向井湘吾のレビュー一覧
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ネタバレ人生とは、なにかを諦めていくことだと思う。
地球が滅亡するとしたら、なにをしたいかと考えるときに、前はもっとあれもこれもと思っていた気がする。それこそ、伊坂幸太郎の「終末のフール」で、「地球が滅亡しても同じことをする」プロボクサーに憧れて、それくらい「自分のやりたいこと」にたどり着きたいと思ったものだけれども、今もう一度考えると、最後になるなら、本を読んで過ごしたいなとかそういうところに着地して、それなら結局、あまり日常と変わらないじゃないかという気がしてしまう。
前は、「いつか行ってみたい」と海外の観光地をいくつか思い描いていたのだけれども、「行きたい」より「面倒くさい」がいつしか上回っ -
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5人の作家さんがそれぞれ数字とか数学にまつわる謎をからめて事件を解決するお話。
・事件÷出汁=名探偵登場 はやみねかおる
文化祭で3種の料理を作ることになり試作をしてみる。しかし味見の段階で味が変わっていることに気付き、誰かの悪戯だと思われる。犯人をつきとめる話。
・盗まれたゼロ 向井湘吾
朝起きると時計やテレビの時間表記がいつもと違う。数字の表記がことごとく違う世界になってしまった謎を解き明かす話。
・引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理 井上真偽
都市伝説的呪いにかかってしまったクラスメイトの女の子。その子を助けたい気持ちで、引きこもりの姉とともに呪いをかけた犯人を探す話。
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はやみねかおる、向井湘吾、井上真偽、青柳碧人、加藤元浩 5人による、数学をテーマにした児童向けの推理小説5編。
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この5人のお話が一冊に入っているって、かなりすごいことではと思う。
ただ、数学がニガテで頭の中から出してしまっているためか、読んでも頭に入ってこないところが…。数学の理論などは飛ばして読んでしまった。
個人的には井上真偽さんと青柳碧人さんのお話がおもしろかった。
それぞれのキャラクターも味がある。
「数学は魔法」という観念はなかったなぁ。
そうやって考えてみたら、学生時代にもっと興味を持って数学に向かえたかも。
確かに、「数は無限の名探偵」だ。
数学に悩む前の小学生、中学生にぜひ -
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数学少女の真鍋波瑠が、ひょんなことから確認することになった"算額"。江戸時代の和算家が神様に奉納したその算額には、暗号めいた落書きが魔法のように浮かび上がる。
波瑠はそれが和算の問題だと解読するも、次々と数式は現れては消える。謎の出題者との往復書簡が続くうち、その算額が幕末に繋がっていることに気が付き……。
幕末と文章のやり取りができる算額(和算家が、問題と解を書いて社寺に奉納した絵馬の一種)を鍵に展開する、和算SFミステリ。
作者さんも実際数学オリンピックに出場したことがあるそうで、作中に出てくる問題は本格的。本格的というか、本格的なのかすらよくわからないですが、数学 -
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ネタバレ地球に妖星デルタが衝突し、滅亡するまであと110日
暴動がおこり、情報は統制され、混乱する世の中
先生も次々と失踪し、自習の授業が増え続けるとある高校
滅亡地球学クラブのメンバーは
地球滅亡まで各自のやりたいことを探し、活動を粛々とこなしていく
妖星の観察 ピンホールカメラを使い巨大写真を撮る
地球消滅後の地域史を作る
妖星デルタは本当に衝突するのか?
地球は本当に滅亡してしまうのか?
自分たちにはどうやら来年はない…らしい
でも、今やりたいことを
大好きな仲間たちと
地球が滅亡するその日まで
やり続けたい
終末に向かう閉塞感の中で描かれるほの暗い青春小説 -
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ネタバレ人生の算法もあればいいのに。
絵馬に書かれた問題を解くと新しい問題が浮かび上がってくる。真鍋波瑠は謎の出題者・橘実信と問題を出し合うが、それは時を超えたやりとりだった。
算額を通じたやりとりがメインではなく、波瑠と実信がどのように自分の人生に降りかかる難題をクリアしていくかが主筋なので、波瑠の友人・千明のように数学アレルギーがあっても問題なく物語を楽しめるだろう。
数学を武器にする波瑠には、両親の不和という大きな問題があり、千明も引きこもりの兄とその原因となった父という問題を抱えている。江戸時代末期の実信にも、家業や兄の死によるトラウマ、親友と道場主の娘との関係などこれまた難題ばかり。そ