楠木新のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何だか何を述べているのかよくわからない本だった。それはなぜかというと、この本が論じている左遷そのものが曖昧なものだからだろう。「左遷」って話題にはあがるけど、辞令で左遷とされないように公式に出てくる言葉ではない。一方で、どこか正義をなして苦境に甘んじるみたいな色合いもあるように思う。汚職したあげくの異動や配置転換はあまり左遷っていわない気がするから。結局は、自分はちゃんとやってたのに、こんなに尽くしてきたのにどうしてという会社や仕事が好きな人々の片想い的な感傷を指してるって感じかな。
でも左遷されたという思いが人の心をくじくことも確か。本書によれば欧米的な働き方では(クビになるから)左遷はない -
Posted by ブクログ
「こころの定年」とはなんなのか?
疑問に思って手に取った。
著者によると会社員の多くが40歳を節目に、迷い、揺らぎ、不安になるらしい。そしてそのまま、自身の仕事に対するモチベーションを見失ってしまい生産性を落としてしまう。
すなわち「40歳がこころの定年」である、というのが著者の主張である。
本書の内容は、大きく3つに分けられると思う。
①なぜ「こころの定年」が40歳で訪れるのか。
②現代社会における個人の在り方の問題点とは。
③「こころの定年」の具体的な乗り越え方。
以上の3点から、40歳の節目にこころの定年を迎えずむしろ活き活きと働くために、ボクらがどうするべきなのかを解説する。
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Posted by ブクログ
私が社会人になった平成元年(1989)には、消費税が導入されましたが、入社式の後に人事部長から「君達は60歳まで働くのだぞ!」と言われたのを覚えています。私にとって定年とはずっと60歳だと思って社会人を過ごしてきましたが、この数年間で法律も整備されたこともあり、60歳から65歳辺りへ延びつつあるのが現状のように思います。
ところが60歳以降には殆どの人は収入が大きく減るので、60歳が社会人生活の一区切りであるのは事実だと思います。しかし私の先輩や父親のケースとの違いは、年金支給が65歳開始となっている中で、65歳までにどのように生活するかが求められています。
子供の教育、住宅ローンも目途が -
Posted by ブクログ
定年まであと数年ということで、書店に並んでいたこの本を読んでみた。定年後の生き方について、様々な事例を提示しながら考察する。
サラリーマンにとって定年は必ず経験するものであり、その後の生活は大変気になる。セミナーでは年金や生活費の事ばかりが話題になるが、それよりもあり余る時間をどうするかが問題と著者は考える。定年後の過し方には色々なパターンがあるが、それを定年になってから
考えるのではなく、在職中に考えておく事が重要である。自分のやりたい事を決めて、少しづつ準備をしておく。そして定年になったら、上手く着地して新しい生活に移行するのが良い。実際、著者は休職の経験がありその間に、自分のやりたい事を -
Posted by ブクログ
著者の日本人論が面白かった。
日本人の根底には人間平等主義があり、民主主義を好む傾向がある。日本人は働き者とか怠け者とか、個人の努力に注目するが、それらを凌駕するかのごとく、そこには「誰だもやればできるんだ」という能力平等感が根強く存在している。
つまり、そもそも人間の能力に大きな差はなく、仕事の成果は意欲と努力で決まるという思考傾向があるということ。能力差は不問で構わないという価値観である。だからこそ、新卒一括採用のように、平等な能力をもった人材を手垢のついてない状態で確保する。
そんな日本の会社はある種の共同体であり、給与もその一員である「人」に払われる。能力主義または職能資格制度に