楠木新のレビュー一覧
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本書を手に取る人は、人事上の左遷に何らかの関心をもったか、実際に左遷と思われる処遇を受けた方々であろう。サブタイトルが示すとおり、左遷は、組織の論理と個人の心理・心情のギャップから生じる。これを丁寧に参考文献やインタビュー、著者自身の経験から検討がなされている。意外だったのは、菅原道真や森鴎外が左遷された例として紹介されていたことだった。また役職・地位は下がっても、給与に影響が無い場合も、左遷にはあるという。左遷とは、辞書的な語義は置いておいて、「順調に走ってきた者が、意外な人事によって先が見通せなくなり立往生するという、人の一般的な悩みに共通する素朴な物語」(p.15)という著者による紹介の
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働かないオジサンはどのように生まれるのかを知りたくて読んでみた。本人の問題だけでなく会社の仕組み、社会の仕組みがそのようなオジサン達を生産しているということがよくわかる。ただ、だからと言って本人に問題がないというわけではない。著者は「こころの定年」といっているが40歳前後で訪れる第2の職業人人生への通過儀礼を乗り越えられていない人が「働かないオジサン」に陥るという。この通過儀礼への対処は孤独で、辛い作業であるという。これはまさに以前読んだ「トランジション(ウィリアム・ブリッジズ 著)」ではないだろうか。トランジションを上手く乗り越えることがその後の人生を豊かにできるか否かのポイントだと思った。
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いろいろと頷くことが多くて、背中を押される本。
4.50代になると、「最近、成長している実感がない」「今の仕事は誰のためになっているのか」など疑問を持ち、よい顔で働けなくなる人が多い。また、順風満帆でやってきた人が、人事や病気などで挫折することもある。そのときに、第2の本業(副業ではなく)を持っていると、どちらの仕事にも前向きに取り組むことができる。会社員でいるだけでは分からなかった会社組織の良さ(グループで働くことで助け合えること分業できること、安定した給与が確保できること等)が実感できる。
第2の本業を見つけるときに大事なことは、好きなことをするだけでなくて、自分の「お客さん」は誰なのか -
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ネタバレ定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書) 新書 – 2017/4/19
過去の自分、未来の自分と対話せよ
2019年5月14日記述
楠木新氏による著作。
2017年4月25日初版。
1954年神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、
日本生命相互保険会社に入社。
人事・労務関係をはじめ総合企画、営業などを経験。
50歳から勤務と並行して、「働く意味」「個
人と組織の関係」をテーマに取材を続け、執筆、
大学の非常勤講師、講演などに取り組む。
勤務と並行して、大阪府立大学大学院でMBAを取得。
関西大学商学部非常勤講師を務める。
2015年3月に定年退職。
現在、楠木ライフ& -
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ネタバレ働かないオジサンの給料はなぜ高いのか: 人事評価の真実 (新潮新書) 単行本 – 2014/4/17
常に評価者である上司の期待を上回れ
2016年11月13日に日本でレビュー済み
楠木新氏による著作。
1954年神戸市生まれ。
京都大学法学部卒業後、日本生命相互保険会社に入社。人事・労務関係をはじめ総合企画、営業などを経験。50歳から勤務と並行して、「働く意味」「個
人と組織の関係」をテーマに取材を続け、執筆、大学の非常勤講師、講演などに取り組む
2015年3月に定年退職。朝日新聞be(土曜版)に、会社から独立した中高年の生きざま
を紹介した「こころの定年」を1年余り連載。
著書に『人事