【感想・ネタバレ】終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#09のレビュー

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星神エルクと黄金妖精族とは…?

前巻の疑問が一部紐解かれるお話し。

ヴィレムとネフレンとが妖精倉庫を訪ねた頃、或る特殊な任務に就いていたティアット。
貴翼帝国領に於いて開戦派と停戦派との内戦状態の中、或る砦に忍び込むイグナレオを携えたティアット。
暗殺された反戦派主要人物の唯一の生き残りにして一人娘、青鷺姫ことヴェーラ・ストリエン。
「エルピスの残光」の首魁となったマルゴと共謀し、最終決戦前に必要となる2番&5番浮遊島の直近に位置する貴翼帝国の平定を画策し…。
『遺体を残さずに殺して欲しい』と言う青鷺姫ヴェーラ嬢を装っていたのは、ジオレッタという彼女の言動等から…

ティアットが思い付くのが、英雄の捏造ってのがシュールでしたね。


一方その頃、妖精倉庫で『鏃』の追加提供を要請されるも…

それに該当するのは、成体にはなれない筈だった世代。
ティアットらの功労により、成体になる調整をされ遺跡兵装を適合され、且つ軍事訓練を受けず成体となった世代、アルミタとユーディアの二人。
かつての妖精たちは十の頃には妖精兵としての自負を求められて育ったが、今の自分達にはそれも無く、今更最後の決戦へと要請されても、そんなに簡単な話でもなく…
かつて十五歳のクトリは…、同年代となった姉たちは…、憧れていた背中の追いかけ方も、もう忘れているのに…
また、二人以降の妖精たちは、寿命を縮めていた可能性のある遺跡兵装へ適合し易くなる調整から方法を改められており、そもそも聖剣に適合する者がおらず…

また、彼女ら二人に適合した聖剣プロディトルとパーチェムは、ヴィレムの地上時代とも何らか因縁があるようで…

最終決戦の為に神域に踏み込む事に意味があるのか疑問が生じる中、ラーントルクによって語られる仮説。
妖精が調整を施しても完全な成体にはなれなかった過去が十年前から変わった事実、妖精は元々は星神エルクの魂のかけら、エルクが魔物の結界内で消滅していない可能性って…


次巻、舞台はいよいよ2番浮遊島、神々の囚われの地へ。
そのときヴィレムは何処へ?

訳も判らずも、ついて行きたがる幼体のリィエル、まさか…?


ところで、
マルゴが前巻で盗難・回収したフェオドールの遺体は…?

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2023年11月17日

Posted by ブクログ

どうしようもないほど「詰んでいく」世界の物語。この終末世界の面白い点は、まだ終わってはいないが終わりゆくことが見えており、かつ終末を止める手段もわかっていない点である。

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2021年02月09日

購入済み

穏やかな日々

てぇてぇなる、穏やかな日々。
みんな大きくなって、としみじみさせて貰えたことが更にてぇてぇ。
出来たら、お話は進まなくても、ずっと浸っていたいと思ってしまった。

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2020年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

妖精兵として戦場に行くか否か。アルミタの迷い。ユーディアの決意。
207ページ、ユーディアのモノローグにある「自分とユーディア」って部分は「自分とアルミタ」の間違いだなー。

量産品以外でヴィレムが使っていたという数少ないカリヨン、「プロディトル」登場。
ヴィレムが使えるので当然格は低く、大したタレントはないらしいけど、ボロクソに言い過ぎじゃない?
頑丈さ以外に褒める所無いっぽい。

元のスペックが低いのに余分なタレントが付いて、さらに量産品と違って現場で改造もできないから駄作って事か。
さてどんな能力なのか。
イグナレオみたいに、ここぞって時に意外な活躍しそう。

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2021年03月14日

Posted by ブクログ

奮闘によって齎された穏やかな日々や最終決戦前の静けさが混ざり合う不思議な構成になっている巻
この巻は主に2つの短編を軸にして構成されているね。
猶予が生まれたことによって起きた帝国内の内紛に関するエピソードと鏃の提供を要請された妖精倉庫のざわめきを描いたエピソード


貴翼帝国が舞台となる短編はこれまでのお話で存在した静かなる絶望といったものは存在しないけれど、代わりにティアットが見聞きしてきたあれやこれやに似た存在や想いが形を変えて登場しているのは面白いね
その境遇故に死を受け入れる他なかった妖精達に似た覚悟を抱いていたジオレッタ、フェオドールのように憎しみを一身に背負ったヴェーラ、そしてそんな二人の陰謀を邪魔してやると口にしたベノウ
これらはティアットが体験してきたどうしようもない現実をなぞるようでありつつも、ティアットとフェオドール程は絶望的な境遇でないためにどうにかする余地が生じた境遇であったのは印象的
他人を救っておきながら自分を救わなかったフェオドールとそれに巻き込まれたティアットの関係性。けれど、此処で描かれたベノウとジオレッタの関係性はこの作品にはまだハッピーエンドを迎えられる余地があるのだと示唆しているようで小さな楽しみを味わえる内容だったな


そうした話が有りつつ、メインとなるのは妖精倉庫が舞台となる短編だね
8巻ラストの台詞からどれだけ絶望的な展開が描かれるかと思いきや、意外とほんわかした展開に。まさしく猶予期間と言った所か

これまでの妖精達に戦わないという選択肢はなかった。終わりかけた世界のため、幼い後輩たちのため、戦いたくないなんて思う瞬間すら許されなかった
それが今のアルミタやユーディア、更に下の妖精達の日常を形作り、穏やかな日々を生み出した
そういった意味では鏃の提供を要請されたとは言え、無理して戦闘経験のない彼女らが連いて行く必要はない。
だから、この短編においてアルミタとユーディアに訪れたのは「自分達はどうしたい?」という単純で難しい問い掛け

思わず、このような世代が登場するようになったのかと感慨深い気持ちになってしまう
戦闘に参加する必要はないし、参加は自分たちの意思で決められる。こんなのクトリ世代やティアット世代には無かったもの
これはいわば先輩たちが作り上げた新しい環境であり、その第一世代といえるアルミタとユーディアが自分の意志で世界を終わらせないための戦いに赴くことになったというのは非常に印象的な短編だった

そういや、ヴィレムは目出度く『生きていると勘違いした死体』から『動く死体』にチェンジしたわけだけど、これってもしかして別の意味で不老不死のような状態なのか?
という事は既に存在が妖精から限り無く離れてしまったネフレンの傍にずっと居てやれるということなんだろうか……

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2020年11月28日

購入済み

大きな話が終わって次ぎ

へ向かう途中な2編の言ってみれば挿話、でいいのかな?深刻さがない分、楽しく読めました。基本的に救いのない話だと思うので・・・最後の獣ってのがあんまり悲劇にならないといいなあ。

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2020年11月01日

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