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日本の山には「何か」がいる。
シリーズ累計20万部突破!!山の怪談ブームの火付け役。
山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験。
NHKドキュメンタリーで映像化、漫画化、
海外で翻訳化もされたベストセラーがついに文庫化!
秋田・阿仁のマタギたちや、
各地の猟師、
山で働き暮らす人びとから実話として聞いた、
山の奇妙で怖ろしい体験談。
現代版遠野物語。
文庫化にあたり特別版付記「山怪後日談」を収録。
(内容)
山怪の舞台(地図)
はじめに
I 阿仁マタギの山
狐火があふれる地/なぜか全裸で/楽しい夜店/
生臭いものが好き/狐の復讐/見える人と見えない人/
狸は音だけで満足する/消えた青い池/
人魂、狐火、勝新太郎/親友の気配/辿り着かない道/
蛇と山の不思議な関係/汚れた御札/マタギの臨死体験/
叫ぶ者/白銀の怪物
II 異界への扉
狐と神隠し/不死身の白鹿/来たのは誰だ/もう一人いる/
道の向こうに/響き渡る絶叫/僕はここにいる/
謎の山盛りご飯/山塊に蠢くもの/旧朝日村/
出羽三山/鷹匠の体験/奈良県山中・吉野町/
ツチノコは跳びはねる/足の無い人/巨大すぎる狐火/
山から出られない/行者の忠告
III タマシイとの邂逅
帰らない人/死者の微笑み/迎えに来る者/ナビの策略/
椎葉村にて/テントの周りには/幻の白い山/
なぜか左右が逆になる/不気味な訪問者/天川村の事件/
帰ってくる人/固まる爺婆/お寺とタマシイ/飛ぶ女/
帰ってくる大蛇/呼ぶ人、来る人/狐憑き/真夜中の石臼/
狐火になった男
おわりに
文庫特別版付記「山怪後日談」収録
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
山に暮らす現代の人たちの不思議な体験談を聴き集めた物語集だ。帯にある通りまさに現代版遠野物語。起きた不思議をそのまま語る。理屈をつけたり、下手に怖がらせようとしないから話の真実味が増している。さらに訛りが入ってて盛り上がる。
猟師や木こりが山で出会うもの、山男を惑わすもの、土地の老人が教えてくれること、山の学校で起きること。
こういう話はいいよねえ。夕飯の後に、田舎の爺ちゃん婆ちゃんやおじさんたちの話を聞くようだ。死霊とか悪魔とかそんな野暮な相手ではない。相手は山の神、狐、狸、蛇…狐火、小豆研ぎ、ベトベトさん…。そして何より何が起きたかわからないような体験談。ほとんどが21世紀の話なのだ。
★★きったん★★
山にまつわる様々な怪異をまとめた本。「遠野物語」の現代版みたいな感じ。昔から語り伝えられ
てきた民話や伝説に近い話もあるが、科学技術の発達した現代でも説明がつかない話もいろいろ出
てくる。やはり山には何かがいる、というのは本当かもしれない。都市部に住んでいると、なかな
か実感がわかないが、実際には日本の国土の7割以上が山地で、殆ど人が住んでいないエリアも多
い。文明の恩恵に胡坐をかき、キツネや火の玉をバカにしていると、とんでもない災厄に見舞われ
そう。自然をおそれ、敬う気持ちを持ち続けたい。
Posted by ブクログ
山の話は面白い。古来から、山は日本人の日常でありながら、その厳しさゆえに人を非日常へと簡単に誘うものであった。本書で紹介されるのは、山にまつわる民話の原石となる「怪しい」話である。
山が開かれ、娯楽が充実した現代では、代々口伝で伝わってきた山の話は絶滅寸前だ。民話にならなかった話の数々をテキストに起こした筆者の功績は非常に大きいだろう。
山でよくある話は「狐に化かされる」というものだ。山に慣れた人が集落の近くの何でもないような道で左右を間違え、遭難する。そういった時に、人は「狐に化かされた」と言う。
もちろん、実際にそんなことはないだろう。低山での遭難記録をいくつか読めば、遭難は何でもないようなところで道を一つ間違えるだけで起こることがよく分かる。山は一つ道を間違えるだけで全く違うところに出てしまう世界なのだ。
航空の世界では空間識失調(ヴァーティゴ)というものがある。雲の中などに長くいることや疲れが原因となり、航空機のパイロットが平衡感覚が喪失するものである。しばしば航空機事故の原因ともなる。ヴァーティゴは、パイロットの経験の長さに関係なく起こる。人間の性質上、仕方のないことなのだ。慣れた山道での遭難メカニズムというのは、おおむねヴァーティゴに近いものだろう。
ヴァーティゴでは計器を信じることで墜落を回避できる場合があるが、コンパスや地形図のない時代の山ではそういうわけにはいかない。ゆえに、経験の長いマタギですら迷うこともある。そこで「狐に化かされた」というのは、経験の量を問わず遭難が誰にでも起こりうるゆえに、捜索の労力を当人の責に帰さないための方便である、という解釈がなされる。生活の知恵である。
そんなわけで、大抵の「怪しい」話は論理的に説明できてしまう。しかし、それでも説明できないことが残る。だから面白いのだ。
たとえば幻覚。遭難記録を読むと、遭難者は極度のストレスからよく幻覚を見ることが知られている。私は遭難したことはなくとも、極度のストレスで幻覚を見たことがあるので「人間はけっこう簡単に幻覚を見る位に追い込まれる」という認識がある。
ところが幻覚を見たことがない人間からしたらそれは想像できない。というより、幻覚を見慣れなければ「それが幻覚である」ことには気付けない。ゆえに、山で人は様々なストレスから幻覚を見るが、それが幻覚であることに気付かない。
大抵の「見た」話は幻覚で片付けられる。だが、複数の人間が同じものを見た話はどうだろう。幻覚は似通うのか? それとも本当に何かあるのか?
「説明できるもの」を省いていった先にある「わからないもの」に惹かれるタイプのオカルト好きには是非とも勧めたい一冊である。
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