あらすじ
現代の天才少女と幕末の算術青年が、己の意地とプライドをかけて数学対決! 和算、洋算が交わるとき、時空を巻き込む奇跡が――。
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Posted by ブクログ
数学小説と時代小説が融合した感じ。主人公の女の子が数学バカでちょっとゆるい感じなので、ちょっとだけ渚と印象が重なるなぁ。渚と波留の数学談義なんてのも読んでみたい気もする。同じ講談社だし、企画しないかな?
Posted by ブクログ
数学少女の真鍋波瑠が、ひょんなことから確認することになった"算額"。江戸時代の和算家が神様に奉納したその算額には、暗号めいた落書きが魔法のように浮かび上がる。
波瑠はそれが和算の問題だと解読するも、次々と数式は現れては消える。謎の出題者との往復書簡が続くうち、その算額が幕末に繋がっていることに気が付き……。
幕末と文章のやり取りができる算額(和算家が、問題と解を書いて社寺に奉納した絵馬の一種)を鍵に展開する、和算SFミステリ。
作者さんも実際数学オリンピックに出場したことがあるそうで、作中に出てくる問題は本格的。本格的というか、本格的なのかすらよくわからないですが、数学が得意でない私では解説していただいてもとても理解が追い付かない。でも、そんな私でも数字の美しさというか、ロマンはわかる。ぱきっと静謐で、純粋な世界の真理。熱烈な愛を向ける人がいるのも納得できます。
そんな数学を愛する波瑠と幕末の和算家の、愛する数学とは正反対の心情のままならなさ、割り切れない現実が読みどころです。
現代パートの読みやすさと対照的に、幕末パートはしっかり時代小説なので、幕末、戊辰戦争、彰義隊などの基礎知識がないと理解が難しく読みづらいかもしれません。
私は途中で少し調べました。
1巻は大分気になるところで終わるので、いずれ続きを読もうかと思います。
Posted by ブクログ
人生の算法もあればいいのに。
絵馬に書かれた問題を解くと新しい問題が浮かび上がってくる。真鍋波瑠は謎の出題者・橘実信と問題を出し合うが、それは時を超えたやりとりだった。
算額を通じたやりとりがメインではなく、波瑠と実信がどのように自分の人生に降りかかる難題をクリアしていくかが主筋なので、波瑠の友人・千明のように数学アレルギーがあっても問題なく物語を楽しめるだろう。
数学を武器にする波瑠には、両親の不和という大きな問題があり、千明も引きこもりの兄とその原因となった父という問題を抱えている。江戸時代末期の実信にも、家業や兄の死によるトラウマ、親友と道場主の娘との関係などこれまた難題ばかり。そこに算額を通じたやりとりによって、波瑠が実信にこれから起こることを伝えて彼や彼の友人の命を救おうとした過去の改変が降りかかる。
火事で死んだはずの波瑠が目覚めたら世界は一変していた。ここで終わるなんて! 2巻を読みたいと思います。