中野円佳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なんでバリキャリ女性ほど出産を機に辞めてしまうのか、その辺の理由、背景が分かりやすい。
確かに、男性にも読んでほしい本。
自分が出産を控える立場になって感じることだが、復帰してバリキャリを続けるか、それなりに妥協して働くか、会社を変革してさせるようなパイオニア的なスーパーな女性を目指すか、戻る場所があることに感謝して淡々と与えられた業務をこなす日々を送るか、など、どんな立ち位置とかスタンスで行くべきか、将来の自分を想像しながらもまだまだ他人事として考えてしまう。
実際に、育休から復帰して、両立してみてはじめて見えてくるものもあるんでしょうね。
色々考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
日本の学歴社会の頂点に立つ東京大学は、実は大きな格差を内在している。男/女、東京圏/地方という四象限で分析すると、マジョリティとしての東京圏男子と、マイノリティの地方女子の大きな格差が浮かび上がってくる。東大に入学してくる新入生の半数程度が東京圏男子であり、中高一貫校を経て鉄緑会のような塾歴を持ち進学してくるのが特徴である。地方男子が約30%、東京圏女子が15%と続き、地方女子は約5%となっている。
東大卒、という学歴に期待されるのは大きく2つの伝統的キャリアがあり、研究機関として世界に伍する最先端の科学技術を探求する研究者と、官僚養成機関として国家の中枢を支える公務員というイメージが先行し -
Posted by ブクログ
教育や育児のように若年世代が対象となっている場って意外と性別で分けるような言動がまかり通っていると思う。娘と息子がいるこの本の著者にしたって、ジェンダー意識が高いはずだけど何となく息子よりも娘をジェンダーニュートラルに……というか、ピンクやお姫さまに傾向しないように力を入れているような感じがした。ことほど左様に身近なおとなの存在が子どもに大きな影響を与えることだろう。
とはいえ、好きなランドセルを選ぶエピソードなどから、親やその子どもをいとしく思う立場だからこそ危険を避け、その子の趣味に沿わない標準のものを選ぶよう仕向けてしまう気持ちもわからんでもない。そして子どもたちもそういう親の気持ちを忖 -
Posted by ブクログ
・サラリーマンの働き方には妻の支えが不可欠。長時間勤務、全国転勤
・パート主婦は家計補助としか見なされず低賃金
・家事が高度化している。家電も増えたが家事に費やす時間はそこまで大きく減っていない、求める水準がどんどん高くなっているから
・一汁三菜は元々もてなし料理
・ワンオペの辛さは自分で時間をコントロールできないこと。専業で家事育児を担うのは精神的肉体的に大変
・母親が保育を担うことで国が予算をかけたり考えなくて良いしくみにされてきた
・小一の壁も大きい
・夫婦それぞれが、収入を得る役割、家族をケアする役割を分担したり交換したりしながらその時々の役割に適した働き方を選択し続けていくあり方を目 -
Posted by ブクログ
共働きも専業主婦もそれなりに辛く、男性もそれなりに辛く、今の社会システムが制度疲労をおこしてるという前提については概ね賛同できた。しかし、筆者は「主婦がいないと回らない仕組み」を壊す可能性をシェアリングエコノミー、ギグワーク、ジョブ型雇用などの中に見出しているが、私はそこには賛成できなかった。本書のなかでは繰り返し「私たちが子どもたちに残したいのはどんな世界か」が語られるのだが、私はジョブ型のような労働を切り売りするような働き方には人間らしい豊かさを感じないため、それを次の世界に残したいとはどうしても思えない。どちらかといえば、荒唐無稽なチャレンジを支えるためにベーシックインカムを実現する、と
-
Posted by ブクログ
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。
2019年、東京大学の入学式祝辞でこう述べたのが、上野千鶴子さんであった。本書の冒頭で紹介されている。この言葉に、上野さんらしさが凝縮している。そして、その実践の場が上野ゼミだった。
とてもハードそうだけれども、それを上回る実り多き学びの場だ。そして上野さん自身が、実によく気づき、支え、教えてきた。真の教育者の姿がここにある。登場す