楠木新のレビュー一覧
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何だか何を述べているのかよくわからない本だった。それはなぜかというと、この本が論じている左遷そのものが曖昧なものだからだろう。「左遷」って話題にはあがるけど、辞令で左遷とされないように公式に出てくる言葉ではない。一方で、どこか正義をなして苦境に甘んじるみたいな色合いもあるように思う。汚職したあげくの異動や配置転換はあまり左遷っていわない気がするから。結局は、自分はちゃんとやってたのに、こんなに尽くしてきたのにどうしてという会社や仕事が好きな人々の片想い的な感傷を指してるって感じかな。
でも左遷されたという思いが人の心をくじくことも確か。本書によれば欧米的な働き方では(クビになるから)左遷はないとのこと。左遷があるのは日本的な就社的な働く文化だからだと。それが純真な社畜の心を踏みにじりもするのだから、日本の就社的雇用関係って悩ましい。
いいこといってるなと思ったのは、「左遷を主張するのは強者の身勝手な論理」(p.31、p.142)としているところ。飛ばされた先でも頑張っている人がいるわけで、そういう人を前に左遷されたとくさっていたりするようなことを指している。そんな振る舞いをするくらいならやめればいいのだ。外資系企業だったら問答無用にクビになるところを一応給料払ってもらえるんだから考えようによってはいい身分だよね。結局は飛ばされながらもしがみついている自分を「左遷」という言葉と意識で正当化しているってわけ。 -
Posted by ブクログ
「こころの定年」とはなんなのか?
疑問に思って手に取った。
著者によると会社員の多くが40歳を節目に、迷い、揺らぎ、不安になるらしい。そしてそのまま、自身の仕事に対するモチベーションを見失ってしまい生産性を落としてしまう。
すなわち「40歳がこころの定年」である、というのが著者の主張である。
本書の内容は、大きく3つに分けられると思う。
①なぜ「こころの定年」が40歳で訪れるのか。
②現代社会における個人の在り方の問題点とは。
③「こころの定年」の具体的な乗り越え方。
以上の3点から、40歳の節目にこころの定年を迎えずむしろ活き活きと働くために、ボクらがどうするべきなのかを解説する。
ちなみに時間のない人には第6章、第7章のみ読むことをおすすめする。 -
Posted by ブクログ
私が社会人になった平成元年(1989)には、消費税が導入されましたが、入社式の後に人事部長から「君達は60歳まで働くのだぞ!」と言われたのを覚えています。私にとって定年とはずっと60歳だと思って社会人を過ごしてきましたが、この数年間で法律も整備されたこともあり、60歳から65歳辺りへ延びつつあるのが現状のように思います。
ところが60歳以降には殆どの人は収入が大きく減るので、60歳が社会人生活の一区切りであるのは事実だと思います。しかし私の先輩や父親のケースとの違いは、年金支給が65歳開始となっている中で、65歳までにどのように生活するかが求められています。
子供の教育、住宅ローンも目途がついてスリムな生活を心がければできる環境になってきていると思います。一区切りである60歳までにいかに無駄な費用を抑え、何にお金を使うべきかを考える時期に来ていると思います。それを考える上で、この本にに書かれていることは大変参考になりました。
以下は気になったポイントです。
・男性でお金の使い方がわからない場合、サラリーマンの立場以外のことをやっておくとよい。会社員の自分の他に、自分の個性にあった「もう一人の自分」を創ることが大事(プロローグp3)
・お金は人の仕事を一律に並べて序列化できる強力な物差しであるとともに、人によっては同じ金額でもそこから得られる喜びやエネルギーが異なるという不思議なものである(プロローグp6)
・老後にいくら必要かは、支出である老後生活費をいくらに設定するか、公的年金と退職金を含めた貯蓄額および働いて得る収入の合計額がいくらに見積もるかによる。最も不確定なのは、自分が何歳まで生きるか(p20)
・充実した生活を継続するには、現役時代の仕事に代わる基本生活、毎日の活動が大切であり、そこから自分の楽しみを見つける(p23)
・将来に対する安心感は、将来も働き続けることや日常の生活を整えることから生まれる、頭でお金の計算をしているだけでは解決しない(p31)
・年収額から、所得税・社会保険料・住民税を差し引いた額が手取り額である、これが源泉徴収票に記載されている(p61)
・1997年より、共働き世帯数が男性雇用者と無行の妻から成る世帯数を上回っている(p69)
・バブルがはじけて大幅に不動産価格が暴落したのは、需要が落ち込んだのでもなく住宅供給が過剰になったためでもない、90年3月に出された大蔵省銀行局長から出された通達である。総量規制(不動産向け融資の伸び率を総支出の伸び率以下に)、3業種規制(不動産、建設、ノンバンク)に対する融資の実態報告を求める、であった(p81)
・資産の積み上げをしたいのであれば、無理な投資ではなく自ら働くことが懸命である(p113)
・実際にやるべきことは、財産増減一括表で自己の家系財産を時系列で把握する、そして無駄な固定費を見直す(p115)
・月50万円の収入の家計なら、300−600万円(1年分)の現預金を確保しておくべき、これは生活防衛資産である(p118)
・お金の観点から言えば、自己の裁量で自由にお金が使えるのは70代半ばまでと考える(p153)
・会社員は、50代前半の給与から、役職定年・定年・雇用延長終了時の3段階に分けて給与が減少すると考えておくべき(p157)
・趣味を自分の範囲内に留めるのではなく、人間関係を広げたり、わずかでもお金をもらい社会と繋がることを考慮に入れると良い(p199)
・元気に定年後を過ごしている数少ない人の特徴は、若い人たちに何らかのものを与えている、お金だけでなく知恵や過去の経験を若い世代に伝えている(p203)
・お金に振り回されないようにするには、主体的に活動してお金を使うこと。本当にやりたいことにお金を使うことが幸せにつながる(p217)
・自分が死ぬ時に、これだけ稼いだとか、これだけ残っていると誇る人はいない、自分の人生(旅)の満足度は、一度きりの人生に対して自分自身が納得できるかという自己評価に基づいている。これは俺がやったことだ、と言えることが一つでもあればいい(p218)
2020年4月19日作成 -
Posted by ブクログ
定年まであと数年ということで、書店に並んでいたこの本を読んでみた。定年後の生き方について、様々な事例を提示しながら考察する。
サラリーマンにとって定年は必ず経験するものであり、その後の生活は大変気になる。セミナーでは年金や生活費の事ばかりが話題になるが、それよりもあり余る時間をどうするかが問題と著者は考える。定年後の過し方には色々なパターンがあるが、それを定年になってから
考えるのではなく、在職中に考えておく事が重要である。自分のやりたい事を決めて、少しづつ準備をしておく。そして定年になったら、上手く着地して新しい生活に移行するのが良い。実際、著者は休職の経験がありその間に、自分のやりたい事を決めて、上手く移行できたようだ。しかし、現実にはそういう人は稀かもしれない。年金生活では厳しいからとか、やりたいことが見つからないから働くというのが多数だろう。この本を読んで、定年後についていろいろ考えさせられた。
でも自分自身は、もっと楽天的に考えている。
幸いなことに、身近に退職後の生活のほうが充実していると言う父がいる。父の生き方に倣うのも手だろう。定年まで多少時間があるので、いろいろアドバイスをもらって、定年後の自分の生き方を考えてみたいと思う。
定年後の競馬をどうするか。これが問題。
長年やってみて儲からないことが判っているので、現役のうちから貯金して自分でルールを作って貯金から配当を出す・・自炊競馬で楽しむつもりだ。 -
Posted by ブクログ
著者の日本人論が面白かった。
日本人の根底には人間平等主義があり、民主主義を好む傾向がある。日本人は働き者とか怠け者とか、個人の努力に注目するが、それらを凌駕するかのごとく、そこには「誰だもやればできるんだ」という能力平等感が根強く存在している。
つまり、そもそも人間の能力に大きな差はなく、仕事の成果は意欲と努力で決まるという思考傾向があるということ。能力差は不問で構わないという価値観である。だからこそ、新卒一括採用のように、平等な能力をもった人材を手垢のついてない状態で確保する。
そんな日本の会社はある種の共同体であり、給与もその一員である「人」に払われる。能力主義または職能資格制度に準じて給料は払われていない。だから年功序列が長らく心地よかったのだ。 -
Posted by ブクログ
今の自分にとっては正に旬なテーマですね。
ただ、「50歳からの生き方、終わり方」というサブタイトルに、「遅かったか!」という危惧を感じてしまいます。
安心して下さい。60歳からでも65歳からでも大丈夫です。
二つ考えさせられたことがあります。
ひとつは、『日本人男性は世界一孤独』。仕事以外の日常生活で、他者となんらかの活動に参加した経験者が、先進21ヶ国中ダントツで日本が少ないこと。
もう一つは、自分がこれから何をしたいかわからない人は、子供の頃の夢をもう一度振り返って見ることがいい、ということ。
なかなか身につまされる内容である。前向きに捉えたい。