中野円佳のレビュー一覧
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ネタバレシンガポール在住で二児の母である著者が、日本の社会を分析する
第一部 なぜ共働きも専業もしんどいのか
1 共働きがしんどい
・専業主婦を志向する20代女性が増えている
→ 共働き家庭で育った子どもが、親の背中を見て「こうなりたい!」と思える環境でない
・親世代は祖母(元専業)という頼れる存在がいたが、現在では頼れる仕組みがない
・男性が主夫になったところで周囲の理解は得づらい
男性用トイレにおむつ替え台がなかったり
・夫婦フルタイムはしんどい
→キャリア競争から降りるか、離職につながってしまう
保育園のお迎えで早上がりすることの罪悪感
・子どもとの時間が足りない、十全な育児ができていな -
Posted by ブクログ
東京大学の上野千鶴子さんのゼミに在先した卒業生が、ゼミで何を学び社会にどんな貢献をしてきたか(していくのか)をのびのびと語った一冊。情報の消費者ではなく、生産者になりなさいとの指導を受けてきた6名のゼミでの経験談やアカデミックな学び、気づきなど知ることができる。
『情報生産者になる』という書籍を上野千鶴子さんが出版しており、その姉妹本という位置付け。これを読んだだけでは情報生産者になれるわけではない。本書で語られる体験に近いものを、自ら経験することが近道なのだろう。問いを立て、その問いへの仮説を構築し、検証していくようなのだが、上野千鶴子さんのように厳しく論理の展開を推し進めてくれるような仕組 -
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ネタバレ書名通りのためあらすじ割愛。
現在子あり専業主婦の立場で、いずれは働きたいと考えているので、共働き、専業主婦どちらに関しても非常にためになりました。専業主婦については、自分では言語化できなかった部分を説明してもらえて、そうそう!と納得しました。
共働きに関しては、子供が大きくなるにつれて生じる問題が次々とあり、正直いつになったら働き出せるのかと不安にもなりました。
そして実際働き出したとしても、社会の構造上、主人に家事育児の一部を担ってもらうことは不可能なのだと絶望しました。
何度脳内でシミュレーションしても、全ての負担が自分にのしかかる姿しか想像できません。主人は保守的な人間なので、私が働 -
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出産を経験した女性総合職にターゲットを絞り、彼女たちが抱える葛藤を研究した一冊。
総合職として働く道を選択した女性たちは、なぜその道を選択し、
入社、結婚といったライフイベントを経て、仕事や家庭への感じ方や考え方どう変わり、
出産を機にどんな道を再選択し、その選択にはどんな理由があるのか?
といったことを、企業に総合職として就職し、20代で出産を経験した15人の女性へのインタビューを通じて研究した本です。
【感想】
私は今まで、「女だから損している」というような感じ方をしたことがないのですが、
出産や育児をもし今後経験するとしたら、もしかしたらそのとき初めて、「女だから」に直面するのか -
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著者が1984年生まれで同い年、ワーキングマザーの書いた本ということで手に取ってみました。
勉強もできて、大企業の総合職に就いて、晩婚・少子化が進む現代においては比較的早く結婚して出産もした。
言ってしまえば「勝ち組」のバリキャリ女性たち。生め、育てろ、働け、の全てをこなす“スーパーウーマン”たちは、はたして偉い人たちの言うように輝いているのか?というと、既存の企業のシステムや世間が求める「母親像」などに苦しめられたりして、実はボロボロだったりする。
…とはいっても食うに困っているわけでなし。こんなことは贅沢な悩みだ、私たちの苦労なんて苦労じゃないよね。…と、ものわかりが良く声をあげない彼女 -
Posted by ブクログ
分析対象のサンプル数が少ないので定量的には説得力がなく、筆者の「書きたいこと」が色濃く出ているので嫌いな人もいるかもしれないけど、
こういう「日本社会における女性の働きにくさ」を実際に経験して、具体的に声をあげることは大事だと思う。
現代に働く女性の一人として、制度はどんどん新しいものができているのに、依然として変わらない男性優位社会に漠然と不安を感じていたので、そこをビシッと指摘してくれていたところがよかったな〜
こういう本に対して「フェミニストが!」とか「女は生意気」と言われることがあれば、日本は本当に終わってると思う。
自分だけがよければいい、既得権益を守りたい、なんて考えはモテない