向井湘吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人生とは、なにかを諦めていくことだと思う。
地球が滅亡するとしたら、なにをしたいかと考えるときに、前はもっとあれもこれもと思っていた気がする。それこそ、伊坂幸太郎の「終末のフール」で、「地球が滅亡しても同じことをする」プロボクサーに憧れて、それくらい「自分のやりたいこと」にたどり着きたいと思ったものだけれども、今もう一度考えると、最後になるなら、本を読んで過ごしたいなとかそういうところに着地して、それなら結局、あまり日常と変わらないじゃないかという気がしてしまう。
前は、「いつか行ってみたい」と海外の観光地をいくつか思い描いていたのだけれども、「行きたい」より「面倒くさい」がいつしか上回ってしまった。お金も時間も、どうにも都合がつかないわけではなかったのに、「行かない」選択をし続けてきたのは私自身だ。
人はきっと大きな可能性を持って生まれてきて、それをいろいろ選んで、同時に諦めて、大人になっていく。
高校生は、可能性が狭まりすぎないけれども、何かを選べるほどには成長していない頃合い。友だちの娘さんは高校の文理選択で、「選びきれないからもう大学行かない」と言い出したらしい。親としては「とりあえず無難に書いておけ」と説得したらしく、親視点としてはまったくもってその通りだけれど、娘さんの気持ちもとても分かる。
なにかを選ぶのはなにかを諦めること。
滅亡地球学クラブの彼らには、「とりあえず」という選択肢がなくて、短期間で、何を選び取るのかを決めるよう強いられている。
両親がいるからこそ、自らの「死に方」としてきっちり選んでいる玉華と、両親がいないなかで、なにを選ぶか模索し続ける碧。
なんというか、親視点から思うところも多すぎる。
諦めたものが大きすぎる気がするけれども、多分、「自分で選んだ」という実感こそが、一番手に入れないといけないものなんだろう。
滅亡を前にした、少し退廃的な、ずっと諦めのモヤがかかったような空気のなかで、それでも青春をきっちり楽しんでいく様子は、どこか切ない。
最後、誰もいなくなったなかで、二人日常を続ける玉華と碧は、でもやっぱりひとつの理想をつかんだんだろうなと思う。 -
Posted by ブクログ
5人の作家さんがそれぞれ数字とか数学にまつわる謎をからめて事件を解決するお話。
・事件÷出汁=名探偵登場 はやみねかおる
文化祭で3種の料理を作ることになり試作をしてみる。しかし味見の段階で味が変わっていることに気付き、誰かの悪戯だと思われる。犯人をつきとめる話。
・盗まれたゼロ 向井湘吾
朝起きると時計やテレビの時間表記がいつもと違う。数字の表記がことごとく違う世界になってしまった謎を解き明かす話。
・引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理 井上真偽
都市伝説的呪いにかかってしまったクラスメイトの女の子。その子を助けたい気持ちで、引きこもりの姉とともに呪いをかけた犯人を探す話。
・ソフィーにおまかせ 青柳碧人
200年以上前のフランスの少女と、現代日本に生きる少女が謎の鏡を通じて交信?出来ることに。部活の顧問の嫌がらせ的な解錠番号謎と、互いの絆を深める〜的な話。
・魔法の眼 加藤元浩
魔法に憧れる主人公。友達の父親が誤認逮捕されてしまい、その事件の真相を明らかにしていくなかで、数学も魔法だと気づいていく?感じの話。これは漫画。
どの話も難しい数学の話がかかれていてそこは理解できなかったけど、それぞれの専門知識を活かして事件に取り組む姿勢があり、よきฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ -
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はやみねかおる、向井湘吾、井上真偽、青柳碧人、加藤元浩 5人による、数学をテーマにした児童向けの推理小説5編。
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この5人のお話が一冊に入っているって、かなりすごいことではと思う。
ただ、数学がニガテで頭の中から出してしまっているためか、読んでも頭に入ってこないところが…。数学の理論などは飛ばして読んでしまった。
個人的には井上真偽さんと青柳碧人さんのお話がおもしろかった。
それぞれのキャラクターも味がある。
「数学は魔法」という観念はなかったなぁ。
そうやって考えてみたら、学生時代にもっと興味を持って数学に向かえたかも。
確かに、「数は無限の名探偵」だ。
数学に悩む前の小学生、中学生にぜひ読んでほしい。
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数学少女の真鍋波瑠が、ひょんなことから確認することになった"算額"。江戸時代の和算家が神様に奉納したその算額には、暗号めいた落書きが魔法のように浮かび上がる。
波瑠はそれが和算の問題だと解読するも、次々と数式は現れては消える。謎の出題者との往復書簡が続くうち、その算額が幕末に繋がっていることに気が付き……。
幕末と文章のやり取りができる算額(和算家が、問題と解を書いて社寺に奉納した絵馬の一種)を鍵に展開する、和算SFミステリ。
作者さんも実際数学オリンピックに出場したことがあるそうで、作中に出てくる問題は本格的。本格的というか、本格的なのかすらよくわからないですが、数学が得意でない私では解説していただいてもとても理解が追い付かない。でも、そんな私でも数字の美しさというか、ロマンはわかる。ぱきっと静謐で、純粋な世界の真理。熱烈な愛を向ける人がいるのも納得できます。
そんな数学を愛する波瑠と幕末の和算家の、愛する数学とは正反対の心情のままならなさ、割り切れない現実が読みどころです。
現代パートの読みやすさと対照的に、幕末パートはしっかり時代小説なので、幕末、戊辰戦争、彰義隊などの基礎知識がないと理解が難しく読みづらいかもしれません。
私は途中で少し調べました。
1巻は大分気になるところで終わるので、いずれ続きを読もうかと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地球に妖星デルタが衝突し、滅亡するまであと110日
暴動がおこり、情報は統制され、混乱する世の中
先生も次々と失踪し、自習の授業が増え続けるとある高校
滅亡地球学クラブのメンバーは
地球滅亡まで各自のやりたいことを探し、活動を粛々とこなしていく
妖星の観察 ピンホールカメラを使い巨大写真を撮る
地球消滅後の地域史を作る
妖星デルタは本当に衝突するのか?
地球は本当に滅亡してしまうのか?
自分たちにはどうやら来年はない…らしい
でも、今やりたいことを
大好きな仲間たちと
地球が滅亡するその日まで
やり続けたい
終末に向かう閉塞感の中で描かれるほの暗い青春小説 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人生の算法もあればいいのに。
絵馬に書かれた問題を解くと新しい問題が浮かび上がってくる。真鍋波瑠は謎の出題者・橘実信と問題を出し合うが、それは時を超えたやりとりだった。
算額を通じたやりとりがメインではなく、波瑠と実信がどのように自分の人生に降りかかる難題をクリアしていくかが主筋なので、波瑠の友人・千明のように数学アレルギーがあっても問題なく物語を楽しめるだろう。
数学を武器にする波瑠には、両親の不和という大きな問題があり、千明も引きこもりの兄とその原因となった父という問題を抱えている。江戸時代末期の実信にも、家業や兄の死によるトラウマ、親友と道場主の娘との関係などこれまた難題ばかり。そこに算額を通じたやりとりによって、波瑠が実信にこれから起こることを伝えて彼や彼の友人の命を救おうとした過去の改変が降りかかる。
火事で死んだはずの波瑠が目覚めたら世界は一変していた。ここで終わるなんて! 2巻を読みたいと思います。