楠木新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
定年後に待ち受ける現実を明らかにし豊かに生きるためのヒントを提示した本。
2.よかった点を 3~5 つ
・名前を呼ばれるのは病院だけ(p41)
→こんなことは想像もしていなかったが、よく考えてみるとリアリティのある話だと思った。
・地域や家庭において私的な人間関係をどのように築いていくかが定年退職者の課題なのであろう。(p91)
→男性は特にこの点を注意すべきだと感じた。
・定年退職から 74 歳までと 75 歳以降、それに最期を迎える準備期間の三つに分けることが妥当である。(p109)
→定年から 74 歳までの黄金の 15 年をどのように過ごすかが大切だと思った。
・子供の頃の自分を呼び戻す(p119)
→子供の頃に得意だったこと、好きだったことを探すのが重要だと思った。
・現役で社会とつながっていれば、僅かながらも収入を得ることができて生活にも張りが出る。そうすれば生活リズ
ムも健康も付いてくる。ずっと家にいて妻に嫌がられることもない。無理に趣味を探す必要もなくなる。すべて解決
が付く。(p156)
→やはり定年後は何かしら仕事をした方が良いのだと思う。
・逆算型の生き方は、老いや死を取り入れながら生をイキイキさせることにつながっている。(p187)
→定年後の人生を考えるにはまず死を受け止めることから始まるのだろう。
・人は発言では美辞麗句を並べることはできても、顔つきだけはごまかせない。内面の状況を一番表すのは顔つきで
あると思っている。定年後の目標はやはり「いい顔」で過ごすことだろう。(p213)
→
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・キャリアを大きく転身させた人の背景をもう少し詳しく知りたかった。
・定年後の経済的な話を聞きたかった。
3.実践してみようとおもうこと
・子供の頃に興味を持っていたことを振り返ってみたい。
5.全体の感想・その他
・自分自身、定年後についてほとんど考えられていないことがよくわかった。これをきっかけに定年後の自分を人生
の逆算をしながら考えていきたい -
Posted by ブクログ
世の中はその人が頭の中で想定する社会の枠組み以上のものではなく、また会社組織は人がこしらえた約束事に過ぎないので、同じ会社に勤めている人でもその会社の捉え方はバラバラである。
極端に言えば、世の中や会社組織は各人が頭に描いた幻想にすぎない。
自分の歩んできた道筋のみがリアルなものである。そして自らがコントロールできるのも自分の行路であり、他人のそれではない。
人には幸不幸や、偶然の出来事、人との意外な出会いがあるにしても、誰もが自らの歩む道筋をジャンプすることはできず、一歩一歩踏みしめて進むしかない。
42
人は考えて行動するよりも行動や直感を通して得た知見をもとに検討する方が物になることが多い。何よりも自ら動くことが力になるのである。
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中高年以降の揺らぎは、自分と仕事との関係から生じているのであるから、そこを起点にしなければならない。
今まで働くことによって得たもの、失ったもの、出会った人、仕事の向き不向き、自分に対する周囲の評価などを確認しながら、まずは自分と仕事との関係を徹底的に見つめ直して行動することだ。
この作業には一定の時間が必要である。
また各個人ごとに課題も異なっているので、一般的なノウハウやアドバイスでは役立たない。
一人で行う孤独な作業となる。
自分の可能性を検討するには、心の奥底にある欲求と向かい合う必要がある。
新しさを求めてむやみに広げるよりも、現在の抱えている課題を深く掘り下げた時に新しいものが発見できる。現在の自分の可能性を高めることが転身力だからである。うまくいかない人はA(ex.会社)、B(ex.独立)かのどちらかを簡単に捨てて答えを出しがちなのである。
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既存のシステムをそのまま取り入れるのか、それともそれ自体の意味を問い疑う姿勢を持つのかの違い
中年以降になると両者のどちらかに社員は分離していく傾向がある。既存のシステムや物差しの是非について深く考える人や疑問を抱く人は組織の中ではエリートになり得ない。
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副業について、個々の社員が主体的にうまくやることが何より重要なのだ。もちろん会社の情報を持ち出すなど会社に迷惑をかけることは論外である。
その上で具体的に言えば「会社の仕事をないがしろにしない」、「直接の上司や同僚といい関係を築くこと」である。この2つを押さえておけばそれほど副業の問題はややこしくならない
会社の仕事をまずはきちんとこなすことが第一の要件である。会社がは仕事がおろそかになることを恐れているからだ。そして副業が順調に育ってくれば会社での仕事も良くなるケースが多い -
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ネタバレ楠木新さんの書籍な読みやすく、ほぼ50歳の今の自分には納得感が高く、なんとなく考えていること、思っていることをうまく言語化してくれる。
会社、個人双方にとってWin-Winとなる為に、「もう一人の自分」を作りましょう、そうすれば本業(サラリーマン)、「もう一人の自分」が。”ピンクレディー効果”としてうまくいく、定年後に向けて、「いい顔」で生きられる。
また、会社として間接的に社会につながるだけでなく、個人として直接的に社会につながる手段として「もう一人の自分」を持つことによって、「いい顔」で生きられる、ということらしい。
なお、自分のようなあまり社交的でなく、内向的な人でも社会とつながることを求める、特に会社が無い生活だととそうなるというのはよくわかる。
書籍内で、「楠木新はこうしてつくられた」章では、著者の経験、体験、精神状態の推移を含め、赤裸々に語っており、とても引き込まれた。
著者の楠木新さんはとても優秀なサラリーマンだったのだろうと想像するが、作家という「もう一人の自分」を通じて、社会にも大きな影響を与え、貢献できる生き方は素晴らしいと感じた。分野は異なるかもしれないが、見倣いたいと思った。 -
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ネタバレ京大法学部、大手生保で人事労務、のち支社長
MBA
すべての異動に意味があるというよりは、空いているポストに人を当てはめるという実務上の理由だけのケースもある。
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● 40歳以降、自力による敗者復活はほぼない。
他人頼み、自分の努力や能力を磨くこと、すなわち自力で実現できるものではない
40代以降に再び評価を得るケースは、ほぼ次の3点に限られる
1 過去に一緒に仕事をした上司や先輩からのヒキ
2 上司や先輩が事故や病気で出社できなくなったときの穴埋め。会社は継続的に業務を行う必要があるので、力不足と思ってもその人材を昇格させて急場をしのぐ
3 女性登用などのように、対外的なアピールのために特定の対象者の評価を引き上げるケース
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ネタバレ日本型雇用システムでは、能力やスキルだけで評価されるのではない。
40歳を過ぎるころに、働く意味に悩む「こころの定年」がくる。死が人生の定年、60歳が就業規則上の定年。
60から74歳までが黄金の15年。子育てが終わり、体もまだ動く。定年後は、74までと75以降、最後を迎える準備期間、の3つに分ける。
お金持ちでも、高級品にお金を出す人と、出さない人がいる。
在職中は年金の話をするが退職後はしない。お金よりも人が来てくれた方がうれしい。
経済学の中でも、経済史や経済思想史のほうが年をとってもけんきゅうをつづけられる。実証系は年を取ると難しい。
著述業も商売である。商売は仕入れと販売がある。情報を仕入れなければ著述もできない。
仕事に疑問を感じても、いきなり辞めるか残るか、の二者択一にしない。一歩下がって他の選択肢を探る。
もっと研鑽を積んでから、は言い訳。新しい世界に踏み出したとき、成功だけが意味があるわけではない。失敗も貴重な体験。自分を評論家にしない。当事者になる。
芸名を名乗る。困るのは電話の時くらい。
もう一人の自分、になる。
60歳から65歳は助走として大事な時期。アルバイトで繋いででも新しいことを始める。
身体を使って働く。
キャリアコンサルタントと社会保険労務士、フィナンシャルプランナーは相性がいい。
地方から来た旅行困難者を助ける仕事。
会社の目的は利益だけでなく、働き甲斐があること。
ボランティア講師による個別型指導塾。
会社参観日を作る。
計画的な意思決定ではなく、偶然に人と出会うなどで次のステップが見える。向こうから呼ばれる=転職は英語ではコーリング。
ハムソーセージ専門店はケーキ屋パンと違って隙間産業。
好きなことを仕事にする、だけではうまくいかない。アンテナを張って何かに導かれる。
20代は懸命に仕事をこなす。30代でその流れを活かす。 -
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楠木新(1954年~)氏は、京大法学部卒、大手生命保険会社で人事・労務、経営企画、支社長等を経験したが、47歳の時うつ病で休職したことをきっかけに、勤務と並行して、大阪府立大学大学院経営学研究科MBAを取得、関西大学商学部非常勤講師を務め、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。定年退職後、楠木ライフ&キャリア研究所代表、神戸松蔭女子学院大学人間科学部都市生活学科教授。
私は、5年ほど前に一度転職を経験した50代後半の会社員だが、人生後半の生き方には多分に漏れず不安を持っており、これまで、五木寛之、斎藤孝、出口治明、佐藤優、弘兼憲史、大前研一らの書いた指南本を読んできて、それぞれに書かれていることは異なる(どんな社会的成功者・有識者であろうと、これまで送ってきた人生は皆ひとつであり、経験も考え方も性格も違うのだから、異なって当然)ものの、様々な気付きが得られた。しかし、彼らには唯一共通する点があり、それはいわゆる普通のサラリーマンではないということである。
その点、本書は、著者が典型的なサラリーマンとして社会人生活を送ってきており、本人の経験についても、多数の人々への取材の内容についても、目線がそこにあることが、類書と大きく異なる。
そして、通読してみると、書かれている内容やアドバイス自体には、特段目新しさがあるわけではないのだが、ひとつひとつの記述が非常に現実的で、改めて自らの今後を考えねばという気持ちにさせられた次第である。
サラリーマン生活を送ってきた中年層が、人生の後半の準備をするためには、参考になる一冊と思う。(尚、この手の本は、様々な内容のものをいくつか読むのがいいだろう)
(2022年6月了) -
Posted by ブクログ
「定年後」参照。
以下、引用
●ここで大事な人生戦略になるのが、”もう一人の自分”をつくっておくということだ。主体的な生き方は、その”もう一人の自分”に任せればよい。そうすれば、定年後の人生を積極的にチョイスすることにつながっていく。
●なぜなら日本の会社の給料は、能力や成果に対してではなく、共同体の一員である「人」に対して支払われる面があるからである。また、「能力がない」といって無慈悲に社員を解雇することもない。非正規雇用者が不利益を被る状況が生まれているのは―もちろん、それでよいとは思わないが―多くの日本の会社が正社員を、”共同体の内側にいる仲間”と見なしている裏返しといってよい。
●私自信の体験と実感も交えていえば、会社という共有の場でサラリーマンが仕事を円滑に進めるための態度要件は、「お任せする」と「空気を読む」の二つに集約される。「お任せする」というのは、自分の主義主張をあえて前面に押し出さないことだ。上司などに物事の決定を委ね、自分の主義主張にあえてこだわらない。これは会議などの場だけでなく、たとえば些細なことだが、職場の人同士で食事をするような場面でも同様である。「おれは魚が食べたいから寿司屋に行こう」といってもよいのは、全員の勘定を自分が自腹で支払うときだけだ。個別会計だったり、部内の経費で落としたりするときは、味や値段よりも「みなが納得できる」ことが優先されなければならない。空気が読めない人たちを”KY"と呼び始めたのは、かつての女子高生たちだった。これはとりもなおさず空気を読むという能力が、日本では学校生活のうちから集団を維持するうえで求めれていることを物語っている。とくに相手が自分に対して大きな影響力を有しているときこそ、その相手の意図や意向を読み取ろうとする姿勢は強くなる。その基本スタイルは”受け身”である。そして、この共有の場の均衡状態を確保するために、入社年次や役職の上下といった序列が効力を発揮する。それが日本の組織で年功が重視される根拠の一つになっているのだ。同時に、年功序列の慣習は個々の社員の自由と主体性を封じ込める。言い換えれば、社員同士が黙示的に、会社の中で「個」が自立しないように歯止めをかけているのである。日本型雇用システムは、自立した個人ではなく、共同体の一員として各々の役割を担うことを求める。したがって、社員は共同体のなかに自分の居場所がなくなってしまうことを恐れる。
●現役サラリーマンの読者の皆さんも、胸に手を当てて考えてみてほしい。会社の仕事にやりがいや生きがいを感じられるか?自分に対する会社の評価に満足しているか?ひょっとして、会社に行くことがストレスになっていないか?自分の行動に喜びや満足感が得られるのは、主体性をもって動いている部分があるからだ。会社に使われるだけの人は「やらされている」という意識だけが充満し、ストレスも大きくなる。そういうサラリーマンが定年後に雇用延長しても、不本意な状態が継続するだけではないか。
●サラリーマンという立場の限界
第一条 努力したぶん自分に返ってこない(略)
第二条 自己実現はめざせない(略)
第三条 取り換え可能な仕事である(略)
第四条 根回し、調整が必要(略)