楠木新のレビュー一覧
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私は定年後や定年が近い立場ではありません。が、常日頃から日本の社会に漠然と蔓延している「会社至上主義」なる空気に辟易としていました。この本は、自らも会社人間だった過去を持ちかつ定年後それが無くなった時どうなるか経験した筆者だからこそ書くことのできた、「会社至上主義から目を覚ます本」と言えるかもしれません。
私が特に素晴らしいと感じたのは、「定年後どう過ごすか」という目先の穴を埋めるための本なのではなく、なぜそんなことになってしまうのか、原因を実体験のヒアリングと論理的な考察から追求している点です。原因が分からなければ対策のたてようもありません。
ですから、定年後というタイトルではあるもののこ -
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ネタバレ楠木新さんの「定年後」シリーズで、ついに切り込んだ定年後のマネー。「ついに」でもないかな。
定年後のマネーの本は、退職金や年金の増やし方、守り方、残し方という3つの観点が多いように思いますが、本書はお金が自由に使えるのは70代前半までという前提で説いています。
プロローグ お金と幸せを一緒にするな
第1章 老後不安の正体―原因はお金ではない
第2章 財産増減一括表―まず自分の財産を知る
第3章 固定費を見直す―使わなければ金は貯まる
第4章 老後不安と投資を切り離せ―投資はそれほど重要ではない
第5章 老後資金は収支で管理―資産寿命をどう延ばすか
第6章 お金を有効に使う―人間関係に投じる -
Posted by ブクログ
企業の人事を取り扱う新書をよむのは久しぶりだなと思ったが、気づけば『人事部は見ている。』と同じ著者だ。あれ以来の、この手の本。
つまるところ、こういう本は貴重。
企業の人事をテーマにするというのは書きにくいことだと思うが、紹介のあった『トヨタ人事方式の戦後史』は興味がわいた。
前著(人事部は見ている。)よりも、考えさせられる内容が多い。
あるていどの年代になると「過去の実績を踏まえた配置となりやすい」とか「マネージャー自身がきちんと部下を育成したかを顧みず、仕事ができないと訴えてきたり、やたら転出させたがる人もいる」といった、人事あるあるも実感。
「左遷」かどうかは別として、「転勤」が本 -
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ネタバレ<目次>
第1章 人生は二度ある?
第2章 「もう一人の自分」を発見
第3章 60歳からのハローワーク
第4章 最後に戻るのは地域と家族
第5章 童心に戻る
第6章 魅力的な先達に学ぶ
第7章 逆境がチャンスに
エピローグ 定年準備のための行動六か条
<内容>
『定年後』を書いた楠木さんの第2弾。自らの経験と多くのインタビューからまとまられているので、信憑性が高い。その辺の学者よりもいい知恵がたくさん含まれている。まさに定年間近の渡しには響いた。
面白かったのは、著述業になり、インタビューを多くしている著者を見て、同窓会で友人が「高校時代と変わらない」と言ったシーンだ。結局は