田中康弘のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

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    田中康弘『完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』ヤマケイ文庫。

    日本列島を南から北に移動し、各地の狩猟現場を巡りながら、実際に狩猟で得た肉を食べながら、日本人が何を食べてきたかを明らかにするノンフィクション。

    肉でも野菜でも米でも、何かを食べるということは命を頂くという行為だ。それを念頭に、それぞれの土地に根付いて来た特色のある食肉文化は将来に残すべき大切なものであろう。

    元々、マタギ文化に興味を持っていたので、なかなか面白い内容だった。

    沖縄県西表島島に生息するカマイと呼ばれるリュウキュウイノシシ。本州のイノシシと比べると小型のようだ。イノシシが生息する北限が秋田県の栗駒山系

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    2023年06月04日
  • 山怪朱 山人が語る不思議な話

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    シリーズ第4弾。
    あからさまな幽霊譚はほとんどなくなり、狐狸に化かされる類やほんのりと不思議感が漂うエピソード等が大部分という印象。
    スーツ姿の男や普段着の女性、あるいは年端もいかない子供といった、闇に包まれた山奥に到底いるはずがない存在を見てしまうという体験談は、似たような話を幾度読んでも、やはり怖い。
    通い慣れた山中でなぜか迷ってしまう、という怪異も然り。
    個人的には、こういった話は読むだけにして、決して経験はしたくないものだ…と強く思う。

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    2023年05月13日
  • 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    ネタバレ

    狐や狸、目に見えない何かなど様々な話がありましたが、火の玉についてが特に印象に残りました。

    本作にも書かれている通り、科学的に火の玉は獣の死骸もしくは遺体から発生したリンが発生したものだとされています。
    語り部として登場された方々もただの自然現象だと捉えている方もいらっしゃいました。
    しかし読み進めるうちに、『山』という空間では
    人知の及ばない不可思議なことも起こり得るのではないか、そう思えてしまうようなお話ばかりでした。

    山に入ることを日常とされている方々にしか分からない感覚や経験のお話もあり、とても興味深かったです。

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    2021年10月12日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    ネタバレ

    怖い話は苦手だけど、こういう山であった不思議な話系はわくわくした思いすら抱いて読めてしまう不思議。疲労や恐怖心が生み出すものか、動物によるものか、科学で説明できるものか、とかなんだかそれがなんだかよくわからないけど起こる不思議なことってあると思うんですよ。やっぱり山も深くなればなるほど、そこは人間の領域(生活圏)じゃなくなるから、私たちの物差しで測れない出来事も起こるのかなって。今では登山道も整備されて領域が広がってるし、人も山に頼って生きることが少なくなったから、こういう話も生まれにくくなるだろうけど。

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    2021年06月26日
  • ヤマケイ文庫 山怪参 山人が語る不思議な話

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    田中康弘『山怪 参 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。

    シリーズ第3弾。今回も山と山里で暮らす人びとから収集した話が多数描かれる。火の玉に狐火、幽霊、ツチノコ、座敷わらしに大蛇、人を化かす狸や狐、神隠し、祟り、虫の知らせなどなど、山と山里には不可思議が存在する。

    作中にも書かれていたが、確かに田舎の家は外と変わらずオープンで家の中をオニヤンマが通り抜けたり、視線を感じてふと目をやればニホンカモシカが裏山に佇んでいたりと、家の中と山との境界線が無いように思う。

    不可思議と言えば。昔、隣とはかなり離れた田舎の祖母の家を尋ねた時に納屋の2階で遊んでいたら、裏山にもんぺ姿の女性が佇んでいるのを

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    2021年06月24日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    山の話は面白い。古来から、山は日本人の日常でありながら、その厳しさゆえに人を非日常へと簡単に誘うものであった。本書で紹介されるのは、山にまつわる民話の原石となる「怪しい」話である。

    山が開かれ、娯楽が充実した現代では、代々口伝で伝わってきた山の話は絶滅寸前だ。民話にならなかった話の数々をテキストに起こした筆者の功績は非常に大きいだろう。

    山でよくある話は「狐に化かされる」というものだ。山に慣れた人が集落の近くの何でもないような道で左右を間違え、遭難する。そういった時に、人は「狐に化かされた」と言う。

    もちろん、実際にそんなことはないだろう。低山での遭難記録をいくつか読めば、遭難は何でもな

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    2021年04月17日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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     山の怖い話というより、タイトルの通り山の怪しいお話し。
     昔聞いた民話のような、遠野物語のような、そんな不思議なお話がいくつも書かれている。語り手や場所によって差はあれど、似たような出来事も多く、1話1話も短いため、間を置いて読み返すと「もしかして前に読んだ?」「もしかしてまだ読んでいない?」が繰り返され、何度も読む内に楽しくなってくる。
     また、知っている山の話があるとそれだけで楽しい。

     全国というわけではなく、ある特定の地域方から聞いた話が多いが、後書きを読むと納得する。
    「この本で探し求めていたのは、決して怖い話や体験の類いではない。言い伝えや昔話、そして民話でもない。はっきりとは

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    2020年09月19日
  • 山怪 壱 阿仁マタギの山

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    マタギの語る話集です。
    山には昔から色々なものが棲んでいますが、それを民話形式で集めたものになっています。
    漫画は墨絵で描かれており、雰囲気があります。
    特にオチのない不思議な話が多いので、「マンガ」として読むと少し物足りないかもしれません。
    「現代民話」として読むと、興味深く読めます。

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    2020年09月13日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

    購入済み

    ★★きったん★★

    山にまつわる様々な怪異をまとめた本。「遠野物語」の現代版みたいな感じ。昔から語り伝えられ
    てきた民話や伝説に近い話もあるが、科学技術の発達した現代でも説明がつかない話もいろいろ出
    てくる。やはり山には何かがいる、というのは本当かもしれない。都市部に住んでいると、なかな
    か実感がわかないが、実際には日本の国土の7割以上が山地で、殆ど人が住んでいないエリアも多
    い。文明の恩恵に胡坐をかき、キツネや火の玉をバカにしていると、とんでもない災厄に見舞われ
    そう。自然をおそれ、敬う気持ちを持ち続けたい。

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    2020年08月26日
  • ヤマケイ文庫 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    田中康弘『山怪 弐 山人が語る不思議な話』ヤマケイ文庫。

    今月のヤマケイ文庫は、山の不思議を集めた作品が3冊も同時刊行と何とも贅沢。

    『山怪』の第2弾。今回も数ページの山と山里の怪異掌編が多数収録されている。事件の現場となった山に見る幽霊、火の玉に狐火に、山中で聞こえる謎の声、狸や狐に化かされた人、大蛇に座敷わらしにヒバゴン。山と山里は怪異や不思議の宝庫なのだ。

    似たような話が多数並ぶ。多くの怪異は田舎の噂話が人から人へと伝聞されて、地理的範囲も次第に拡がっているのではなかろうか。例えば本作に収録されている『ミミズ素麺』。岩手県南でも似たような話を聞いたことがある。ある日、山里の集落で

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    2020年07月12日
  • 山怪 弐 山人が語る不思議な話

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    ネタバレ

    「犬を入れた訳」というタイトルがなんかすごく良かった。

    地味に怖い山の話がつらつらと並ぶ。もちろん謎が解けるわけではなく、ただただ色々な人が体験した色々な不思議な話が並ぶだけ。

    内容としては良かったのだが、霊感があるとかないとかいう話をされると一気にうさんくさくなるから、語る人が言うのは仕方ないとしても著者まで乗ってくるのはやめてほしかった。

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    2020年07月04日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    普通の怪談話と違い、何か判らない物は判らないまま書いてある。発光体、狐火、魂、足音、気配だけ。本来の怖い経験ってこう言うモノだと思う。姿形は見えないけど、絶対そこに何かいる。って言う体験。続編も読んでたい。

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    2020年06月12日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    聞き取り話。
    取材がとても大変だったと思いました。
    どの話も、静かにゾッとする感覚で、私好みの怪談でした。続編も読みたいですね。

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    2020年04月26日
  • ヤマケイ文庫 山怪 山人が語る不思議な話

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    山を仕事場とする猟師や、山里に暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な出来事。深い親交を持つ著者だからこそ聞き得た阿仁マタギの体験談をはじめ、時代の流れとともに消えつつある「語り遺産」を丹念に集めた現在形のフィールドワーク。

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    2019年12月25日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    ネタバレ

    都会が舞台の怪異本はよくありますが、山を中心とする怪異本は珍しく思います。体験者の証言だけでなく、考えも掲載されているので、怪異を信じない人が、それらしい理由を述べているのも面白かったです。

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    2019年12月15日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    きっと科学的に証明されることの方が多いと思うけど、不思議と証明されてほしくないような気持ちになった
    自然への畏敬が感じ取れ、いつまでも語り継がれてほしい話

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    2019年10月03日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    この現代でも起こる山の怪異。ということは、やはり、科学的に解明できることなのかなあ、とも、逆に思う。何でも、狐のせいにされている感じもあり、可哀想?
    興味深く、読んだ。

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    2019年09月28日
  • 山怪 山人が語る不思議な話

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    読み始めは 不思議な事もあるもんだねー ぐらいだったんだけど、2章辺りから怖くって。
    霧の山道でザックを掴む何か、とか涙目になる。

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    2019年05月17日
  • 山怪 参 山人が語る不思議な話

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    「山怪」も早3作目か。
    回を重ねたとて、まったく変わらないその造りにホッとするというかなんというか。
    失礼ながら第1作にはいかにも珠玉の、傑作山怪談オールスターが詰め込まれていたというわけでは決してなく、山という括り以外に縛りのないジャンルの中で、何となく不思議だなあ…とほのぼの感じるようなエピソードも含めて、素朴に談話が並べられていただけだから、第2作、第3作と追っても劣化感のようなものは皆無だし、何なら採録する地域は広がっていったりするので深化が感じられる。
    この遣り方なら永遠にシリーズは続けられるかも?

    個人的には、モロ幽霊系の話は、自分も山に入ることが多いので「勘弁してくれよ…」と本

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    2019年02月13日
  • 山怪 参 山人が語る不思議な話

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに~山と人と怖いモノ
    第1章  戸惑いの森
    第2章  闇に続く道
    第3章  霊域の生活

    <内容>
    相変わらず怖い、山の怪談集第3弾。相変わらず飄々と描かれる山の日常生活。突然に現れる魑魅魍魎(と言うほどじゃないあ。

    <内容>
    252ページあるので、なかなか読み進まないが、怖さもなかなか。ふらりと「マタギ」生活を送り、日常を振り返る人はどうぞ!

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    2018年12月12日