橋本長道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『覇王の譜』が面白く、著者は元奨励会員とのことで、タイトルだけで奨励会をテーマにした小説かエッセイかなと読んだら子どもを将棋棋士にするか否かが真正面から書かれていた。
将棋指しになりたい有望な子を持つ親にとっては唯一無二の“参考書”だと思う。ニッチ過ぎて他にないということだけど笑
面白かったのは記録を取りたい順番。早指しの人が人気と名前まで出てて笑ってしまった。
江戸時代の盤面と全く同じものが羽生ー渡辺戦で出てきたというのには鳥肌が立った。(現代的な使い方で怖いわけではない、念のため)
『覇王の譜』以前の本なので本人はダメを自認しているんだけど、奨励会員だったというだけで突き抜けたもの -
Posted by ブクログ
『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。
強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終 -
Posted by ブクログ
ネタバレ元奨励会員で、小説家である著者が、奨励会について書いた本。2018年発刊。
小学生の息子が将棋にハマっているので興味があり手にとってみた。
糸谷先生が奨励会の級位時代は負けるとその場で泣き勝つと鼻歌を歌う人だった(今では将棋界で一二の人格者らしいです)とか、豊島先生は本当に「とよぴー」って呼ばれてるんだなとか、ファン目線でおもしろいエピソードがいくつかあって嬉しかった。
また、元奨励会員として奨励会にいる友人に「若い子に頭下げて教えをこうたほうがいい」とアドバイスしてしまう、という話からは、永瀬先生がだいぶ年下の藤井聡太先生にVSをお願いしたという話を思い出した。やはりあれってとても珍しいこ -
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粗削りの良さ
「覇王の譜」を先に読んだので、比べると粗さが目についてしまいます。途中まで物語というよりはドキュメンタリーぽい書き方で、散漫な内容でしたが、終盤の方は物語の強い力を感じました。サラの一人称の語りをきいてみたくなりました。続きも読んでみたいと思います。