中野円佳のレビュー一覧

  • なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造

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    さすが日経の元記者さんだけあってリサーチと分析がとてもわかりやすくて丁寧で良かった。「なぜ子育てをすると本が読めなくなるのか」よりも、社会構造に切り込んだ具体的な解決策まで提示しているのでこちらの本の方が理解が深まる。

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    2025年11月04日
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート

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    たまたま、東大生の親はどんな家庭教育をしていたかという文脈でこの本の一部が紹介されていたが(地方は共働きの親が多くお金のかからない読み聞かせなどを重視しているという偏った内容)、本の内容自体は、そんな物見胡散ではなく、学内に内在する地域格差や経済格差を紐解き、それが日本の官僚や大企業の人材を排出する機関だとすれば内から検証すべきではと警鐘を鳴らすもの。

    地方から都内の大学に進学したものとして「あるある」と当時の思い出を抉られる内容。

    一つ目は地域格差。地方は公立進学校(中学受験していない)出身者が多い中、首都圏は私立中高一貫校の出身が多い。それはすなわち、親の学歴や職業の違いのみならず、当人の人脈(同じ学校出身の先輩同級生と日常に繋がっていられる)にもつながる。都内の大手企業や官公庁でも同様の状況が続く。公立の大学は設備も古いし、大人数の教室、教授によるケアも手薄だし、お金持ちの私学出身者がいきなり公立に落ちてきて満足できるんだろうかと疑問に思っていたが、彼らはそのぬるま湯の人脈の中で生きているんだから関係ないよなあ。東京私学出身の子とは仲良くなれなかったなあ(ただただ怖かったのだが、私なぞ視界に入ってなかったし、私と仲良くするメリットなかったんだろう)。

    二つ目は第一世代問題。アメリカで第一世代(親が大卒でない)学生でアイビーリーグとかに入ってしまった学生が途中で辞める話は聞いたことがあったけれど、米国の大学は学費が高い=ローンの重圧、みたいな話と相まって、日本を重ねて考えたことはなかった。でも古い例えだが、キューティーブロンド(だっけ。ウィザスプーンが弁護士になるやつ)で彼女が馴染めないシーンって、その問題をコミカルにしたものだったんだろうし、違う階層に紛れ込んでしまった一般人という意味では、日本の大学でも十分あり得る。その意味では、お金をかけて鍛えられた学力という意味で東大生もそうだが、幼少期からお金で築かれたエスカレーターを登れる某私大も凄そうだなあ。

    いやはや、私は過去を振り返らない(あの時代に戻りたいという気持ちがわかない)タイプではあるが、大学時代には戻りたくないという気持ちを新たにした(東大じゃないのに笑)。



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    2025年10月03日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ネタバレ

    ジェンダーの専門であるが、大学を背景としているし、東大について自分の体験をもとにしているので、学生も読みやすいと思う。教育社会学の専門家の論文もあげてはいるが、かなり自分の意見として説明しているのでわかりやすいのは、ジャーナリストとしての経験があったからなのかもしれない。子育てをしながら博士論文を書き、数校で非常勤を重ねながら論文を書いている体験がある。大学の授業でのジェンダーの参考文献にもなり、教員養成系大学の学生もおすすめ本である。

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    2025年09月16日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    2018年に読んだ上野千鶴子の『情報生産者になる 』のアンサー新書です。上野ゼミの卒業生たちがいかにゼミでインプットし、いかにアウトプットしていったか?という記録です。いや、インプット、アウトプットというより、どんな「問い」を自らに立て、どんな動機で、どんな行動で、上野千鶴子に鍛えられていったか、を自ら振り返る「学び」のデコン集です。『情報生産者になる 』は出版されてすぐ読んで大きく刺激を受けましたが、『情報生産者になってみた』の存在は知らず、本屋さんの店頭で発見しました。前著にも影響受けましたが、この本もじわじわ効いてきそうです。この本棚にも入れている『「育休世代」のジレンマ』の著者の中野円佳も上野門下生であることがわかり社会学という学問のリレーも感じることができました。同時に付け焼き刃の読書では辿り着けない学問の厳しさも十分に伝わりました。それでも、いつ触れるかわかりませんが上野チルドレンたちの知らなかった著書をこの本棚に登録します。永遠の積読になるかもしれませんが…

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    2025年09月07日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    この本で知ってよかったというコンテンツとも多く出会えた。
    ・セイバン ランドセル選びドキュメンタリー篇
    ・アリエル実写版への黒人の子供たちの反応
    ・tea consent

    ・BBCによる、男の子おもちゃ・女の子おもちゃへの対応する大人についての実験。(女の子の見た目の子供には女の子おもちゃ、男の子の見た目の子供には男の子おもちゃを勧める大人の傾向)

    子どもたちには幅広い選択肢から自由な選択ができるようになってほしい。私たちも自由でありたい。

    大変すぎる家事を基準にしない。人にとやかく言わない。自分も気にしない。

    歴史物の女性の少なさ。

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    2025年08月04日
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート

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    今の日本の停滞の原因のひとつが「偏差値エリート」にある、と私は見ている。
    この新書は、「学歴エリート」ということばで、東大卒についてデータで掘り下げ、
    私の「仮説」を検証してくれている。


    序章、第一章、第二章で今の東大生の多くが首都圏の私立中高一貫校の男性であることを明らかにしてくれている。
    36校の有力校だけで東大生の半分を占めるという。36校の中には灘、ラサール、東大寺、久留米、旭丘、甲陽など
    首都圏以外が10校あるにはあるが、大半が首都圏。男子校が17校。女子高は3校。
    地方、女性、大学第一世代はマイノリティ。
    つまり、首都圏で両親が大卒で年収が一千万以上の男子が恵まれた環境から東大に入れる。入りやすい。
    大学生活でも地方女性第一世代は馴染みにくい。交わらない。これが就職、就職後にも影響し、「偉く」なりにくい。

    東大女子は結婚できない、は都市伝説。決してそんなことはない。ただ、相手の半分は東大生。
    子供に教育熱心だが、それが実を結ぶかどうかは別。

    東大生は必ずしも自己責任論を振りかざすわけではないが、再分配には消極的。

    私の仮説を肯定する内容だったと認識している。
    小学校の時から地元に馴染まず点数を取るだけの勉強を重ね有名中高一貫に入り、東大に入り、大企業や官僚になる。
    狭い社会しか知らない彼らはマイノリティの気持ちなどわかるはずがないのだ。
    そういう人間が政治をすれば偏った政策になるのは当然のこと。
    そしてたちが悪いのは、そういう誤った政策を「間違えていた」と認めないこと。
    コロナのような不測の緊急事態には失政も当然ありうる。
    間違えたらただせばいいだけのこと。しかしそれを認めず、あろうことかアベノマスクは口頭発注、などと嘘をつく。
    偏差値エリートのやりそうなことだ。
    政治家にしっぽを振って嘘の上塗りをするモリカケサクラはもっと悪いか。

    国家権力で人を縛ることのできる検察、警察に入れば、「こいつがあやしい、犯人に違いない」と目をつければ、
    それを「正解」として、なんとしても○を貰うためにあらゆる姑息な手段を用いて犯人に仕立て上げるのは目に見えている。
    最近やたらめだつ人質司法がそれだ。
    これは国民誰しも被害者になりうるから、失政よりたちが悪い。

    そういう人たちを生む土壌がこの国にある、ということがはっきりする新書。
    防止策は、東大自身が、そうした偏差値エリート、学歴エリートを生まないようにすることなのだが、、、
    今の入試の基準を変えるのは簡単ではないのだろうな。

    さらにいえば財務省をはじめとする役所や大企業が、学歴で採用しないことなのだが、、
    これも無理なのかな。選んだ理由を学歴にしておけば言い訳がたつから。人事採用の保身だ。
    負のスパイラル。
    今の日本はそういう状況にあるということ。

    マイノリティとまじわり、ダイバシティ&インクルージョンに目覚める場。
    これをどうやって作ればいいのか。
    かくいう私も中学受験組。たまたま大学受験の必要のない学校だったので、そういう苦労はせず、
    変なプライドは持たなかった。中学は教学だったが、女性との接点はほとんどなかったな、、口もきけない。
    運よく結婚できて、やっと女性と語り合うことができて(実は壮絶な口喧嘩だが)、
    ダイバシティを体感した、というところだろうか。

    そういうこともなく、自分が恵まれていることに気づかないまま権力を握ることの危険さ。
    世襲議員と相まって、日本を加速主義的に劣化させているように思う。

    令和の米騒動の原因も減反政策という失政を改めようとしない官僚と、それをコントロールできない政治家が原因。
    それを放置してきた国民。声をあげねば。


    序章 「東大卒」は日本社会の何を映しているのか(本田由紀)
    重なり合う象徴としての東京大学/知的優秀さの象徴としての東大/東大卒業生の社会的地位/東大の研究力は高いのか/東大に凝縮される「教育格差」/東大におけるジェンダーギャップ/闘争・運動・抵抗の宿る場としての東大/日本社会の現状と「学歴エリート」としての東大/東京大学を対象としたこれまでの調査など/東京大学卒業生に対する調査の概要/本書の構成

    統計用語の解説

    第一章 「地方出身東大女性」という困難――出身地格差とジェンダー格差(久保京子)
    東大生の地域・性別の偏り/なぜ「地方女性」に着目するのか/東京大学の地方女性を調査することの困難/分析に用いる方法/親学歴における地方と東京圏の格差/フルタイム率が高い地方女性の母親と無就業率が高い東京圏女性の母親/文化的資源の豊かな東京圏女性とそれを追いかける地方女性/地方女性の親子関係/読書量の多い地方女性、海外経験がダントツに多い東京圏女性/友だちは多くないが交際経験のある地方女性/誰に東大進学を勧められたか/地方女性の特徴/地方女性の困難/女性が少ないことや地方学生が少ないことへの問題意識/まとめと提言

    第二章 東大生の学生生活――「大学第一世代」であるとはどういうことか(近藤千洋)
    大学進学は教育格差の終わりか?/見過ごされたマイノリティとしての大学第一世代/大学第一世代の東大生は「男性」「地方出身」「共学出身」に多い/「東大に入学した理由」に見る大学第一世代の不利/大学第一世代は「実利志向」が強い?/東大に馴染めたのは誰か/ハラスメントや差別を受けやすいのは誰か/学業にはどう取り組んでいるか/課外活動にはどう取り組んでいるか/誰が・どんな人脈を形成しているか/学生生活の「大きな分断」/“不器用”な大学第一世代は就職活動でも不利?/まとめと提言

    第三章 東大卒のキャリア形成――学歴資本は職業的地位にどうつながるか(本田由紀)
    「学歴エリート」の職業キャリアとは/就労状態と雇用形態――働き方の分布はどうなっているか/職種――どんな仕事をしているか/役職――どのくらい「偉く」なっているのか/勤務先の規模――大企業に就職しやすいのか/転職経験――内部労働市場にとどまっているのか/収入――高い報酬を得ているのか/仕事の性質――どのように感じながら働いているのか/仕事における自身の性別の有利・不利/学歴資本は有効か/まとめと提言

    第四章 東大卒の家族形成――だれと結婚し、どんな家庭をつくるか(中野円佳)
    3つの問い/東大卒の女性は結婚できないというのは本当か?/女性の東大卒業生の結婚相手は半数程度が東大卒/東大卒業生の出会い/東大卒業生が結婚相手選びで重視したこと/東大卒業生の子どもの数/仕事と子育てを両立してきた女性の卒業生たち/東大卒業生の子育て、階層は再生産されているか/東大卒業生を親にもつ子どもは受験をしているか/まとめと提言

    第五章 東大卒は社会をどう見ているか――自己責任論、再分配支持、社会運動への関心からジェンダーギャップ認識まで(九鬼成美)
    なぜ東大卒の社会意識を分析するのか/なぜ格差や不平等に関する社会意識の分析が必要か/東大卒業生を育む学び、学び方、課外活動/東大卒業生はどのような社会意識をもつか/「自己責任意識」はどのように育まれたか/「再分配支持」はどのように育まれたか/「社会運動への関心」はどのように育まれたか/「ジェンダーギャップ認識」はどのように育まれたか/東京大学の学びや生活以外の社会意識への影響/専攻と学び方で育まれる社会意識は異なるか/まとめと提言

    おわりにかえて――座談会 「東大卒」を考える

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    2025年06月10日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    昨今、話題にあがるジェンダーバイアスについて、教育と関連させて幼少期、小学生、中高生、大学とケースに分けて考えが述べられている。
    ジェンダーバイアスや教育に関係する性差を学ぶには最初に読んでもよいと感じた。
    身近な例や学生たちの率直な感想など具体例が読みやすさを助長していて、学生のみならず大人まで読んでほしい一冊。

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    2025年05月17日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    分かりやすい、具体的な事例と絡めて説明してくれるから、自分が感じてた違和感はこういう事だったのかと気づく。ほんと周りの友達にもおすすめしたい

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    2025年04月04日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ネタバレ

    現代日本おいて、ジェンダーについてステレオタイプの刷り込みがどのようにされてるのかを、年代毎に分けて論じている。幼少期、小学生、中高生、大学生に順を追って解説されている。

    とにかくわかりやすい。
    著者も子育て経験者ということで、ご自身のお子様の例もあったり、大学の授業での学生さん達のコメントも沢山あったりして、面白かった。

    実写版『リトルマーメイド』の件と、『女子枠』の件について、個人的にも以前からどう解釈すれば良いのか疑問もあったので、こういった見方ができるのか!という発見もあり、とても良かった。



    最後の週刊誌の件、あの手の雑誌は今はさらに卑劣になってきていて、今までとは逆転現象も起きていると思う。が、こちらはあくまで余談。

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    2025年03月13日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ネタバレ

    筑摩書房の新書やし、難しいかな?と思いながらページを開いたけど、面白くてあっという間に読んでしまった。

    第1章 赤ちゃん・保育園・幼稚園の年頃に刷り込まれるシェンダー。→無意識に大人が女の子らしいもの、男の子らしいものを与えてしまう。洋服の色やおもちゃなど。

    第2章 小学生時代、意外と子どもって大人の様子を伺っていて、大人が気に入るようなものを選んだり、行動したりする。また、ディズニーのアニメに登場するお姫様が白人か、黒人か、アジア系か、によって、子どもって、「私は黒人だからシンデレラにはなれない」など思い込んでしまっている。特にアメリカとか欧米だと。
    あと、ランドセル何色問題。親がいる前だと、親が好みそうなランドセルの色を選ぶらしいが、親がいない場だと男子でもピンクのランドセルをすぐに選ぶらしい。

    第3章 中高生 思春期特有のジレンマ
    女の子が、「私、サッカー部なの」というと、「あ、マネージャー?」と思われてしまう。男性競技(だと思い込まれてる)スポーツを女子がするのはレアだろうし、人数も少ないし、地方だと特に。そもそも、マネージャー=女子という感覚はいつから出てきたのか? 1960年代は男子の大学進学率があがったことで、受験勉強しないといけない男子に代わって、進学しない女子がマネージャーの側面を担ったことが始まり。(まだまだ60年代は女子が大学受験するのは珍しい時代やったし) それが、70年代に入ると、男子を支えるのが女子の役目という、女子はケアする立場という考えが生まれてきたらしい。
    あとは、男子校・女子高、それとも共学?
    女子にとって男性がいない女子高では、何でも自分達でするから、力仕事も女子、生徒会長も女子、そんななかでいると自立して、自分に自信を持てる女性が増えるそう。一方男子校は、、、そこまで(ジェンダーの視点から)良い部分はなさそう。
    また、女子生徒は数学が苦手と思い込まされる傾向にある。そして、大人が「女子より男子の方が理系は得意だからな」なんて言うと、そう思い込んでしまった女子の理系の成績は下がるという。
    悲しい、おい、教師、女子の可能性を摘み取るな!と私は言いたい。

    第4章 大学のゆがんだジェンダー
    少し前まで、「○○大学ミスコン」なんてあった。東大では、「東大女子お断り」のサークルとかもあった。
    大学以前に、浪人する女子は少ない。女の子なんだから浪人してまで大学に行かなくても~という親や教師の反応。
    大学の理系学部で女子枠の設置が増えてきているが、これに対して「逆差別だ!」という反論もよく耳にする。この意見への説明が非常に分かりやすくて、本書の148~149ページをぜひ読んでみて。その前に、マジョリティって何かを理解しておく必要があるけど。数の問題ではなく。
    でも、このマジョリティの立場って、男女に関することだけじゃないと思う。たまたま自分が県庁所在地に住んでいたから、進学校に問題なく通え、予備校にも行けたため、国立の大学に進めたという女性と、同じ県内でも県庁所在地にまで片道3時間、進学できる高校の選択は2校。しかも、その高校までは電車と自転車で1時間10分かかる。周りにも大学進学する人が少ないから、そんなものかと思って高校卒業後は就職したという女性。住んでる場所により、無意識に自分が特権を持っているということ。自分は高校時代なんにも考えてなかったけど、あー、私はたまたますごーく恵まれた環境にいたからだったのね、と思う。
    これが、男女の違いでも似たようなことが起きてるのだ。

    この本は、実際に著者の中野円佳さんが研究して得たものだけでなく、中野さん自身の学生時代の体験、さらに結婚して子どもを育てながら感じるジェンダー、そして、大学で教えているリアル大学生の声が登場するので、堅苦しい数値がというより、様々な視点のモヤモヤ? なんで? なんか違和感がある、といったものが書かれていて、そこに私自身の経験とも比べながら読み進めることができたので、本当に面白かった。

    また、たくさんの参考文献を紹介してくださっているので、これも読みたい、あれも読みたいとチェックした本がたくさんあった。
    教育関係、子育て中じゃない人でも、自分の時代と比べて、へぇーって思いやがら読めるかも。

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    2025年02月04日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    ■どんな本か
    東大卒で自身もママである著者が、大学院修士論文を本としてまとめたもの。なぜバリキャリの彼女が、そっち側(子ども重視する伝統的な女性立ち位置に見えるもの)にいってしまうのか??その裏側にある様々な葛藤や悩みを15人のインタビューを通して分析していくもの。

    ■印象に残った内容(を解釈したもの)
    偏差値の高い大学を卒業し、大手企業への就職を果たし、ハイスペックな夫と結ばれ、20代で妊娠。世間でいう勝ち組の女性たち。

    でもその一部の女性は男並を目指すゆえに、0か100になってしまう。100出せない自分が許せなくて、でも50は納得いかなくて(競争には勝てないから)、0を選んでしまう事実がある。そこの葛藤は本人が言わない限り無かったものにされ企業には見えない。

    ハイスペ夫にも仕事での成功を求めるから、夫が仕事の手を緩めることを勧めない。結果、社会は変わらない。。。

    ■感想
    女性たちのヒリヒリする気持ちが痛い位に刺さる。

    私はこの本を今年になって手に取ったが、10年以上前の本だった。さぁ社会は変わっているか?
    こんな思いや悩みをする女性たちは減っているか?

    男女平等に育てられたのに社会に出た途端に出くわすジェンダーギャップの衝撃。妊娠した途端に変わる周囲の目。ハンデを背負った状態・ビハインドで始まる闘い。母にだけ罪悪感を持たせる周りの目と社会構造。条件変えず働き続けられる夫への羨望と悔しさ。自己決定の裏側にある、声にならない声。女であることを受け入れられる自分とそうでない自分。本来違う分野である仕事と育児を天秤にしなくてはならない葛藤。

    もうヒリヒリしすぎて泣けちゃう!
    次作も読む。

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    2024年09月06日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    本書でメインで取り扱っているのと同じ高学歴の母親として、仕事と教育の両立についてすごく考えさせられた。
    教育とケア、ジェンダーの問題は常に問題意識をもって自分自身の行動を省みるようにしたいし、それが子どもに与える影響についても考え続けていきたい

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    2024年05月01日
  • なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造

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    今の日本、家庭、職場の課題をとてもわかりやすく学べた。学校も保育園幼稚園もそう。なぜ乗り越えるのがこんなに辛いのか。何かを犠牲にしなければ立ち向かえないのか。すべて程々に、好きなように流れて生きていたい…。
    主婦前提の社会システム、おかしいともっと声を上げるべきだと思った。今後自分もそういった溝を埋めるために力を尽くしていきたい。

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    2023年05月18日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    シンガポールの教育というと、世界的競争力を持つ、先端のものをイメージしていたが、日本の受験と重なる部分があるのは意外だった。学歴でその後の人生が決まってしまう様子はアジア共通なのか。興味深い一冊だった。

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    2023年02月09日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    「情報生産者になる」が思いの外良かったので、続けてこの本も読む。

    坂爪さんの研究には流石に引くが、この本を完成させてくれたことには感謝。
    最後の座談会がすごくいい。

    正直な物言いに、驚いた。
    「女性学ってやっぱり運動だったのよ。」
    アカデミズムの場で、「運動」を行うことを意識的にやっていたのだなと、その姿勢に感動。アカデミズムが後進を育てることができなかったこと、一人も上野ゼミに希望者がいなかった年がショックだったこと、そこから指導法を変えたこと。お茶の水の原ひろ子先生を尊敬していること。立命館で原さんがやったことを自分もやろうと思い実践したこと。自分の一生を賭けて一作書く人たちをサポートしたこと。

    改めて上野千鶴子のすごさを痛感。
    なんだか私もやる気出たな。

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    2023年02月09日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    のびのびとした教育を受けさせるために、熾烈な受験を勝ち抜かなければいけないという皮肉。親としてじぶんの態度を決めきれないでいます。

    #中野円佳

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    2023年01月22日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    自分が男なみに評価されるために頑張ってきたこと、これがそれからは通用しないために悩むことになることを突きつけられた。いずれ降りることになるなら今の頑張りはなんの意味があるのか。結婚で選ぶパートナー、仕事はもっとしたたかに選ばなければならないのか。女性として生きていくことってしんどいなあと思った。

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    2022年02月14日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    開沼さんの「明確化・俯瞰・構造化」というキーワードが、本書全体を分かりやすく理解するための観点となる。この部分だけを読んでも一級品。

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    2022年01月06日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    ワーキングマザーが子育てをしながら、仕事にどう向き合っていくか、インタビューを基に分析。

    「育休世代」という筆者の世代は、やりがい、自己実現重視。
    なので、仕事をしっかりやりたいという気持ちで入りながら、大学までにはほぼ感じなかった、様々な”女性的な”扱いを経験する中で、人それぞれの対応をしていく。

    仕事に意欲があった人ほど早く見切りをつけて辞める。
    色々と条件面を考慮して残っていた方が良いと冷静に判断した人間が残るのと、いわゆる女を捨てて、男勝りに戦っていく人が残るというのは、確かにそうかもと思える部分があった。

    1984年生まれの筆者自体が東大卒の総合職、早めの結婚出産ということで、インタビューも同様のサンプリングのバリキャリ、早く結婚、出産のいわゆる勝ち組を対象にしている。
    なので、ある意味偏った母集団の話であるというところを意識して読む必要もある。

    あとは、インタビュー対象が若い年であるというのも、偏りになっていると思う。年齢ごとに仕事に対する情熱やイメージは移ろっていくものなので、歳をとってくると、先を計算しだして、いつまでも純粋に「やりがい」と言っていない気もする。
    世代の考え方なのか、歳なりの考え方なのかを歳を追って定点観測することで導き出して欲しいなと思った。

    もともとが論文を新書向けに書き直しているので、少し硬く、読みにくいところもありますが、なるほど、そうだよねというフレーズも盛りだくさんで、働く女性も、むしろ、女性と働いている男性が読むべき本だと思います。

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    2020年09月23日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    一緒にプロジェクトをやったことのあるママの社員と雑談している時に「ぜひ!」と勧められた本です。結果的にこの夏の「はたらく」ことについて考える課題図書第四弾になりました。「女性活用はなぜ失敗するのか?」という副題の構造を調査によってかなり明確に顕在化した本だと思います。「なんとなく感じていた…」ことと「なるほどそうなのか…」ということがないまぜになった複雑な読後感です。ハッキリしたけどスッキリしないような…。そのモヤモヤ感が会社と社会が抱えるこの問題の難しいところなのでしょう。国も会社の制度として施策を打っているのだと思いますが、教育と会社の接続のところでジレンマが起こっているがよくわかりました。「一億総活躍社会」を提唱し女性と高齢者の労働力を社会に組み込もうとした首相が退陣することになりました。その路線を継承するといわれている次の首相候補はこの問題をどう考えているのか聞きたいところです。一方、今回のコロナ禍でリーダーシップを発揮しているドイツ、メルケル、台湾、蔡英文、ニュージーランド、アーダーンの女性トップの存在が注目されています。女性首相が生まれればいい、ということではないとも思いますが日本社会が女性活用の先進国になるにはまだまだ道遠し、かもしれません。ただ、著者のいう『「育休世代」のジレンマ』をテーマとしることはロールモデルの顕在化という観点から、その数が少ないにしてもインパクトが大きいと思います。そして、人生は続きます。「育休世代」の子供たちが大きくなった時の彼女たちのキャリア形成についても息長く調査して欲しいと思いました。著者その人が当事者なのできっと。

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    2025年09月07日