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産休・育休や育児支援制度が整った今でも、総合職の女性の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て会社を辞めてしまうのはなぜなのか。また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜか。2000年代に総合職として入社し、その後出産をした15人の女性(=「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。その分析を通して、予想外の展開に悩む女性の姿と、そう至らしめた社会の構造を明らかにする。
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Posted by ブクログ
■どんな本か 東大卒で自身もママである著者が、大学院修士論文を本としてまとめたもの。なぜバリキャリの彼女が、そっち側(子ども重視する伝統的な女性立ち位置に見えるもの)にいってしまうのか??その裏側にある様々な葛藤や悩みを15人のインタビューを通して分析していくもの。 ■印象に残った内容(を解釈した...続きを読むもの) 偏差値の高い大学を卒業し、大手企業への就職を果たし、ハイスペックな夫と結ばれ、20代で妊娠。世間でいう勝ち組の女性たち。 でもその一部の女性は男並を目指すゆえに、0か100になってしまう。100出せない自分が許せなくて、でも50は納得いかなくて(競争には勝てないから)、0を選んでしまう事実がある。そこの葛藤は本人が言わない限り無かったものにされ企業には見えない。 ハイスペ夫にも仕事での成功を求めるから、夫が仕事の手を緩めることを勧めない。結果、社会は変わらない。。。 ■感想 女性たちのヒリヒリする気持ちが痛い位に刺さる。 私はこの本を今年になって手に取ったが、10年以上前の本だった。さぁ社会は変わっているか? こんな思いや悩みをする女性たちは減っているか? 男女平等に育てられたのに社会に出た途端に出くわすジェンダーギャップの衝撃。妊娠した途端に変わる周囲の目。ハンデを背負った状態・ビハインドで始まる闘い。母にだけ罪悪感を持たせる周りの目と社会構造。条件変えず働き続けられる夫への羨望と悔しさ。自己決定の裏側にある、声にならない声。女であることを受け入れられる自分とそうでない自分。本来違う分野である仕事と育児を天秤にしなくてはならない葛藤。 もうヒリヒリしすぎて泣けちゃう! 次作も読む。
自分が男なみに評価されるために頑張ってきたこと、これがそれからは通用しないために悩むことになることを突きつけられた。いずれ降りることになるなら今の頑張りはなんの意味があるのか。結婚で選ぶパートナー、仕事はもっとしたたかに選ばなければならないのか。女性として生きていくことってしんどいなあと思った。
ワーキングマザーが子育てをしながら、仕事にどう向き合っていくか、インタビューを基に分析。 「育休世代」という筆者の世代は、やりがい、自己実現重視。 なので、仕事をしっかりやりたいという気持ちで入りながら、大学までにはほぼ感じなかった、様々な”女性的な”扱いを経験する中で、人それぞれの対応をしていく...続きを読む。 仕事に意欲があった人ほど早く見切りをつけて辞める。 色々と条件面を考慮して残っていた方が良いと冷静に判断した人間が残るのと、いわゆる女を捨てて、男勝りに戦っていく人が残るというのは、確かにそうかもと思える部分があった。 1984年生まれの筆者自体が東大卒の総合職、早めの結婚出産ということで、インタビューも同様のサンプリングのバリキャリ、早く結婚、出産のいわゆる勝ち組を対象にしている。 なので、ある意味偏った母集団の話であるというところを意識して読む必要もある。 あとは、インタビュー対象が若い年であるというのも、偏りになっていると思う。年齢ごとに仕事に対する情熱やイメージは移ろっていくものなので、歳をとってくると、先を計算しだして、いつまでも純粋に「やりがい」と言っていない気もする。 世代の考え方なのか、歳なりの考え方なのかを歳を追って定点観測することで導き出して欲しいなと思った。 もともとが論文を新書向けに書き直しているので、少し硬く、読みにくいところもありますが、なるほど、そうだよねというフレーズも盛りだくさんで、働く女性も、むしろ、女性と働いている男性が読むべき本だと思います。
一緒にプロジェクトをやったことのあるママの社員と雑談している時に「ぜひ!」と勧められた本です。結果的にこの夏の「はたらく」ことについて考える課題図書第四弾になりました。「女性活用はなぜ失敗するのか?」という副題の構造を調査によってかなり明確に顕在化した本だと思います。「なんとなく感じていた…」ことと...続きを読む「なるほどそうなのか…」ということがないまぜになった複雑な読後感です。ハッキリしたけどスッキリしないような…。そのモヤモヤ感が会社と社会が抱えるこの問題の難しいところなのでしょう。国も会社の制度として施策を打っているのだと思いますが、教育と会社の接続のところでジレンマが起こっているがよくわかりました。「一億総活躍社会」を提唱し女性と高齢者の労働力を社会に組み込もうとした首相が退陣することになりました。その路線を継承するといわれている次の首相候補はこの問題をどう考えているのか聞きたいところです。一方、今回のコロナ禍でリーダーシップを発揮しているドイツ、メルケル、台湾、蔡英文、ニュージーランド、アーダーンの女性トップの存在が注目されています。女性首相が生まれればいい、ということではないとも思いますが日本社会が女性活用の先進国になるにはまだまだ道遠し、かもしれません。ただ、著者のいう『「育休世代」のジレンマ』をテーマとしることはロールモデルの顕在化という観点から、その数が少ないにしてもインパクトが大きいと思います。そして、人生は続きます。「育休世代」の子供たちが大きくなった時の彼女たちのキャリア形成についても息長く調査して欲しいと思いました。著者その人が当事者なのできっと。
制度が整ってきたのに、どうして総合職正社員の女性が出産後退職するのか。 どのようにして「ぶら下がり」になっていくのか。 筆者が大学院の修士論文に加筆したもの。 学術的で様々な視点から分析されており、説得力のある良書。 ワーママを部下に持つ世代、ワーママ世代、これから結婚出産をするであろう若い世代の男...続きを読む女に是非目を通してもらいたい良書。 論文なので、気軽に読めるというわけではないが、斜め読みでもいいので、色々な人に読んでもらいたいと感じた。 メモ。 仕事の量は調整してもらいながらも、内容(質)は変わっていない例が継続の見通しがある。 預けるだけの収入を得られることに加え、やりがいがあることが、保育園に預けることの罪悪感を減らす。 雑感。 サンプルの方々、筆者の分析が自分と重なることがありすぎて、興味深く読めた。 サンプルが15人と少なく感じたが、筆者が過去の論文等で計量分析では一人ひとりの経路が見えなくなるため、敢えての15人とのこと。 学生時代に女性と認識していないマッチョ系(就活も女性が働きやすい会社とかではなく、やりがいや、男性社会の中で頑張ることを選んだ人)が辞めていく。男性同等に働き、意欲を持っていた人が、自分や会社が求めている働き方ができなくなり、諦めて辞める。(サンプルではマスコミや建築関係)また、マッチョ系の人は男性の育児参加や、子育て理解にも保守的。(バリバリ働いている男性を見ているからか?) 自分が女子校出身等で、女性であることを受け入れて過ごしてきた人は、女性が活躍できそうな会社を選び(やりがいと引き換えか?)、出産後も会社の制度を利用してマミートラックにも多少耐えながら継続している傾向がある。 会社は、育休明けの人の仕事の質を落とさずに、量を調整することで、離職を避けることができる。心理学的に仕事にやりがいが無いと、長時間子どもを預けてまで自分がやる必要のある仕事か?と思ってしまい、辞めることを考える。特に、新卒総合職で就職した女性の伴侶は同じくある程度の給料をもらっているため、共働きでないと生きていけない経済状況ではない。 母親側は、職場に諦めるのではなく、できるだけ交渉することで、仕事を継続することを検討する。次世代のためにも。 女性同士で戦わない。(これは非常に難しい…)
高学歴、高収入の総合職女性が、現場でどういったプレッシャーを与えられ、結果として職場を去る決断やキャリア実現に対するモチベーションを一部下げる(諦める)ようになってしまうのかを、様々な論点に渡り議論している良書。 現在の15人の女性を調査する形式で、彼女たちの育った環境(家庭、教育面)、現在の環境(...続きを読む職場、夫、両親)等に光を当て、幅広く分析している。 私の年齢層よりは若干上の方々が、どういったことに悩み、そうなってしまったのかを知る上で非常に参考となった。 女性に限らず、男性にも、あらゆる年齢層の人にも読んでほしい。そして、思うだけでなく小さなことからでも行動していってほしい。 以下、雑感。 ・女性には現在、制度があるがゆえの「産め、働け、育てろ」プレッシャーがある。聞いただけで辛い。 ・夫の家事参加が非常に低い。今の社会の現状を変えていくには、女だけが訴えるのではなく、働く女性と同じ目線に立った男性たちにも声をあげてほしい。 ・女性は諦めて職場を去ってしまう。それでは今の世の中は変わらないと思う。高学歴、高収入の仕事についている恵まれている層の女性にこそ、社会の変革に立ち向かい、声を上げる義務があるのでは?諦めたり逃げても何も変わらないと思う。絶対辛いことが予想されるけれど、私も逃げずに立ち向かう人でありたい。世の中を少しでも変えるための努力をしたいと思った。 ・高学歴な女性ほど、家事育児に協力できない男性と結婚してしまうという現実には非常に納得。男性のみなさんには、働き続けたいと考える女性からすると、育児家事をやらない男性は非常に魅力が下がるという事実を男性にも気づいてほしい。一方で、そういったプレッシャーが男性たちにもかかっていることは過剰であるとも思う。 ・結論として、日本人は働きすぎだから、短時間で効率良く成果を出し、男も女も家庭のことを普通にできる未来にしていかなければならないと思う。この意味では、日本はすごく遅れてる。今住んでいるイギリスではあり得ないことだ。 ・アカデミックな見方をすると、研究としてよくまとまっていると思う。reserach questionのまとめ方。reserach methodの選択、limitation、考察、過去の研究事例などを踏まえたliterature reviewなどなど。社会科学分野の学生には良い研究手法の手本になる本だと思う。文庫本にしては内容が非常に充実しているし、限定的ではあるものの、深い部分まで洞察していると思う。
社会学の書籍としても、組織論の書籍としても、ジェンダー論の書籍としても優れた良書。現時点の日本では、女を受け入れ、女としてのキャリアで妥協している層がキャリアを積んでるとうのが皮肉だった。
個人的に今読むべき本だった。 なぜあんなにバリバリ働いていた女性が出産を機にぶら下がりのように見えたり、辞めてしまうのか。そこには男性のオトコ並み働き方を前提とした社会、そこに対応した名誉男性と女性性を受け入れている女性同士の対立でそもそも社会は変わらない、など… 今までの自分の考え方に新しい視点...続きを読むを入れてくれた良書。
自分自身もまさに「育休世代」であり、本書に書かれている問題に直面しているので、非常に共感を覚える。 同時に道は険しいとも感じる。 筆者の「本を書くことで世の中を変えたい」という思いに賛同します。
産んで育てて男性と同じ位働けっていうゲームには参加したくない。って社会人2年目位で思って、そこから抜け出していないし葛藤続きの私には、とりあえずやってみている人たちは、まずそのことがすごいなと思う。 選択の自由がある道にいて、こんな社会で大変だけど子どもを持つことが大切な人や産んでから気づいた人は...続きを読む調査対象のようになり、先に気づき矛盾に苦しみ戦うほど子どもを持つことの優先度が高くないと(他にも理由はあるが)私のようになる。 違う選択をしているけれど、私もこの人達と表裏一体。 もともと知ってはいたけど、自分の中の矛盾した希望や価値観のせめぎ合いが明示されていて分かるなぁと思うこと満載。 個々人の一度しかない人生は、社会の影響を多大に受けるんだよなぁと、しみじみ。 サンプル数が少ないということを著者が言及していましたが、私が13年働いている子育てをする女性が沢山いる会社で周りの先輩や同期の状況、葛藤、周囲の反応をみていて感じ考えていたこととの乖離感じなかった。 男並みに働いていた先輩は子どもの成績悪化であっさり退職、子育て中は葛藤しつつ全部60点で良しとするのと話してくれた先輩は働き続けている。 私にできることは‥、立場の違う女性同士の誤解に行きあったら表裏一体なだけだということ、共感の視点を伝えて女性間の分断の解消に微力だけど貢献できるかも。管理職や意思決定に関われる立場の女性と接点があり、私が子どものいない女性だから相手に聞いてもらいやすい気がする。(つい先週も女性マネージャーが、ぶら下がり女性社員と評する子どものいる社員への厳しい見方をしていた) あと、そういう人にはこの本勧めよう。 #Bookoff
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