田中康弘のレビュー一覧
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北は礼文島のトド猟から、南は西表島のカマイ(リュウキュウイノシシ)猟まで、日本全国の狩猟人たちは狩った獲物をどのように食してきたのか。
へぇ~西表島にイノシシがいるのか、知らんかった。
日本全国、北から南へ。
地域と獲物によって狩猟の仕方が全然違う。
西表島だたとボートで川を移動してジャングルの奥に向かう。
礼文島のトド猟は小型船から銃でトドを狙う。
(鳥獣保護法でクルマから撃つのは禁止されているが、船はどうなんだろうと調べてみたら5ノット以上の航行中のモーターボートから撃つのはダメなのね)
そしてやたら全国どこでも生肉を食べたがる。
イノシシに、鹿にと解体したその場で「 -
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阿仁マタギとの長い付き合いをベースに、狩猟と自然をテーマに写真を撮り、文章を綴る筆者による「日本人と食肉文化」について書かれた本です。熊、猪、鹿、狸、ハクビシン、穴熊、鴨、トド…。バラエティ豊かです。
僕は筆者である田中康弘氏の『マタギ 矛盾なき労働と食文化』(エイ出版社)を読んで以来、ずっと追い続けてきたものですが、本書で田中氏が掲げたテーマは「日本人と食肉文化」であり、北は北海道の礼文島から南は西表島に至るまで全国各地を回って写真を撮りながらそれぞれの地域に根付いた食文化と人々を描いたルポルタージュです。
僕も筆者が主張されるように
「日本は元々仏教国で、肉食文化が無かったかのよ -
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本書は秋田・阿仁地区に住む現役マタギたちの猟や生活風景を撮影したカメラマンの16年の記録を写真と文章でつづったフォトエッセイです。時代が変化し、消えつつある彼らの存在を収めた貴重な記録です。
これは、本書の姉妹編とも呼べる田中康弘氏の「女猟師」(エイ出版社)を読んで、こっちもできれば読んでみたいなぁと思い、手にとって読んでみようと思いました。内容は秋田・阿仁地区に住む現役マタギたちの猟や生活風景を撮影したカメラマンの16年の記録であり、あらゆる意味でも貴重な記録であると思います。
彼らのアイデンティティーともいる、山と調和した生活、その厳しさと熊やウサギ、川魚に山菜やきのこなどの豊穣 -
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山に暮らす現代の人たちの不思議な体験談を聴き集めた物語集だ。帯にある通りまさに現代版遠野物語。起きた不思議をそのまま語る。理屈をつけたり、下手に怖がらせようとしないから話の真実味が増している。さらに訛りが入ってて盛り上がる。
猟師や木こりが山で出会うもの、山男を惑わすもの、土地の老人が教えてくれること、山の学校で起きること。
こういう話はいいよねえ。夕飯の後に、田舎の爺ちゃん婆ちゃんやおじさんたちの話を聞くようだ。死霊とか悪魔とかそんな野暮な相手ではない。相手は山の神、狐、狸、蛇…狐火、小豆研ぎ、ベトベトさん…。そして何より何が起きたかわからないような体験談。ほとんどが21世紀の話なのだ。 -
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現代の肉食について。
狩猟の実際の現場を見てきた著者ならではの興味深い話。
シカの刺身は美味しくて、毎年猟期のはじめに、シカの刺身にあたってのたうち回る猟師が大勢いるとか、ウサギをフンごと鍋に入れる集落もあれば、フンを入れない集落もあるとか、タヌキの肉は臭いけど、アナグマやハクビシンの肉は臭くないとか、1990年代頃にまだイヌを食べいてた集落があったとか、本州ではイノシシの皮を刃物で剥がし捨ててしまうが、九州と沖縄ではバーナーで毛を焼いてこそぎ落とすのが普通、とか、面白い。
その方面の専門書には及ばないが、畜産肉に関しても書かれている。食肉処理施設の様子と肉屋さんの仕事。
肉屋さんの哲 -
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これで4冊目ですが、やはり面白いです。飽きません。
墨絵も、漫画というか挿絵というか、内容とマッチしていて見事です。
もっと読みたいです。 -
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田中康弘『完本 マタギ 矛盾なき労働と食文化』ヤマケイ文庫。
『マタギ 矛盾なき労働と食文化』と『マタギとは山の恵みをいただく者なり』を合本、文庫化した贅沢な作品。著者の田中康弘は15年以上にわたり、秋田県北秋田市阿仁地区のマタギたちの猟や生活風景を取材し、記録している。
日本の山里の元風景を残す阿仁地区。人間の知恵を駆使し、常に自然に畏怖、感謝を忘れずに自然の恵を受けながら暮らすマタギたちが羨ましい。秋田にはまだまだ自然が残っているのだ。
福島県や岩手県も、熊やウサギ、岩魚に山菜、キノコ。昔はそこそこ簡単に手に入ったのだが、近年は環境破壊や福島第一原発事故による放射能汚染などで、滅多に -
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田中康弘『山怪 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。
山や里山で暮らし、山を仕事場にするマタギや猟師などの山人が語る摩訶不思議な体験を集めたノンフィクション。既に続巻が刊行されているが、本作は第1弾の文庫化である。文庫化にあたり、書き下ろしの『山怪後日談』を収録。
こうした山や里山で起きる不可思議は先人たちの戒めだったり、自然への畏怖によるものかと思われる。また、所謂田舎ではこうした不可思議が口伝により伝達されるうちにデフォルメされて、物語が形成されるのだと思う。しかし、山や里山には全く理由が解らない不可思議が存在することは事実なのである。
田舎に行くと、①近所の家でしこたま酒を飲んだお