枯野瑛のレビュー一覧
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57Pで出掛けたエマが、夕方になった60Pで、『クァシ・ブレイブじゃないんですか?』って会話に参加してるはずなのに、その後72Pで『ただいまぁ』と帰ってくる。
『遅くなりました。ふふ、おみやげありますよ。』と言ってるあたり、一度帰ってきてもう一度出掛けたわけではなく、60Pにエマが居た事が間違いか。
「戦場の希望となる」というタレントを持つパーチェムがモウルネンを模して造られた可能性に言及されてる。
確かに、人々の希望だけ束ねて力にするのはモウルネンの改良版と言える機能なのか。
プロディトルの「役に立たない」の理由が判明。
銘の意味は「造反者」。
「大事な時に仕事をしない」という特筆能 -
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最終巻なんだけど、最終巻らしくない。らしくないんだけど、終わりに近づく世界の終わりをどのように迎えるか、という点を突き詰めて描いてきた本作のフィナーレを飾るにはある意味相応しいラストだったのではないかと思えてしまう
結界世界での探索。当初の目的は核として囚われた神様達を救い出す。計算が崩れてからの目的は世界の核となった少年を倒す。そうして結界世界と少年を終わらせることでしか、終わりに近づく浮遊大陸群を救うことは出来ない。
これはある意味、本作において幾度も繰り返されてきた流れだね。一方が生き残るために他方を終わらせないといけない
かつて星神に挑んだ人間達や、妖精たちの為に敵となったヴィレムや -
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最終決戦場とも言える2番浮遊島に突入する運びとなった妖精兵達。そこではどのような絶望的な光景を目にすることになるのかと思いきや、予想とかなり違った光景が展開されているね
まさか、このタイミングで滅びる直前の地上が登場するとは思わなかった……
ただ、直前は直前でも<最後の獣>と星神による拮抗の結果、奇妙な世界を構成するに至ったのだけど
結界の核を探し、囚われた者を救出する作戦。そう考えれば、妖精兵らにとって人間の黄昏時なんて何の関係もないのだけれど、一方で囚われた者達にとっては抜け出すことが容易でない世界でもある
いわば、ティアット達は虜囚となった彼らに、既に滅んだ世界ではなく、もうすぐ滅びそ -
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ネタバレ妖精兵として戦場に行くか否か。アルミタの迷い。ユーディアの決意。
207ページ、ユーディアのモノローグにある「自分とユーディア」って部分は「自分とアルミタ」の間違いだなー。
量産品以外でヴィレムが使っていたという数少ないカリヨン、「プロディトル」登場。
ヴィレムが使えるので当然格は低く、大したタレントはないらしいけど、ボロクソに言い過ぎじゃない?
頑丈さ以外に褒める所無いっぽい。
元のスペックが低いのに余分なタレントが付いて、さらに量産品と違って現場で改造もできないから駄作って事か。
さてどんな能力なのか。
イグナレオみたいに、ここぞって時に意外な活躍しそう。 -
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最後の最後まで〈想い〉が美しく、だからこそ痛かった話でした。終わる世界と残酷な運命の渦の中で、それでも人を想い続けた少女たちと青年の物語だったと思います。
絶望的な展開だった前巻から物語前半は、比較的穏やかな小康状態が続く。ヴィレムやネフレンといった地上に残された組や、ナイグラートやラーントルク、そして新たに〈兵器〉としての素質が芽生え始めたラキシュやティアットたちのその後が描かれます。
一方で不穏な雰囲気もちらほら。世界全体がこれまでよりも平穏な雰囲気が出てきたことによる、妖精倉庫の解体論や、妖精不要論。そして国同士の軋轢。
「獣」という共通の敵がいたからこそ守られていた、平和が少しずつ -
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奮闘によって齎された穏やかな日々や最終決戦前の静けさが混ざり合う不思議な構成になっている巻
この巻は主に2つの短編を軸にして構成されているね。
猶予が生まれたことによって起きた帝国内の内紛に関するエピソードと鏃の提供を要請された妖精倉庫のざわめきを描いたエピソード
貴翼帝国が舞台となる短編はこれまでのお話で存在した静かなる絶望といったものは存在しないけれど、代わりにティアットが見聞きしてきたあれやこれやに似た存在や想いが形を変えて登場しているのは面白いね
その境遇故に死を受け入れる他なかった妖精達に似た覚悟を抱いていたジオレッタ、フェオドールのように憎しみを一身に背負ったヴェーラ、そしてそ -
購入済み
大きな話が終わって次ぎ
へ向かう途中な2編の言ってみれば挿話、でいいのかな?深刻さがない分、楽しく読めました。基本的に救いのない話だと思うので・・・最後の獣ってのがあんまり悲劇にならないといいなあ。
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1巻のレビューを書いてから約1年半が経ち、ようやくこの2巻のレビュー。そして相変わらずのタイトルとの落差……。
アニメ版を観ているので、話の流れは大体分かってはいるものの、それでも切ない気持ちになります。
地上世界が「獣」と呼ばれる謎の生物に支配されたため、空中に浮かぶ浮遊都市に逃げた生き残った人々。
しかし獣は時折その浮遊都市近くにも姿を現し、彼らを倒せる武器を使えるのは「妖精族」である一部の少女たちだけ、という世界観のファンタジー。
獣との戦いのため死ぬ覚悟を決めつつあったクトリという少女。そんな少女が出会ったのは、人間種族として唯一の生き残りとされるヴィレムという青年でした。そしてク -
ネタバレ 購入済み
ひとまず完結?
相変わらず通して読まないと理解できない(通して読んでもハッキリしないところがある)作品ですが前作のキャラがどうなったかも含めてある程度区切りをつけてくれたのは良かったと思います。ただ前作『すかすか』のヴィレム帰還エンドに繋がっていないのとあとがきからまだまだ続くのかなと。
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正規勇者リーリァが主役の異伝。
今刊行されている「すかもか」では人間が居た500年前の時代に関係する人が居ないため、自然とリーリァや勇者関係の話が展開されなくなったんだよね。それを考えるとこの時代が描かれるのはかなり久しぶりか
この異伝で描かれるリーリァはまだ13歳。「すかすか」で描かれた頃より少し幼い……筈だけど、既に正規勇者として求められる在り方は完成されている印象。
むしろ同時に登場しているヴィレムの幼さの方が目立ってしまう
こういう書き方をしてしまうとリーリァが規格外に思えるけど、そもそも作中での各種描写がリーリァが持つ異端とも言える在り方をこれでもかと強調しているようにも思える
作 -
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前巻でフェオドールのしたことはコリナディルーチェで起きていた問題を解決し、妖精たちの未来を開くものだと認識していたけど、ここまでのものとは……
まさか彼があれほどまでに緻密な根回しをしているとは思わなかったよ…。そうか、フェオドールは完膚なきまでにティアット達の邪魔をしてしまったんだなぁ
ただ、一方でそれは自分の死をトリガーとして計画したものであり、計画が完遂されればティアットが望んだ「フェオドールの邪魔」は叶うことが無くなるわけで。
やはりティアットは、ティアットだけはフェオドールのしたことを怒る権利があるように思うな
この巻で舞台はコリナディルーチェから38番浮遊島に移り、表紙になって -
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巻が進むごとに登場人物たちの境遇が悲惨なものになっていく本作。この第5巻もその流れは変わらず
唯一の清涼剤は笑顔で壁を引き開いたお姉さんくらいなもんだよ!……言葉にしてみると意味が判らないね。何だろう、壁を引き開くって……
この巻で登場人物たちを翻弄するのは遺跡兵装モウルネン。前の巻でちらっと名前が出ていたけど、結局正体は判らないまま。判らないからそれを巡って様々な謀略が張り巡らされる
それだけではなく、謀略の周りではそれに振り回される人々や関わる者達の想いも渦巻いていく
特にフェオドールと行動を共にしても正体を明かさないマルゴがあまりに不憫で……
お互いが大切だから生きていたと知って言 -
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相手を救おうとする考え方故に別れて行動することになったフェオドールとティアット。だからこの巻で二人が会話するシーンなんてごく僅かしか無い。それでも互いの理念を理解し合い、尊重した上で邪魔をしようとする関係性はやはり強烈
また、ラストの会話シーンだけでもフェオドールとティアットの間を遮るものなど無いと感じてしまいそうになる
まあ、それにしたって何してんの?と言いたくなる行動をフェオドールはやらかしてるけど。あの場面ですぐに反発されないということはそれだけの感情がそこにあるということなんだけど、人の嘘を見抜くのが得意な筈のフェオドールがその嘘を見抜けないのはちょっと面白可笑しい
この巻ではどち