楠木新のレビュー一覧
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左遷が日本独自の雇用システムに支えられているというお話。当人の思い込みも含めて、左遷のメカニズムを終身雇用、年功序列、年次別一括管理などなど日本固有の制度との関連づけて広く考察しており、非常によくまとまっています。かくいう私も、現職では100%外資なので制度は完全にグローバルと整合しているものの、異動などに関する判断がローカルで完結している部署もありますし、また新卒で入社した前職の外資合弁では、あるきっかけから欧米スタイルの制度に移行していったが、当初は日本的な制度が色濃かったので、体感的に左遷という概念はよく分かります。ただ、説明の補強に引用している学者の研究結果が場当たり的で、外資系の制度
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日本型雇用の特徴である年次別一括管理、長期雇用がもたらす左遷に切り込んだ一冊。組織の枠組みにハマりすぎる事なくワクワクし続ける為には、もう一人の自身を生み出す姿勢が大事である事に気付く。メモ。
(1)日本の組織では人と人との結びつきが強く公私の区分も曖昧になりがち。職務領域や権限が不文明な事もあって誰がリーダーになるかによって組織の性格が変わってしまう。
(2)アメリカ。契約当事者が対等原則に立った上で当事者の一方がいつでも契約関係の解消を伝える事が出来る前提。日本。労働者は会社に比べると弱い立場にあるという現実的な状況が前提。
(3)組織が出来上がっていなければ人事異動は実施出来ない。なぜな -
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理不尽な人事には理由がある。
左遷という言葉は「低い役職・地位に落とすこと」の意味で広く用いられる。当人にとって不本意で、理不尽とも思える人事も、組織の論理からすれば筋が通っている場合は少なくない。人は誰しも自分を高めに評価し、客観視難しいという側面もある。本書では左遷のメカニズムを、長期安定雇用、年次別一括管理、年功的な人事評価といった日本独自の雇用慣行から分析。組織で働く個人がどう対処すべきかも具体的に提言する。(2016年刊)
・はじめに
・第1章 菅原道真、失意の晩年
・第2章 定期異動日は大騒ぎ
・第3章 転職か、じっと我慢か
・第4章 誰が年功序列を決めているのか
・第5章 出世よ -
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典型的な日本の(大)企業における人事評価をめぐるトピックスについて解説。サラリーマン生活を送るうえでのヒントが多い。
「若いころは、常に上司の期待を上回れ」「偉くなる人とうまくやれる人が偉くなる」という著者が主張する出世の秘訣は、それを実践するかどうかは別にして、そうだろうなという納得感があり、参考になった。また、会社の中で充実感を持って仕事をする方法として指摘されている「会社の仕事の中に自分に合ったものを見つける」「自分の課題意識を鮮明にする」ということも取り入れていきたいと思った。
表題の「働かないオジサンの給料はなぜ高いのか」という問いの答えとしては、「新卒一括採用+ピラミッド構造」が生 -
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「いい顔」のオジサンを、探せ!
イキイキとしてオジサンはいるのか?
どうしたら、いい顔して働けるのか?
など書いてある。
オジサンへの批判じゃなくて
もっといい顔で働くにはどうするかってこと。
いい顔で働いてる人って
いるかなと、周りを見渡してみる、
いい顔つきの人、数人いるな。
いつも、姿勢がよくて覇気があり
顔つきがいい。
そもそも自分が
いい顔して働けてないのが問題かも。
この本すごい参考になるな。
会社辞めたい、といってた人にも貸したら
考え方ちょっと変わった、
割り切りも必要かも、と言ってた。
組織や会社に任せるだけじゃなく
自分から変えていかなきゃね。
生活も考えも。
それで -
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モチベーションの保ち方、働く気持ちのリセットの仕方か。現場で仕事をしながら、間接部門の仕事もすると、何となく充実感を感じる。今の仕事に厭きているのかも。働き方(意識と実務)を変えてみることが必要なようだ。
以下、引用抜粋
●『わが社の人事課長が学生を採用する基準を一言で述べよ』という課題を面接で聞かれたら、どう答えますか?」と聞いてみた。(略)結論から言えば、「自分の部下、後輩として一緒に働けるかどうか」が基準なのである。
●人事部員の多くは、社員個人個人の細かい点まで配慮できないのが現実だ。組織が要求する人材に見合った社員が豊富に在籍する会社は稀なので、組織に人を配置するだけで精一杯の人事 -
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「働かない」人については、働かない人の個人の問題にしがちですが、実は組織の問題である点を、うまく説明していると思います。
自分の経験でいえば、昨年、PTAの役員を経験したことで、とくに悩むことなく、この本でいうところの「こころの定年」を乗り越えることができたように思います。
PTAの役員を経験することで、サラリーマン人生を終えた後の自分の姿が見えてきましたし、仕事やプライベートにおける自分のスタンスを確認できました。
そういう意味では、この本が役に立った、というわけではありませんが、自分がやってきたことが間違いではなかったことは確認でき、ホッとしました。