【感想・ネタバレ】終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#08のレビュー

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真の脅威を知らぬ者は祝宴に興じ

零番機密倉庫を逃げ出し、パニバルの前に現れた誰かさんは、ヴィレムではなく、フェオドールでもなく…。
<最初の獣>に変質した際の右目は、色のない白い塊となり<獣>の魂魄体は留守…?
ヴィレムとしての記憶は地上の滅びに立ち会った頃まで、フェオドールのしての記憶は棺の小窓から黒瑪瑙の瞳を覗き込むまで。
然クトリの事も、ラキシュの事も覚えてはいない。
クトリとの出会いを経ていない、存在理由を得ていない、赦しを自身に与えていないヴィレムは、自身に意味を見出せない。

その頃、浮遊大陸群という巨大な結界は、5番浮遊島の隅に安置されたネフレンが精神を切り離して、浮遊大陸群を観測する事で辛うじて成り立っている状況…

<十七種の獣>の十七番目、<最後の獣(ヘリティエ)>
大賢者の予見「未来を想い本物の世界を作るモノ」
矛盾の結晶、孵れば浮遊大陸群だけでなく眼下の大地含めて全ての世界が無に還る。
十六番目以前と異なり、取り戻すべき故郷を知らない獣
クトリが15番浮遊島を落とす事で脅威を放逐したのも、ヘリティエ?
それは、アルマリアが核となった<獣>とは異なるモノ…孵れば、殻を食い破る雛。灰の中から生れる不死鳥。
39番浮遊島に降り立った者らを核として、結界という繭は生じ…
パニバルらの事を覚えておらず、関わろうしなかったヴィレムも、やはり性分なのか放っておける筈もなく…

フェオドールの遺体は死んではないが治療を打ち切られ、処刑される事になり…
傷の癒えていない身体ながらフェオドールの遺体を盗難・回収したマルグリット。
ヘリティエの繭の中で失われたらしき魂の片割れは…?

2番浮遊島に巣食うのも<最後の獣>?

5番浮遊島に向かったヴィレムに何があったのか?

眼帯に塞がれていない方の瞳が木炭のような色で、大賢者と地神紅湖伯の名代を名乗るネフレンが、5番浮遊島を離れて妖精倉庫を訪ねてくるって…?


ところで、
<十一番目の獣(クロワイヤンス)>に同化されたままのパニバルの右腕って、大丈夫なの?
マシャとユーディアは従来通りの処置での対応で間に合ったが、アルミタだけは症状が出てから長かった事もあり…、で…?
リィエルが青のクレヨンで描く、何もない灰色の荒野に横たわる青空のような色の髪の少女とは?
拒絶する少女の幻像を力任せに引っ張ったリィエルへの、前世の侵食は…?
ティアットが詰めている『継承者』って、何の事?

0
2023年11月09日

購入済み

みんな優しいのにみんな切ない

時々幸せになるのに、その幸せは後に必ずやってくる悲しみへの約束みたいな物語。
ただ涙するだけでは自分の中に取り込められない物語。
結末を知りたいのに、遠ざけたくなる物語。

0
2022年08月01日

Posted by ブクログ

数巻前から活躍が待たれていた彼が遂に表舞台に立つ第8巻。
まあ、その中身はとても予想外な状態だったわけですが

本作は終わりかけた世界の中で既に終わってしまった物語を持つ主人公が終わりに立ち向かう少女達を支援する物語なわけだけど。
そんな中で登場(?)した黒瑪瑙の彼は守りたいものを守れなかった直後の状態なのか。それは何と意地の悪い運命なのだろうね
ヴィレムをベースにしている黒瑪瑙の彼はヴィレムっぽくはあるんだけど、妖精倉庫での記憶が無かったりフェオドールが混じっていたりと妖精たちが知るヴィレムとはかなり異なる人物
このどっちつかずな彼に対するナイグラートとアイセアのリアクションが色々と微笑ましいけど、同時に哀しくも映る

また、作中では<最後の獣>への対抗策が話し合われるわけだけど……
浮遊大陸群全てを失わないためには浮遊大陸群の大半を落とさねばならない。他の選択肢は無いなど普通受け入れられる方法ではない。でもアイセアやオデットを始めとする人物達は大を救うために小を犠牲に出来る、いわば命を損得計算出来る人たち
ただし、その方法を受け入れられるからって納得できるわけではなくて。納得できない方法を受け入れるには時間がかかる。そういった諸々の葛藤がこれでもかと伝わってくるような一連の文章はなかなかのもの

その辛い状況をぶち壊すのが黒瑪瑙の彼である点は爽快感があるね。ヴィレムの知識とフェオドールの策略を持つ彼なら全てを出し抜いた上で作戦を完全に遂行できる
先述の通り、黒瑪瑙の彼には妖精たちも今の世界も救う義理なんて無い。けれど、そもそもが関わらなくて良いものに全力で首を突っ込んだ挙げ句、誰も納得できないまま救われてしまう。そんな方法ばかりやってきたのがヴィレムとフェオドールなわけで
自分を犠牲にすれば全てが上手く回る、なんて考えを最も嫌う彼らだからこそこの状況に関わらざるを得ないのだろうね

でも、そんな二人が苦手としたのは自分を救うこと。だから黒瑪瑙の彼も<最後の獣>の結界に囚われたら抜け出せなくなってしまった
その状況を変えたのがフェオドールの記憶であったのは印象的。互いに自分を救うことが苦手であるなら、互いを救えばいい。ヴィレムとフェオドールの魂が混ざっていることが最大限生かされたシーンであるように思えたし、新旧主人公が相見えるシーンとしても最高だった


そして衝撃的だったのはラストシーン。ここであのシーンに繋がるのか!と驚きですよ
持って数日の意識と言われていた黒瑪瑙の彼が何故今も動いているのだろう?それとも前作ラストの描写を見る限りヴィレムとしての記憶を完全に取り戻している?

ヴィレムとネフレンが帰ってきて、リィエルはクトリの欠片を回収した。物語の終盤が近づいていることを感じさせるね
また、どうにも気になるのは<最後の獣>が見せた結界の中で現れなかった彼女。彼女はどうあっても死にそうにない死にそうな勇者だったわけだけど、エルクとの戦いで再起不能になったんじゃなかったっけ?それともこのヴィレムにとってはそのような認識ではないということだろうか?

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2019年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

セニオリスの呪詛が掛かったままのヴィレムの体は、オデットの推察だとフェオドールから戻ってきた分の魂に揺り動かされる形で一時的に動いてる状態って事だったけど、それが正しいとしていつまで動くんだろう。
ラストの描写だと約5年動いてるけど、普通にまだ動けてるだけなのかそれとも何か対策を取ったのか。
何はともあれ、妖精倉庫に顔を出したヴィレム。
記憶は戻ってる?

ヴィレムと共にネフレンも帰還。
しかしネフレンは、カーマインレイクの名代として妖精倉庫に「鏃」の提供を求める辛い役目を背負っていた。
果たして何人必要なのか。

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2021年02月14日

ネタバレ 購入済み

ひとまず完結?

相変わらず通して読まないと理解できない(通して読んでもハッキリしないところがある)作品ですが前作のキャラがどうなったかも含めてある程度区切りをつけてくれたのは良かったと思います。ただ前作『すかすか』のヴィレム帰還エンドに繋がっていないのとあとがきからまだまだ続くのかなと。

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2019年11月26日

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