田中康弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「見えない」体質でよかった!
この本を読んでいて面白いな、と思ったのは、山で仕事をする人たちがまず、開口一番に「なにも変なものは見たことない」し「怖いことにも遭ったことはない」というが、同僚や知り合いが狐に化かされたり、本人が「不思議なことはあった」と言ったりしていること。要は、自分がそういう目に遭っても「あまり気にしていない」風なのだ。その理由を、著者はあとがきで推測している。
開発が進んだとはいえ、日本の山にはまだまだ人を寄せ付けない「ナニモノカ」が棲んでいるのに違いない。人は自然の一部に間借りして生きている。そのことをこの本は教えてくれているように思う。願わくば、いつまでも日本の山々が「ナニモノカ」の息づく場所であってほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
普通にリアルで怖い山の話。
これ読んでたらあおり運転とか、ホントに取り憑かれてしまったんじゃないか?あんなのおかしいもんな。と、思わざる得ないくらい、取り憑かれておかしくなる人が未だに多数いるらしい。
生きて帰れるひとも、帰らぬひととなるひとも。どうにも説明がつかない状況っていうのがホントに存在するらしい。
特に舞台は山。
山そのものも生命を持ってしまっているのか、自然の力にはそもそも抗えないのか、不思議としか言いようのない山に飲み込まれる人たち。そんな話が盛りだくさんの一冊。
マタギと呼ばれる人たちの話がほとんどなんだけど、この人たちの山の生活もまたすごい。すごい。ヤマの申し子だ。ホント。山とともに生きる。まさにという感じ。装備もほとんどなく、自然と一体化して何日も山に潜る。すごい。すごすぎる。山エキスパート。すごい。
尊敬です。 -
Posted by ブクログ
山歩きに行ってテン泊なんかすると、周囲は本当に漆黒の闇に閉ざされる。夜中にふと目が覚めて、目の前で手を振ったりしても全く何も見えないほど。
表では時々、ひたひた、かさかさ、などと訳の分からない音がしたり(テントだと増幅されて聞こえるらしい)、外に出るとキラリン☆と何かの目が光っていたりする。
人里離れた場所は、怪異な雰囲気に満ちている。
最近でもそんな調子だもの、昔はもっと、いろんなものがいたり見えたりしただろうなあ、と思わさる。
著者(以前読んだマタギの本を書いた人でもある)が、秋田の阿仁マタギほか全国各地の山人たちから、「山で出遭った怪」について聞き書きした本である。
狐に化かされた話、人魂の話、山小屋にやって来る足音の話などがたくさん出て、寝る前にベッドで読んでいると背筋がゾワゾワくる話が満載なのだが、一番怖かったのは「道の傍らになにか人間でないものがうずくまっていた。その顔を見て腰を抜かし、ほうほうの体で逃げ帰ったあと、3日高熱で寝込んだ。一体どんな顔を見たんだろうか」というような描写が出てくる時である。
とにかく、なんだかよく分からないものが一番おっかない。 -
Posted by ブクログ
ちくまプライマリー新書289~日本は半世紀で肉の消費量が十倍になった。縄文時代から落とし穴猟は行われ、シカなどの動物を追い込んで捕っていた。肉食禁止令はそれだけ肉食が行われていたことの証である。仏教の戒律に背いて殺生をする理由は①肉を得るため②皮や毛を利用するため③田畑を守るため。そして屠殺・屠畜という営みは欠かせない。関東ではウマが、西ではウシが活躍。それらを肉とするほか、ブタ・ニワトリ・ヒツジ・ヤギも。狩猟肉としてはクマ・シカ・イノシシ・ウサギ・タヌキ・アナグマ・(ムジナ?)・クジラ・海獣類。中間に位置するのがイヌ・ネコ。1990年代まで東北でイヌ食いの記録があり、ネコは2000年あたりのネコ捕り婆が最後。ウシ・ブタは大型獣として処理され、ニワトリは別ルートの小動物専門の施設で肉となる。狩猟の現場では大変。早く内臓を抜かないと臭くなるが、運び出す人手が足りない。年寄りだけになって、捨てられる。罠猟でも檻の中で動き回る獣を殺さないと運び出せず、泥と血で汚れる~肉食が広がるとアメリカの飼料農家が儲かる仕組み! タヌキが美味いか不味いかは食べた固体の状態に因るものだった。ジビエって簡単じゃないなぁ