田中康弘のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    山で起こった不思議な出来事を集めた実話集。

    フィクションのホラーと異なり、悲鳴をあげたくなるほどの怖さはないですが、オチもなく、「あれは何だったんだろう?」と後味の残る話はどれも興味をそそられます。

    一話一話の文章も短く、短編集のように隙間時間にサクサク読めます。

    筆者が自らの足で現地に赴き人々に話を聞いて、地道に集めた話でもあります。話の裏に、山で生きる人々の生活を垣間見えることもできます。

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    2025年10月29日
  • ヤマケイ文庫 完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

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     北は礼文島のトド猟から、南は西表島のカマイ(リュウキュウイノシシ)猟まで、日本全国の狩猟人たちは狩った獲物をどのように食してきたのか。

     へぇ~西表島にイノシシがいるのか、知らんかった。
     日本全国、北から南へ。
     地域と獲物によって狩猟の仕方が全然違う。

     西表島だたとボートで川を移動してジャングルの奥に向かう。
     礼文島のトド猟は小型船から銃でトドを狙う。
    (鳥獣保護法でクルマから撃つのは禁止されているが、船はどうなんだろうと調べてみたら5ノット以上の航行中のモーターボートから撃つのはダメなのね)

     そしてやたら全国どこでも生肉を食べたがる。
     イノシシに、鹿にと解体したその場で「

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    2025年10月11日
  • ヤマケイ文庫 完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

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    阿仁マタギとの長い付き合いをベースに、狩猟と自然をテーマに写真を撮り、文章を綴る筆者による「日本人と食肉文化」について書かれた本です。熊、猪、鹿、狸、ハクビシン、穴熊、鴨、トド…。バラエティ豊かです。




    僕は筆者である田中康弘氏の『マタギ 矛盾なき労働と食文化』(エイ出版社)を読んで以来、ずっと追い続けてきたものですが、本書で田中氏が掲げたテーマは「日本人と食肉文化」であり、北は北海道の礼文島から南は西表島に至るまで全国各地を回って写真を撮りながらそれぞれの地域に根付いた食文化と人々を描いたルポルタージュです。

    僕も筆者が主張されるように
    「日本は元々仏教国で、肉食文化が無かったかのよ

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    2025年04月16日
  • ヤマケイ文庫 完本 マタギ 矛盾なき労働と食文化

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    本書は秋田・阿仁地区に住む現役マタギたちの猟や生活風景を撮影したカメラマンの16年の記録を写真と文章でつづったフォトエッセイです。時代が変化し、消えつつある彼らの存在を収めた貴重な記録です。




    これは、本書の姉妹編とも呼べる田中康弘氏の「女猟師」(エイ出版社)を読んで、こっちもできれば読んでみたいなぁと思い、手にとって読んでみようと思いました。内容は秋田・阿仁地区に住む現役マタギたちの猟や生活風景を撮影したカメラマンの16年の記録であり、あらゆる意味でも貴重な記録であると思います。

    彼らのアイデンティティーともいる、山と調和した生活、その厳しさと熊やウサギ、川魚に山菜やきのこなどの豊穣

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    2024年11月26日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    「現代版遠野物語」という前評判というか事前情報がすごく的を射てる。
    昔話とか不思議な話、実話怪談のような不条理な雰囲気の話が好きな私には大満足でした。

    山で生活する人々の間で語り継がれたり、ちょっと噂になったりした「不思議な話」をまとめている本。
    怪談本というにはあっさりテイストで、淡々とした語り口。心霊現象というよりは狐狸妖怪(特に狐や狸)の仕業じゃないかという噂、のような内容。「遠野物語」のイメージが掴めなくて、怪談本のような怖い話を期待して読むと期待外れかもしれない。
    評価は完全に主観・好みで星5

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    2024年04月13日
  • ヤマケイ文庫 山怪参 山人が語る不思議な話

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    このシリーズ、これで読むのは3作目かな?
    今回も良かったです。いかにも怪談!怖いでしょ?、というような話はなく、生活している中でふと出会ってしまった怪異、怪異とも言えないような不思議な話が満載で、楽しんで読めました。
    山で行方がわからなくなってしまう話は、本当に不思議ですね。何なんだろう?大人数で捜索しても見つからないのに、ある時フッと発見される。「そこ何回も捜したのに!」って。けっこう掲載されてるので、本当にあるんですね、そんなこと。山や自然を侮ってはいけないと思いました。私は臆病なので侮ったことないけど…

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    2023年01月29日
  • 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    2巻目だが、1巻と同じくらい、怖かった。
    幽霊?と妖怪?と狐?狸?とUFO?
    いろんなものが出てくる。
    なぜこんなに怖いのか…霊感は全くないのだが、育った地域が山の中だから、と思う。
    2巻では自分の故郷の逸話も出てきて、さらに怖さが増した。
    読むのは2度目だが、最初の時と同じくらい新鮮に読めた。

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    2022年08月29日
  • ヤマケイ文庫 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    読後感は爽やかw 山人の皆さんから聞いた話を、大げさに盛ることなく(たぶん。そう信じてるw)ありのままの摩訶不思議な話を、私たちに伝えてくれる感じが好き。
    でも、神隠しと呼ばれる、人が忽然と居なくなってしまう話は不思議だなあ。生還した人は「誰かに呼ばれた」と言うけれど、たとえば現代の山で起きる行方不明事件もそういったことなんだろうかと考えてしまう。
    私みたいに霊感もなければ繊細な神経も持たない、何もない人間が山へ入っても、そういったことに遭遇することはあるんだろうか?
    多分ぜったい遭わない自信はあるけど、わざわざ試す気にはなれナイ…

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    2022年07月31日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    山に暮らす現代の人たちの不思議な体験談を聴き集めた物語集だ。帯にある通りまさに現代版遠野物語。起きた不思議をそのまま語る。理屈をつけたり、下手に怖がらせようとしないから話の真実味が増している。さらに訛りが入ってて盛り上がる。
    猟師や木こりが山で出会うもの、山男を惑わすもの、土地の老人が教えてくれること、山の学校で起きること。
    こういう話はいいよねえ。夕飯の後に、田舎の爺ちゃん婆ちゃんやおじさんたちの話を聞くようだ。死霊とか悪魔とかそんな野暮な相手ではない。相手は山の神、狐、狸、蛇…狐火、小豆研ぎ、ベトベトさん…。そして何より何が起きたかわからないような体験談。ほとんどが21世紀の話なのだ。

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    2022年06月30日
  • ニッポンの肉食 ──マタギから食肉処理施設まで

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    現代の肉食について。
    狩猟の実際の現場を見てきた著者ならではの興味深い話。

    シカの刺身は美味しくて、毎年猟期のはじめに、シカの刺身にあたってのたうち回る猟師が大勢いるとか、ウサギをフンごと鍋に入れる集落もあれば、フンを入れない集落もあるとか、タヌキの肉は臭いけど、アナグマやハクビシンの肉は臭くないとか、1990年代頃にまだイヌを食べいてた集落があったとか、本州ではイノシシの皮を刃物で剥がし捨ててしまうが、九州と沖縄ではバーナーで毛を焼いてこそぎ落とすのが普通、とか、面白い。


    その方面の専門書には及ばないが、畜産肉に関しても書かれている。食肉処理施設の様子と肉屋さんの仕事。

    肉屋さんの哲

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    2022年04月09日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    怖すぎず、でも不思議…ひとつのエピソードもちょうどいい長さです。こういう話を聞いた…と淡々と記してるのが、逆に本当にあったんだろうなと信用できる気がします。2巻、3巻もあるようなのでぜひ訓みたいです。

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    2022年04月01日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    山の中で不思議体験をした方々のお話をまとめた本。怖いというよりも、奇妙なお話が多い。読んでいると、本当にそんなことがあったような気がしてくる。山の奥では今でも狸や狐が人間を化かしているのかもしれない。迷惑だな、ちょっと怖いなと思う一方で、昔話の向こう側の、神様や妖怪の世界と繋がっているような、民俗の絆のような物を自分の中に感じた。

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    2022年03月12日
  • 山怪 参 山人が語る不思議な話

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    山にまつわる怪異譚の3集目。
    1・2集目と同様に東北地方(特に北東北)での聞き書きをメインに構成している。全国各地の不思議な話を東北の話と対比することで、共通性や違いが浮かび上がってくる。
    明らかに怪談っぽく恐ろしい話もあれば、ただ不思議に思った話、面白おかしい話もある。山での失せ物探しの方法には大笑いしたけど、本当なのだろうか?(笑)
    個人的に、紀伊山地の話が興味深かった。

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    2022年01月13日
  • 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    マタギ、林業関係者、山間部にある集落の住民から語られる不思議な音や声の話、人魂の話、神隠し、狐や狸といった動物にまつわる話などなど。
    現在形の聞き語りからは、山には人智を超えた存在があるのだと感じさせる説得力があった。
    山小屋の話はどれもゾーッとする……。

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    2022年01月12日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    山での怪異を集めた聞き書き。
    マタギや猟師、狩猟に関する著作が多い田中さんらしく、マタギから聞いた話が多いです。
    山で起こる、説明できない不思議なできごとの数々。それを語る山に住む人々。
    暮らしに思いを馳せるもよし、純粋に怪異譚を楽しむもよし。
    登場する人たちの見解が出てくるのも面白くて、「疲れてるから」とか「昔から聞いてるからそう思うだけ」とか。こういう言葉が入ると、語る人に途端に親しみを覚えます。ふつうの、隣近所にいるような人が主人公なんだな、と。
    そういう人たちを探し歩いた田中さんの苦労にも感嘆する一冊でした。

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    2021年12月31日
  • 山怪 四 狐火になった男

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    これで4冊目ですが、やはり面白いです。飽きません。
    墨絵も、漫画というか挿絵というか、内容とマッチしていて見事です。
    もっと読みたいです。

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    2021年11月05日
  • ヤマケイ文庫 完本 マタギ 矛盾なき労働と食文化

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    田中康弘『完本 マタギ 矛盾なき労働と食文化』ヤマケイ文庫。

    『マタギ 矛盾なき労働と食文化』と『マタギとは山の恵みをいただく者なり』を合本、文庫化した贅沢な作品。著者の田中康弘は15年以上にわたり、秋田県北秋田市阿仁地区のマタギたちの猟や生活風景を取材し、記録している。

    日本の山里の元風景を残す阿仁地区。人間の知恵を駆使し、常に自然に畏怖、感謝を忘れずに自然の恵を受けながら暮らすマタギたちが羨ましい。秋田にはまだまだ自然が残っているのだ。

    福島県や岩手県も、熊やウサギ、岩魚に山菜、キノコ。昔はそこそこ簡単に手に入ったのだが、近年は環境破壊や福島第一原発事故による放射能汚染などで、滅多に

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    2021年04月30日
  • ヤマケイ文庫 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    民俗学という見方ではなく、あくまで地元の方から聞いた話が淡々とつづられている。そういうものなんだろうなと、自然とスッと話が胸に入ってくる。最近では「都市伝説」なんて形で都会版不思議な話が語られることがあるけれど、これからもずっと本著のような「山の不思議」が語り継がれるといいなと思う。

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    2021年02月11日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    民俗学という見方ではなく、あくまで地元の方から聞いた話が淡々とつづられている。そういうものなんだろうなと、自然とスッと話が胸に入ってくる。最近では「都市伝説」なんて形で都会版不思議な話が語られることがあるけれど、これからもずっと本著のような「山の不思議」が語り継がれるといいなと思う。

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    2021年02月11日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。

    山や里山で暮らし、山を仕事場にするマタギや猟師などの山人が語る摩訶不思議な体験を集めたノンフィクション。既に続巻が刊行されているが、本作は第1弾の文庫化である。文庫化にあたり、書き下ろしの『山怪後日談』を収録。

    こうした山や里山で起きる不可思議は先人たちの戒めだったり、自然への畏怖によるものかと思われる。また、所謂田舎ではこうした不可思議が口伝により伝達されるうちにデフォルメされて、物語が形成されるのだと思う。しかし、山や里山には全く理由が解らない不可思議が存在することは事実なのである。

    田舎に行くと、①近所の家でしこたま酒を飲んだお

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    2019年07月16日