枯野瑛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
様々なシーンでこちらの心を揺さぶってきたシリーズの新作。前作から5年後が舞台なのね
前作でメインとなったクトリ達より更に幼い少女であったティアット達4人がメインとなる感じかな?
彼女らの人柄は前作の頃からそれほど変わっていないことも有り、そこは取っ付きにくさを感じさせなかったかな
そういった意味では前作と比べて最も変わった要素としては主人公のフェオドールか。
まず、前作主人公のヴィレムは壊れかけの人間で元準勇者。だから戦えば強いものの、戦える体じゃない。そして守りたいと思ったものを全て失った経験と養育院で育った生まれから妖精倉庫の少女達に優しく接し、それこそ父親のようになっていった。
対して、フェオドールは徴無しとはいえ堕鬼種であり軍人。一応の戦闘能力は有しているし、ちょっと変わった能力も持っている。全てを失った経験はヴィレムと共通しているものの、その際の彼の立場は庇護される立場。だから失ったものの代替として黄金妖精のティアット達を守りたいなんてひっくり返っても思わない
作中でも比べられているけど、幾つもの点でヴィレムとフェオドールは異なっている
でも、前作と新作で主人公の立場や思惑が異なっていても問題はないのだと思う。そもそも、ヒロインの立場が大きく違う
クトリは倉庫の年長者として年下に情けない姿を見せられないと思っていたから、内面の恐怖は決して表に出さないようにしていた。でも、実際は犠牲になんて成りたくなかった
ティアットはそんなクトリに憧れて育った。だから自分はそういう立場からとか、後輩達のためになどよりもクトリのように戦場に立ってみたいと思う。というより、いざ自分が「開門」の対象となった時、クトリみたいになれると思うことで内面の恐怖を押さえつけていたのだろうね
クトリとティアットじゃ、抱えているものが違うのだからそれに寄り添う主人公の立場も違って当然。
今の所、フェオドールがティアットに相応しい男かどうかまだ見えてこないのだけれどね
と言うか、ティアットの行動のあれやこれやが在りし日のクトリを思い出させるようなものが幾つも有って、ちょっと涙腺が刺激されそうな場面が……
そういった部分だけを見るとティアットがクトリに憧れているのだと再認識できるのだけど、やっぱりティアットとクトリって違うよなぁと思う場面のほうが多かったり
クトリって苦しんで苦しんでようやく犠牲になる覚悟決めたところにヴィレムが現れたから、その覚悟が変わりどうにかして生き残ろう、幸福になろうとしていったけど、ティアットって自ら犠牲になる道に進もうとしている印象をまだまだ受ける
今後はその印象が変わるくらい、ティアットもフェオドールとの触れ合いを通して変わっていくのかな?
前作で中心的に描かれたテーマは終わりかけた世界でどうやって幸福を掴むのか、という点だったのかなと解釈していたりする。
今作では自分の命より大切なものを見つけられるか、見つけられるならそれに対してどう接するのかという点が描かれるのかな?と第1巻を読んだ限りでは思えた
浮遊大陸群の為に命を散らすことを正しいとするティアット、自身を犠牲にして守ろうとした世界に殺されてしまった義兄の復讐として世界を墜とすつもりでいるフェオドール
新シリーズの第1巻は前作の第1巻のようにどでかい騒動は起こることはなく。大きな騒動に成りかけた小さな騒動の中でティアットはクトリのように命を散らすことはなく、そしてフェオドールは偉大なる先人ヴィレムとクトリを貶してみせた
物語の始まりとしては小さな一歩だけど、だからこそ二人の物語が今後どうなっていくのか気になってしまう -
Posted by ブクログ
すかすかの番外編。本編では物語の背景を織りなす重要人物でありながら出番の少ないリーリァと、3巻で退場する運びになってしまったクトリがメインとなっている。
特にクトリが登場する話が再び読めたことは非常に嬉しい所
本編で描かれるリーリァは既に覚悟完了して勇者としてのイメージに準じている印象がかなり強かったのだけど、こちらで描かれているリーリァはもう少し他の顔も見せる
この話では国が滅び一人生き延びた事で周囲から悲劇の主人公として扱われるようになった頃にあのヴィレムと出会ったと判る。ヴィレムの下手ながらも決して諦めずに剣技を上達させようとする姿に憧れと同時に嫌悪を抱いてしまったのか
ヴィレムはこれまでも化け物エピソードが散々披露されてきたけど、その異常性の根源にあるのはどれほど無理な道だろうと努力を諦めず進み続ける点。
対してリーリァは類まれな才能を数多く持ち、勇者に相応しいエピソードを備えている。いわば努力しなくても、むしろ避けようとしても物語の主人公に収まってしまうタイプ
そんな特別すぎるリーリァからすれば、本人がその気になればいつだって普通の人間として過ごせるのに、勇者を目指し一種異様とも言える努力を繰り返し続けるヴィレムの姿は特別なものと映ってしまうのだろうな
これでもしヴィレムがリーリァを勇者として扱っていればああまで親しい関係性にならなかった気がするけど、出合い頭の発言が響いたのか、ヴィレムはそこまでリーリァを勇者として扱わず。
かと言って何とも思ってないわけでもなく。「あんたはあたしを何だと思ってる」「リーリァだと思ってる」という遣り取りはリーリァ以外他の誰にも適用されないと思えば、リーリァにとっては嬉しい特別扱い
それでいて時々普通の女の子として扱おうとする辺り、ヴィレムって厄介な人間である
勇者になってしまったリーリァにはもうどうやっても手に入らないものを平然と差し出そうとしてくるヴィレム。それは厄介な行動では有るけれど、同時に何もかもを無くし自分の感情すら判らなくなったリーリァにとっては貴重な行為なのかもしれない
ヴィレムから貰った下手くそなお守りを握り締めて幸せを噛みしめるリーリァの姿はどこか年相応のような、それでいて年不相応のような印象を感じさせた
クトリの話は第一巻ラスト付近の頃。だからクトリはまだまだヴィレムへの気持ちをはっきりさせてないし、ヴィレムもクトリへの依存が鮮明となっていない
まあ、それでも端から見る分にはクトリのヴィレムへの好意があまりにはっきりしすぎていて、読んでいるこちらが恥ずかしくなるような部分もあるんだけどね?
特にヴィレムが遠くへ行ってしまうと勘違いして暴走して告白紛いの発言をかますシーンはちょっと微笑ましい
そういったこの作品にしては非常に珍しい暖かな日常が描かれる。もうすぐティメレとの戦いが待っているとは思えないほど
それ程までにヴィレムが示した希望は大きいものだったのか
そして勘違い騒動を通して、いつの間にか自分の中に芽生えていた感情の名前をはっきり自覚したクトリ。
その恋心が後々あのような幸福に辿り着くのだから感慨深いものがある
そういえばクトリの話の中でネフレンについての言及が
彼女はいつの間にかヴィレムのお隣ポジションを確固たるものにしていたけど、背景にはネフレン自身の虚無感が関係していたのね
世界の全てを一度失ったヴィレム、前世に世界が消えてしまうのではないかという虚無を抱いたネフレン。どこか似た部分を抱えた二人だから、ネフレンはヴィレムを守るためにそして自分の安心できる場所を見つけるためにヴィレムの隣りにい続ける道を選んだのか。
その決意が後々、ヴィレムと一緒にとんでもない場所まで辿り着いてしまうのだから驚きである -
Posted by ブクログ
3巻を読み終わった直後、ヴィレムが過去のゴマグ村に迷い込んでしまった展開はどんな道が待っているにせよクトリを助ける何かに繋がっていくと思っていたんだけどな……
まさか、第4巻の序盤からあんな描写が出てくるとは全く予想していなかったよ……
もっと言ってしまえば、この巻ではクトリに対する言及すらその序盤の話を除けば殆ど無い。それは前巻の描写があれ程までにこちらの感情を揺さぶってくるものであったことを考えると、とても意外なものだった
代わりにこの巻でメインとなってくるのはヴィレムとアルマリアの話。そこにネフレンという存在が面白い感じに関わってきた印象
世界が滅びる前にヴィレムはアルマリアの元へ帰ってくると約束した。けれど、約束は果たされずに終わってしまった。それを思えば舞台となるゴマグ村が夢で有ったとしてもヴィレムがその夢を満喫する道だって有ったはず。しかし、ヴィレムがそうしなかったのはきっとネフレンが傍に居たからなんだろうな
この巻では、ヴィレムのクトリへの言及は異様なまでに少ない。物語の割と早い段階でクトリ達への依存が始まり、前巻でプロポーズまでしたヴィレムがここまでクトリの事に触れないのは一種異様に映る。
クトリが既にどうやっても助けられないと知っているという点も有るのだろうけど、それ以上にヴィレムはどうしたって弱いから、あまりにクトリのことを思い出すとクトリを守れなかった事実に耐えられなくて壊れてしまうのかもしれない
クトリを助けられなかった事実から目を逸らしつつ、ネフレンを助けるために夢から脱出しようとする。そうすることでヴィレムは自身を守っているように感じられた
そして夢のゴマグ村では世界が滅びる直前の束の間の平和が描かれるのだけど……。何と言うか更に世界の謎が深まった印象
今回の描写で獣の正体、そして人類はどのようにして獣に変わっていったのかが描かれたのだけど、どうやって聖歌隊は人を獣に変えることが出来たのか、そもそも聖歌隊はどのようにしてそんな手段を手に入れたのか。また、師匠と聖歌隊の関連は?などなど気になることばかり
現代を基準に見れば昔の話だから、今後関わってくる可能性って低いような気がするけどヴィレムからすれば自分の故郷を舞台に人体実験が行われたようなもの。いずれ真実に辿り着きたいと思ったりするのだろうか?
そういえばこの巻では、ヴィレムの準勇者時代の数々のエピソードが披露されたね。こうして見るとヴィレムは化け物揃いの勇者一行の中で別方向の化け物であったことがよく判る
特殊な最終奥義でしか倒せない亜竜を蓄積ダメージで撃破、戦闘中に聖剣を調整しつつの二刀流。
超人というわけではないんだろうけど、自分の持てる技を出来る限り磨き上げ超人に近い存在になった化け物のような印象を受ける
つまりは誰にも出来ないことは全く出来ないが、誰かに出来ることなら飛んでもなく高いレベルで出来てしまう。ヴィレムはきっとそういう存在だったんだろうね
結局の所、夢のゴマグ村でヴィレムが出来たこととは何だったのかな?
夢の中だから何をしたって史実に影響を与えることはない。そして史実では果たせなかった約束を守る道もヴィレムは選ばなかった
もし、出来たことが有ったとするならば、もうどうしようもないほど助かる見込みのなかったアルマリアの嘆きをきちんと終わらせてあげたことだけ
それはあまりに悲しいことであるように思える
ただ、その行動によって現実の身体が壊れかけていたヴィレムは獣になり、延命する道に繋がった
ここから助かる道なんてあるようには到底思えないけど、アイセアやティアットによってヴィレムを終わらせる道に繋がるかもしれないならまだましだと言えるのかな?
それでもやはり悲しいことであるように思えてしまう
ヴィレムが夢のゴマグ村を駆け回る裏で何やらしていたエルク。今後は彼女も物語に関わってくるのだろうか? -
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ネタバレ口絵にアルミタ!
アルミタのビジュアルってこれまでアニメ版「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」でしか無かったと思うけど、あのお子様が憂いを含んだ凄い美少女に成長してる!
って、本編を読んで、10歳!
10歳の色気じゃねえぞ。
え?つーか10歳っておかしくない?エルピス事変から5年経ってるなら12くらいじゃない?
アルミタが倒れるよりだいぶ前の、10歳の時の出来事が書いてあるって事か。
本筋としては、エルバ(ラキシュ)の想い、フェオドールの覚悟、ティアットの慟哭。って感じでしょうか。
エルバとナサニア(アイセア)会わせてあげたかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで分からなかったパニバルの内面が見えた巻。
…正直前の巻の内容がいまいち思い出せない。
フェオドールがいなくなってその後に残った人達の話。
フェオドールがどういなくなったか思い出せないから読み直したい。
個人的にネフレンが出て嬉しい。大変そうだが。
ネフレンとつながっているフェオドールの姉のオデットが表に出てきた。
オデットは何のために動いてるのかな。
そして黒い人。そしてつながっている人。
もう無理かとも思ったけどそういえばそうだったなと。ここは次巻に期待?かな。
パニバルの話。
ずっと表面的にしか書かれてなかったから分からなかったんだけど今回はパニバル視点だったからどう考えてるのか見れた。
パニバルは無というかフラット?なのか。
ただやっぱり倉庫は大切な存在なんだなと。
そして最終的に獣と一体化したみたいで。そこ動くのね。
書きたいこと全然まとまらないけどこれで。
石灰岩ノ肌さんは相変わらず好きです。 -
Posted by ブクログ
『イリヤの空』は14年前らしい
一周半というかライトノベルが中高生とするなら
6年一周期で2週半しているだけに懐かしの味わい
違うのは昨年の『絶深海のソラリス』もそうだったけれど
ヒロインたちに対し視点主人公が目上であるところか
ハインライン『大宇宙の少年』『宇宙に旅立つ時』そして『夏への扉』が許されるのだから
全然問題ないはずだが
ライトノベルであってジュブナイルでないのがよくわかる
そのぶんナイングラートさんがとてもおばさんぽくてつり合いとれてるのかも
ここまで奇形的にしなくても『サクラ大戦』でいいのよ
でもライトノベル作家には無理か -
Posted by ブクログ
死の危機に瀕していたはずのヴィレムとネフレンが目覚めた場所は、500年も昔に滅んだはずの、ゴマグ市だった。
ヴィレムの記憶を元にした、何物かによる精神攻撃を疑うものの、ヴィレムが知らない情報まで内包したあまりにも高い再現度に驚く二人。
人々はごく普通に生活し、ヴィレムが育った養育院もまた、当たり前のように存在する。
この世界は一体何なのか。
かなり多才に見えるヴィレムをして、自分には才能がないと言わしめる、本物の化け物な準勇者(クアシブレイブ)や冒険者(アドベンチャラー)達。
正規勇者(リーガルブレイブ)のリーリァは言わずもがな。
魔力使わずに砂ぼこりを避ける走法とか、普通は予め用意しておくはずの呪跡(ソーマタージ)の、しかも超複雑なやつを即興で組み上げて辺り一面消し飛ばす等の絶技。
ヴィレム自身もその状況対応力の高さから最強の準勇者と呼ばれる事もあったらしいものの、上を見れば遥か高くて、そりゃあ自信無くすわ。