【感想・ネタバレ】われら滅亡地球学クラブのレビュー

あらすじ

地球が滅ぶまで110日。教師は次々失踪し、授業は自習ばかり。そんな中で、今しかできない何かを見つけ実行する。それが、「滅亡地球学クラブ」。部員は自由奔放な部長・玉華、彼女を静かに見守る碧、クールでマイペースな刹那の3人だけ。哲学好きの新入生を勧誘するも断られ......。大人になれない。夢も叶わない。それでも、僕らは明日を諦めない!

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Posted by ブクログ

ほのぼのとした勇気と安らぎを貰ったような気分になるけど、実は結局どこにも救いのない終末小説。

否定され、苦しみ、もがき、ようやく得た仲間を前に、怯えながらも必死に前を向く玉華が痛々しくて泣けてくる。滅亡地球学クラブの部長は、未来を決して諦めない。だから、明日もきっと楽しいことがいっぱいの一日になる

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2022年11月06日

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地球がもうすぐ終わるとしたら何をしますか?

このありふれた質問の納得がいく回答はやはり「最後の時まで目標を持ち続け悔いなく向かう」なのかもしれない。

蛍の観測、写真撮影、天体観測、歴史の年表作り...学校が形骸化しようとも彼らは学校に集まり友人達と時間を重ねていく。
高校生の身分故にある家庭の事情により事件が起こるが、その度に彼らは仲間で助け合うまでに絆を深めそれぞれの大事なものに気付けていく成長の物語。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

地球滅亡がわかって、人類が暴動を起こした後からがこのお話の舞台。
淡々と生活を続ける人。
どこへなのかは分からないけど生活から離脱する人。
あと⚫️⚫️日でという段階になっての新しい発表。
真偽が分からない国民。
大人は。大人にはなりきれていない高校生は。
じゃあ私はどうするだろう…。
ぐるぐるした
ある種の冒険譚でもある。
青春小説でもある。
うーん…そこで、そうやって終わるのか…。

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2024年12月21日

Posted by ブクログ

終末青春小説ですね。
天体衝突による終末ものは定番ではありますが、定番ゆえの味わいというものがあります。この場合終わりがきっちり決まっていて、かつ避けられないというのがいいです。主人公たちは終わりを受け入れつつ生への渇望を捨てられない。日常を繰り返しつつ、ちゃんと死のうとしてる。この辺の心情の描き方がたまらない。
これは終末ものとしては極上の部類ですね。ラストシーンの余韻もいい。

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2021年08月20日

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ネタバレ

人生とは、なにかを諦めていくことだと思う。

地球が滅亡するとしたら、なにをしたいかと考えるときに、前はもっとあれもこれもと思っていた気がする。それこそ、伊坂幸太郎の「終末のフール」で、「地球が滅亡しても同じことをする」プロボクサーに憧れて、それくらい「自分のやりたいこと」にたどり着きたいと思ったものだけれども、今もう一度考えると、最後になるなら、本を読んで過ごしたいなとかそういうところに着地して、それなら結局、あまり日常と変わらないじゃないかという気がしてしまう。

前は、「いつか行ってみたい」と海外の観光地をいくつか思い描いていたのだけれども、「行きたい」より「面倒くさい」がいつしか上回ってしまった。お金も時間も、どうにも都合がつかないわけではなかったのに、「行かない」選択をし続けてきたのは私自身だ。

人はきっと大きな可能性を持って生まれてきて、それをいろいろ選んで、同時に諦めて、大人になっていく。
高校生は、可能性が狭まりすぎないけれども、何かを選べるほどには成長していない頃合い。友だちの娘さんは高校の文理選択で、「選びきれないからもう大学行かない」と言い出したらしい。親としては「とりあえず無難に書いておけ」と説得したらしく、親視点としてはまったくもってその通りだけれど、娘さんの気持ちもとても分かる。

なにかを選ぶのはなにかを諦めること。

滅亡地球学クラブの彼らには、「とりあえず」という選択肢がなくて、短期間で、何を選び取るのかを決めるよう強いられている。

両親がいるからこそ、自らの「死に方」としてきっちり選んでいる玉華と、両親がいないなかで、なにを選ぶか模索し続ける碧。
なんというか、親視点から思うところも多すぎる。

諦めたものが大きすぎる気がするけれども、多分、「自分で選んだ」という実感こそが、一番手に入れないといけないものなんだろう。

滅亡を前にした、少し退廃的な、ずっと諦めのモヤがかかったような空気のなかで、それでも青春をきっちり楽しんでいく様子は、どこか切ない。

最後、誰もいなくなったなかで、二人日常を続ける玉華と碧は、でもやっぱりひとつの理想をつかんだんだろうなと思う。

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2025年10月11日

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地球が滅ぶまで残り110日、そんな中で今しかできないことをやろうとする中高生4人の話。絶望しかない中で、滅亡前だからこそ出来ることをする4人みたいに、楽しげな最期を私も過ごしたくなる。生き残るために抗おうと思わんけど、楽しい最期のためには抗いたい。

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2023年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

地球に妖星デルタが衝突し、滅亡するまであと110日

暴動がおこり、情報は統制され、混乱する世の中
先生も次々と失踪し、自習の授業が増え続けるとある高校
滅亡地球学クラブのメンバーは
地球滅亡まで各自のやりたいことを探し、活動を粛々とこなしていく

妖星の観察 ピンホールカメラを使い巨大写真を撮る
地球消滅後の地域史を作る

妖星デルタは本当に衝突するのか?
地球は本当に滅亡してしまうのか?

自分たちにはどうやら来年はない…らしい

でも、今やりたいことを
大好きな仲間たちと
地球が滅亡するその日まで
やり続けたい

終末に向かう閉塞感の中で描かれるほの暗い青春小説

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2022年11月28日

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10代4人のなんとも言えない関係性が最初モヤモヤして、本当は心の中がわからない。
だけど、地球滅亡の日が近づいて来るにつれ、だんだんとそれがさらけ出す、出さざるをえなくなってくるのがいい。

若いときって時間は永遠に続くように無意識に思ってるところがあるけど、それを考え直すいいきっかけにはなるかも。
自分のやりたいことはできる時にやったほうが絶対いいし、大事なものには早く気づいてほしいって思う。

ただ、落ちはテーマがテーマなだけにスッキリしない終わり方。

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2021年11月10日

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地球滅亡までのカウントダウン中の物語。
 今、コロナ禍といわれる中での何とも言い難い閉塞感ややるせなさやウツウツとして雰囲気に通じるものがあって青春時代にある人達の切なさや悔しさに想いを馳せずにはいられなかった。
終焉が見えていようと、見えないままであろうとも、生きることは変わらないのだなと思った。

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2021年04月30日

Posted by ブクログ

地球が数年後に星と衝突して滅亡するというニュースが飛び込んだ。公式に発信されたということもあり、各地で暴徒化し、世界は大混乱。そして現在、滅亡まで110日。ある高校では教師が次々失踪、自習ばかり。そんな状況だが、ある部活は元気に探求している。その名は、「滅亡地球学クラブ」。終わりを迎えようとも、今しか出来ないことに没頭する高校生達の物語。


地球が滅亡ということでしたが、その世界観は、終戦直後?と思うくらい、様々な制約や争奪戦が繰り広げられていました。今までの当たり前だった生活が一変し、色んな想定されそうな状況が描写されているのですが、現実にこんな事が起こるとなると、自暴自棄になりそうで、恐怖を感じてしまいました。ただ、この作品は、全体的に「青春小説」の印象でした。

高校を舞台にした青春物語でしたが、初めの段階では、登場人物は中学生?と思うくらい、天真爛漫な雰囲気が出ていました。
滅亡するというのに元気な人達ばかりで、単純な性格なのかなと思っていましたが、章を進めるごとにメンバーの過去が明らかになっていきます。その過去ときたら、まぁ深刻な事が次々と出てきて、結果として複雑な人達ばかりじゃんと思ってしまいました。

それぞれが抱える葛藤や悩みが背景にあることで、登場人物たちにグッと深みが増していました。「大人になれない」「どうせ無駄」だけれども、最後の最後まで探求している部活動の姿に勇気を与えられたような感覚がありました。

「地球滅亡」という暗い雰囲気を放っていますが、登場人物たちの明るさに終始どんよりとした気持ちではなく、明るく軽い気持ちで読んだ気分になれました。

全体として、青春さが際立っていました。特に後半での展開では、〇〇を助けるシーンがあるのですが、よりクラブでの団結力や仲間意識が強くなって、良いチームだなと思いました。
終わりが分かっていても、決して諦めずに行動を起こす。自分だったら、なかなか積極的には出来ませんが、友情や仲間があっての行動にすごいと感じました。

このまま此処で終わりを遂げるのか?シェルターで過ごすのか?はたまた・・・。様々な答えがあるかと思いますが、高校生たちはどんな答えを出すのか?

結果として高校生達が導き出した答えが良いか悪いかわかりませんが、読んでいて後悔ない人生を歩みたいなと思いました。
刻々と地球滅亡が近づくとき、自分だったらどうするか?
じっくり考えたいと思います。

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2021年04月22日

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