和田誠のレビュー一覧
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図録『和田誠展』によると、装丁を手がけた単行本・新書・文庫は2000点以上になるらしい。
本書『装丁物語』は全18章、装丁に対する自分の考えを語っている。校正刷りを読み、作品の内容と著者を考えながら、アイデアを練る、絵を描き、文字を配し、用紙を選び、レイアウトと配色を考える。その具体的プロセス、その試行錯誤の過程を話している。とくに印象深かったのは、文字に対するこだわりの強さ。
丸谷才一、村上春樹、谷川俊太郎、つかこうへいには個別の章が設けられ、彼らとその装丁に対する思い入れが書かれている。丸谷は毎回(建設的な)リクエストをしてきたし、つかは劇場用のポスターを作って以来のつきあいだった。
挿ま -
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試し読み
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グラフィックデザイナー、イラストレーター。数多くの本の装丁を手がけた第一任者が語る装丁のディープな世界。
本選びには直感が大事。とはいえジャケ買いするからには装丁のチカラも大きいことだろう。
本書は読書好きなら誰でも見たことのある独特のイラスト、和田誠が装丁の世界を語る楽しい一冊。何気ないカバーや帯にも装丁家の意思が潜んでいる。
筆者は今では当たり前だが裏表紙のパーコードに強く反対。本は表、裏から帯も含めて一つの世界。
文庫本より単行本の方がより装丁は楽しめるようだ。
ついつい中身にばかり目を取られがちだが装丁について関心を持つと、また本の世界が広がる。 -
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ネタバレ和田さんの語り口は謙虚で穏やか。そして責任を持って仕事をしてきたという誇りが随所に見てとれる。
その仕事ぶりは作家や編集者、イラストレーター、写真家の、自身ではない人の仕事を最大限に尊重する姿勢によって貫かれている。《ミドルマン》のお手本のような和田さんの、その語り口がガラッと変わるのは最後の章。書籍の流通のため半ば強制的に表4(カバー裏面)に印刷されることとなった二段組のバーコードについて。
デザインを学ぶ学生だった当時、その決定のプロセスに対して、またその美的感覚を無視した横暴に対して異を唱える人たちがいたことは、確かに記憶にある。しかし恥ずかしながら、和田さんがこんなに怒っていたことを、 -
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試し読み
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平野レミさん一家が中学生と小学生の息子たちの夏休みに合わせて25日間のヨーロッパの自動車旅行に行った日記。
平野レミというキャラクターが想像できるから、あの声で、あのテンションで、こんな旅をしたのだなぁ~と思いながら読みました。
所々に息子のひとことや学校の宿題の1行日記、和田さんのコラムが入っていて、それぞれの感性が光っていて、それも面白いです。
挿し絵は夫の和田誠さんなので、なんと豪華な共著なのでしょう。
イラストやスケッチや絵の具を使ったものまで、いろんな手法で描かれています。
こんなに自由でいきあたりばったりであちこち寄りしながらの旅がしてみたい。
そして、食べた料理についてもとても詳 -
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和田家のファンにとっては非常に豪華な一冊。
家族で約1カ月弱ヨーロッパを旅行するのですが、レミさんの日記に和田誠さんが絵と時々コラムを寄せており、さらにまだ小中学生だった息子たち、つまり唱さんと率さんの絵と作文も見られる!
そのどれもが上手なこと!
旅の内容はというと、ほとんど行き当たりばったりなのですが、勘を頼りに(?)その日の食事をとる店を決めたり、宿を決めたり、観光したり…。
大人がこどもに合わせすぎることなく、でも意向はきいて叶えるというように全員が楽しんでいる様子が伝わってきました。
レミさんならではの視点で、お料理の描写がどれもこれも美味しそうだった。