当にクライマックスで、さすがのひねくれた大人の心にもぐっと来た。

とにかく、ザ・王道青春ストーリーなので、たしかに既視感はあり、そうだなあ、題材が違えど他に同じ起承転結の物語は存在していると思われるんですけども。
でもなんか、すごくそれをきっちりとブレずに書き上げている。文章はシンプルだけど、ほんと読みやすくて上手い、お手本のようです。

言ってしまえばやっぱり感想文コンクールの課題図書らしさはすごくある。ほんとに優等生なの。シンボルとしてのメタセコイアの配置とかも。まとまりすぎてるくらいに。

でも意外にね、こういう安心して子どもに読ませられる作品って少ない。健全、っていうと薄っぺらくなるんだけど、よい意味で。
ちゃんと最後まで楽しく読めるし、良かった。

世界にむかって歩き出す、というテーマはね、ほんときらきらしてまぶしいなあ。

(個人的にはわたしも放送部だったので、みんなでやるものづくりの楽しさ、みたいな要素ももう少し欲しかったのかもしれん。映像研とか桐島部活とかの。どっちかというとオタク寄りの。そういう物語のほうが、わたしにはぶっ刺さる。けどまあそれは好みの問題です…)

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2020年05月10日

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ネタバレ

中学、高校と放送経験者です。アナウンスで県大会も2連覇しました。経験者としては、大会に出るための原稿練習の描写表現をもっとして欲しかったなと思います。放送はあまり馴染みがない大会であるため、周りに大変さが理解されないことが多いです。この本は、せっかく放送部のお話なので、放送部の内部をアピールして欲しかったなと思います。ただ、中学生の人間関係の表現は素晴らしいと思います。リアルです。

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2020年04月07日

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ネタバレ

本庄みさと。曙第二中学校の放送部。三年アナウンス担当の副部長。
古馬和人は同じく三年、機材担当の部長。先輩たちが卒業して、放送部はたった2人の弱小部となってしまった。みさとは本当はアナウンスは苦手だけど、古馬が機材と原稿作りを担当するので仕方がない。放送委員会が活動を始めるまでの間、お昼の放送をすることになって緊張するみさと。

そんな時、みさとと同じクラスに真野葉月(まのはづき)が転入してきた。誰もが振り向くほどの美人な葉月だが、クラスで誰とも仲良くなろうとせず、孤高の存在となった。
そして古馬が言うには、葉月は放送部経験者だと言う。それも、大会のアナウンス部門で賞を取るほどの実力者だと。

みさとのクラスの女子で亜美とその仲間は、かつてバスケ部で一緒に汗を流していたのだが、ある事がきっかけでみさとはバスケ部をやめた。そして、笑顔で、いじめにならないギリギリの所で毒を投げてくる亜美の事が苦手だ。
葉月も、亜美たちのことが嫌いだ。
席の近いみさとと少し話をするようになり、防音室で、葉月が思いっきり心の中に溜め込んだ言葉を吐き出せるようにしてあげたりした。
そして、みさとは葉月を放送部に誘った。

放送部の顧問の須貝先生は、放送の知識はないけど明るく、軽く、放送部の活動を応援してくれる。生徒指導の古権沢(こごさわ)先生は部員数の少ない放送部を目の敵のようにし、いろんな事を言ってくる。

みさと・古馬・葉月に加えて、身体を壊して野球部を休部している新納と一年生の珠子が加わった。そしてはじめて、大会に出る事になり、5人はその準備をはじめる。

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2018年06月10日

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ネタバレ

 廃部寸前の放送部。運動部をやめ、放送部に転部したものの、やる気になれずにやめそびれていたみさとだが、顧問になった新任教師の情熱に引きずられ、本腰を入れるようになる。一方、周囲に壁を作り孤立している転校生の本音に触れ、関わりを持つようになる。やがて放送部はある目標に向かって進むようになるが、学校一厳しい古顔の教師から横やりが入る。
 大人の権威を振りかざし服従を要求する教師に対し、波風たてないやり方を知りつつも自分たちの信念を貫きたい中学生たちにエールを送る。飄々とした新任教師の存在は貴重。むしろ、子どもたちよりも彼が折れずに前進することを願う。

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2016年10月10日

Posted by ブクログ

ギリギリなラインで作品を描く。リアルに。越えたらOUTな線をきちんと把握し、琴線に触れるのがとても上手。
放送部の大会とかあるの知らなかった。
気持ちはわかるけど、どんなに否があっても、美女にブスって言われるのはわりとつらいよ、美女じゃなくても辛いよなー笑。

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2015年02月16日

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