中野円佳のレビュー一覧

  • なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造

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    さすが日経の元記者さんだけあってリサーチと分析がとてもわかりやすくて丁寧で良かった。「なぜ子育てをすると本が読めなくなるのか」よりも、社会構造に切り込んだ具体的な解決策まで提示しているのでこちらの本の方が理解が深まる。

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    2025年11月04日
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート

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    たまたま、東大生の親はどんな家庭教育をしていたかという文脈でこの本の一部が紹介されていたが(地方は共働きの親が多くお金のかからない読み聞かせなどを重視しているという偏った内容)、本の内容自体は、そんな物見胡散ではなく、学内に内在する地域格差や経済格差を紐解き、それが日本の官僚や大企業の人材を排出する機関だとすれば内から検証すべきではと警鐘を鳴らすもの。

    地方から都内の大学に進学したものとして「あるある」と当時の思い出を抉られる内容。

    一つ目は地域格差。地方は公立進学校(中学受験していない)出身者が多い中、首都圏は私立中高一貫校の出身が多い。それはすなわち、親の学歴や職業の違いのみならず、当

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    2025年10月03日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ジェンダーの専門であるが、大学を背景としているし、東大について自分の体験をもとにしているので、学生も読みやすいと思う。教育社会学の専門家の論文もあげてはいるが、かなり自分の意見として説明しているのでわかりやすいのは、ジャーナリストとしての経験があったからなのかもしれない。子育てをしながら博士論文を書き、数校で非常勤を重ねながら論文を書いている体験がある。大学の授業でのジェンダーの参考文献にもなり、教員養成系大学の学生もおすすめ本である。

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    2025年09月16日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    2018年に読んだ上野千鶴子の『情報生産者になる 』のアンサー新書です。上野ゼミの卒業生たちがいかにゼミでインプットし、いかにアウトプットしていったか?という記録です。いや、インプット、アウトプットというより、どんな「問い」を自らに立て、どんな動機で、どんな行動で、上野千鶴子に鍛えられていったか、を自ら振り返る「学び」のデコン集です。『情報生産者になる 』は出版されてすぐ読んで大きく刺激を受けましたが、『情報生産者になってみた』の存在は知らず、本屋さんの店頭で発見しました。前著にも影響受けましたが、この本もじわじわ効いてきそうです。この本棚にも入れている『「育休世代」のジレンマ』の著者の中野円

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    2025年09月07日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    この本で知ってよかったというコンテンツとも多く出会えた。
    ・セイバン ランドセル選びドキュメンタリー篇
    ・アリエル実写版への黒人の子供たちの反応
    ・tea consent

    ・BBCによる、男の子おもちゃ・女の子おもちゃへの対応する大人についての実験。(女の子の見た目の子供には女の子おもちゃ、男の子の見た目の子供には男の子おもちゃを勧める大人の傾向)

    子どもたちには幅広い選択肢から自由な選択ができるようになってほしい。私たちも自由でありたい。

    大変すぎる家事を基準にしない。人にとやかく言わない。自分も気にしない。

    歴史物の女性の少なさ。

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    2025年08月04日
  • 「東大卒」の研究 ――データからみる学歴エリート

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    今の日本の停滞の原因のひとつが「偏差値エリート」にある、と私は見ている。
    この新書は、「学歴エリート」ということばで、東大卒についてデータで掘り下げ、
    私の「仮説」を検証してくれている。


    序章、第一章、第二章で今の東大生の多くが首都圏の私立中高一貫校の男性であることを明らかにしてくれている。
    36校の有力校だけで東大生の半分を占めるという。36校の中には灘、ラサール、東大寺、久留米、旭丘、甲陽など
    首都圏以外が10校あるにはあるが、大半が首都圏。男子校が17校。女子高は3校。
    地方、女性、大学第一世代はマイノリティ。
    つまり、首都圏で両親が大卒で年収が一千万以上の男子が恵まれた環境から東大

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    2025年06月10日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    昨今、話題にあがるジェンダーバイアスについて、教育と関連させて幼少期、小学生、中高生、大学とケースに分けて考えが述べられている。
    ジェンダーバイアスや教育に関係する性差を学ぶには最初に読んでもよいと感じた。
    身近な例や学生たちの率直な感想など具体例が読みやすさを助長していて、学生のみならず大人まで読んでほしい一冊。

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    2025年05月17日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    分かりやすい、具体的な事例と絡めて説明してくれるから、自分が感じてた違和感はこういう事だったのかと気づく。ほんと周りの友達にもおすすめしたい

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    2025年04月04日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ネタバレ

    現代日本おいて、ジェンダーについてステレオタイプの刷り込みがどのようにされてるのかを、年代毎に分けて論じている。幼少期、小学生、中高生、大学生に順を追って解説されている。

    とにかくわかりやすい。
    著者も子育て経験者ということで、ご自身のお子様の例もあったり、大学の授業での学生さん達のコメントも沢山あったりして、面白かった。

    実写版『リトルマーメイド』の件と、『女子枠』の件について、個人的にも以前からどう解釈すれば良いのか疑問もあったので、こういった見方ができるのか!という発見もあり、とても良かった。



    最後の週刊誌の件、あの手の雑誌は今はさらに卑劣になってきていて、今までとは逆転現象も

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    2025年03月13日
  • 教育にひそむジェンダー ――学校・家庭・メディアが「らしさ」を強いる

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    ネタバレ

    筑摩書房の新書やし、難しいかな?と思いながらページを開いたけど、面白くてあっという間に読んでしまった。

    第1章 赤ちゃん・保育園・幼稚園の年頃に刷り込まれるシェンダー。→無意識に大人が女の子らしいもの、男の子らしいものを与えてしまう。洋服の色やおもちゃなど。

    第2章 小学生時代、意外と子どもって大人の様子を伺っていて、大人が気に入るようなものを選んだり、行動したりする。また、ディズニーのアニメに登場するお姫様が白人か、黒人か、アジア系か、によって、子どもって、「私は黒人だからシンデレラにはなれない」など思い込んでしまっている。特にアメリカとか欧米だと。
    あと、ランドセル何色問題。親がいる前

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    2025年02月04日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    ■どんな本か
    東大卒で自身もママである著者が、大学院修士論文を本としてまとめたもの。なぜバリキャリの彼女が、そっち側(子ども重視する伝統的な女性立ち位置に見えるもの)にいってしまうのか??その裏側にある様々な葛藤や悩みを15人のインタビューを通して分析していくもの。

    ■印象に残った内容(を解釈したもの)
    偏差値の高い大学を卒業し、大手企業への就職を果たし、ハイスペックな夫と結ばれ、20代で妊娠。世間でいう勝ち組の女性たち。

    でもその一部の女性は男並を目指すゆえに、0か100になってしまう。100出せない自分が許せなくて、でも50は納得いかなくて(競争には勝てないから)、0を選んでしまう事実

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    2024年09月06日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    本書でメインで取り扱っているのと同じ高学歴の母親として、仕事と教育の両立についてすごく考えさせられた。
    教育とケア、ジェンダーの問題は常に問題意識をもって自分自身の行動を省みるようにしたいし、それが子どもに与える影響についても考え続けていきたい

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    2024年05月01日
  • なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造

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    今の日本、家庭、職場の課題をとてもわかりやすく学べた。学校も保育園幼稚園もそう。なぜ乗り越えるのがこんなに辛いのか。何かを犠牲にしなければ立ち向かえないのか。すべて程々に、好きなように流れて生きていたい…。
    主婦前提の社会システム、おかしいともっと声を上げるべきだと思った。今後自分もそういった溝を埋めるために力を尽くしていきたい。

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    2023年05月18日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    シンガポールの教育というと、世界的競争力を持つ、先端のものをイメージしていたが、日本の受験と重なる部分があるのは意外だった。学歴でその後の人生が決まってしまう様子はアジア共通なのか。興味深い一冊だった。

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    2023年02月09日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    「情報生産者になる」が思いの外良かったので、続けてこの本も読む。

    坂爪さんの研究には流石に引くが、この本を完成させてくれたことには感謝。
    最後の座談会がすごくいい。

    正直な物言いに、驚いた。
    「女性学ってやっぱり運動だったのよ。」
    アカデミズムの場で、「運動」を行うことを意識的にやっていたのだなと、その姿勢に感動。アカデミズムが後進を育てることができなかったこと、一人も上野ゼミに希望者がいなかった年がショックだったこと、そこから指導法を変えたこと。お茶の水の原ひろ子先生を尊敬していること。立命館で原さんがやったことを自分もやろうと思い実践したこと。自分の一生を賭けて一作書く人たちをサポート

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    2023年02月09日
  • 教育大国シンガポール~日本は何を学べるか~

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    のびのびとした教育を受けさせるために、熾烈な受験を勝ち抜かなければいけないという皮肉。親としてじぶんの態度を決めきれないでいます。

    #中野円佳

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    2023年01月22日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    自分が男なみに評価されるために頑張ってきたこと、これがそれからは通用しないために悩むことになることを突きつけられた。いずれ降りることになるなら今の頑張りはなんの意味があるのか。結婚で選ぶパートナー、仕事はもっとしたたかに選ばなければならないのか。女性として生きていくことってしんどいなあと思った。

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    2022年02月14日
  • 情報生産者になってみた ──上野千鶴子に極意を学ぶ

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    開沼さんの「明確化・俯瞰・構造化」というキーワードが、本書全体を分かりやすく理解するための観点となる。この部分だけを読んでも一級品。

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    2022年01月06日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    ワーキングマザーが子育てをしながら、仕事にどう向き合っていくか、インタビューを基に分析。

    「育休世代」という筆者の世代は、やりがい、自己実現重視。
    なので、仕事をしっかりやりたいという気持ちで入りながら、大学までにはほぼ感じなかった、様々な”女性的な”扱いを経験する中で、人それぞれの対応をしていく。

    仕事に意欲があった人ほど早く見切りをつけて辞める。
    色々と条件面を考慮して残っていた方が良いと冷静に判断した人間が残るのと、いわゆる女を捨てて、男勝りに戦っていく人が残るというのは、確かにそうかもと思える部分があった。

    1984年生まれの筆者自体が東大卒の総合職、早めの結婚出産ということで、

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    2020年09月23日
  • 「育休世代」のジレンマ~女性活用はなぜ失敗するのか?~

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    一緒にプロジェクトをやったことのあるママの社員と雑談している時に「ぜひ!」と勧められた本です。結果的にこの夏の「はたらく」ことについて考える課題図書第四弾になりました。「女性活用はなぜ失敗するのか?」という副題の構造を調査によってかなり明確に顕在化した本だと思います。「なんとなく感じていた…」ことと「なるほどそうなのか…」ということがないまぜになった複雑な読後感です。ハッキリしたけどスッキリしないような…。そのモヤモヤ感が会社と社会が抱えるこの問題の難しいところなのでしょう。国も会社の制度として施策を打っているのだと思いますが、教育と会社の接続のところでジレンマが起こっているがよくわかりました

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    2025年09月07日