向井湘吾のレビュー一覧
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地球が数年後に星と衝突して滅亡するというニュースが飛び込んだ。公式に発信されたということもあり、各地で暴徒化し、世界は大混乱。そして現在、滅亡まで110日。ある高校では教師が次々失踪、自習ばかり。そんな状況だが、ある部活は元気に探求している。その名は、「滅亡地球学クラブ」。終わりを迎えようとも、今しか出来ないことに没頭する高校生達の物語。
地球が滅亡ということでしたが、その世界観は、終戦直後?と思うくらい、様々な制約や争奪戦が繰り広げられていました。今までの当たり前だった生活が一変し、色んな想定されそうな状況が描写されているのですが、現実にこんな事が起こるとなると、自暴自棄になりそうで、恐 -
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「理系は真実のみを追い求める」という数学科主人公のセリフに、理系の中でも理学と工学の壁を感じた。
工学、特に電気科卒でそのまま技術屋になったわけだが、真実なんてものは電気屋的にはどうでもいい。
数学屋が発見した理論と、物理屋が作った材料を使って夢の技術を空想して実現に落とし込む。
もしくは、油にまみれた機械いじりにのめり込んでいたいだけの人間もいる。
それが工学部。
理学が追い求めるのはトゥルーエンド、
工学が追い求めるのは自分好みのマルチエンディング。
そんな違いがある気がする。
電気屋と言っても数学物理は全然できないし、現代経済学で統計を扱ってる文系のほうがよほど数 -
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ネタバレ今作はあまり好きになれなかった。
二年間宙と遥はメールやスカイプを通して付き合いを続けていたわけで、遙のソフトボールの試合に合わせてサプライズ企画なんかするほど、宙は遙を大切に思っていたはず。
なのに、、無関係な女の子(明日菜)を連れてくる神経。
明日菜もまた思わせぶりに、自分の方が宙のことをよく知っている風を匂わせる辺り、とても感じが悪い。
小学生時代の宙の家庭環境、学校での様子を知ることができたのはよかったけど、どうもうまく本筋と結びつかない。
おちおち家で勉強もできないくらい宙の両親の仲が悪いのなら、お父さんだけアメリカに行けばよかったのでは?
宙と大智、明日菜と大智の関係は分かる -
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ネタバレ2回目。
なんというか、青春群像劇としては良いのではないかと思う。しかし、文体のせいだろうか。中学生を変に買いかぶりすぎなのか。逆に中学生ではあり得ないだろうというキャラ設定の違和感のせいか。
群像劇の難しいところは、それぞれの立ち位置があって、それ物語における役割を果たしてもらわないと話が展開されないだろうということ。そのためには子どもっぽいキャラクターも、むしろ大人なキャラクターも必要。小悪魔や少し嫌味なやつもエッセンスとして必要。それらを過不足なく、かつ世界観を壊さないようにバランスをとらないといけないという難しさがある。
今回はそのバランスにけっこうな違和感がなくはなく、(中学生 -
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ネタバレ「数学屋さん」の印象が強い作家さんだったので、このドロドロとした陰惨な内容を想像させるタイトルがすごく意外に感じます。
そのタイトルから暗い内容なのかと思って読み始めましたが、おもったよりライトな印象。イヤミス的な読後感を覚悟していたので、そこはちょっと肩透かし。裏を返すと読後感は悪くなく、嫌な気持ちになるような内容じゃなかったのはよかった……のかな?
信憑性に乏しいネットの情報を鵜呑みにして、無責任な言動をとる人たちを描く内容が、ドラマ「3年A組」を想起。本作は元々3年前に刊行された作品のようですが、3年経っても日本人のネットリテラシーは一向に向上していないよなぁ、と考えさせられたりも。 -
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ネタバレシリーズ3作目は数学を使った問題解決よりも、宙くんの人間関係の清算(?)がメインだった印象が強いです。
数学に関するところでは、今回は確率・統計がメインの課題解決シーンはあります。しかし、それよりも遥の恋敵的存在(実際は全く違うのですが)の明日菜の存在や、宙くんのライバル的な大智の存在感が強すぎて、数学による問題解決場面が霞んじゃった気がしています。
ただ、宙くんのバックグラウンド(数学での問題解決にこだわるところや、常に黒い長袖を着ているところなどの事情など)には余り興味を抱いていなかったので、前2作に比べると今ひとつのめりこめず……
物語的には遥と宙くんの関係が丸く収まる感じで終焉。 -
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数学なんて何の意味もない、役に立たない。
そう思っていた少女の心を変えた少年はもういない。
互いにほのかな好意を抱きつつ、少年は少女のもとを去った。
遠くアメリカに旅立ってしまった少年は、数学技術の発達によって、少女のもとへ帰ってきた!
今回の物語は文化祭の出し物を決め、乙女心を理解し、不登校の生徒をすくい、夢との距離を測るというもの。
これまた難問。
数学でこの難問を解決だって?
詭弁じゃないか!
いやいや、本当にそうかな?
効率だけを追い求めるのが常に正しいとは思わないが、限られた時間や人数、予算の中で皆がある程度納得して答えを出すのにデータは必要だし、比較検討も大事なことだ。
私は模擬