あらすじ
【「東洋経済オンライン」ジャーナリズム賞受賞! 上野千鶴子さん推薦】シンガポール在住、現在は日本とシンガポールを行き来しながら活動する著者が、日本の働き方の矛盾に斬りこんだ本書。 ●仕事と家事・育児の両立にいっぱいいっぱいの共働き家庭 ●家事・育児の責任を一手に背負い、逃げ場のない専業主婦 ●「稼ぎ主プレッシャー」と滅私奉公的働き方を課された男性 こうした「共働きも専業もしんどい」状況は、じつは日本社会の「主婦がいないと回らない構造」が生み出していた。長時間労働や無制限な転勤など、終身雇用・年功序列という制度で回してきた「日本のサラリーマンの働き方」。これらの制度は、主婦の妻が夫を支える前提で作られている。専業主婦前提の制度は、会社だけではない。丁寧すぎる家事、保育を含む教育への予算の低さ、学校の仕組み……問題は社会の様々なところに偏在し、それぞれが絡み合って循環構造を作っている。「女性が輝く社会」というスローガンがむなしく聞こえるのは、この構造が放置されたまま、女性に「働け、輝け」と要請しているから。ギグ・エコノミーや働き方改革、多様化する働き方は、循環構造を変える契機になり得るのか。日本の「主婦がいないと回らない構造」を読みとき、その変化の兆しを探る。「東洋経済オンラインアワード2018」でジャーナリズム賞を受賞した好評連載に大幅加筆のうえ、書籍化されたものの電子版。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さすが日経の元記者さんだけあってリサーチと分析がとてもわかりやすくて丁寧で良かった。「なぜ子育てをすると本が読めなくなるのか」よりも、社会構造に切り込んだ具体的な解決策まで提示しているのでこちらの本の方が理解が深まる。
Posted by ブクログ
今の日本、家庭、職場の課題をとてもわかりやすく学べた。学校も保育園幼稚園もそう。なぜ乗り越えるのがこんなに辛いのか。何かを犠牲にしなければ立ち向かえないのか。すべて程々に、好きなように流れて生きていたい…。
主婦前提の社会システム、おかしいともっと声を上げるべきだと思った。今後自分もそういった溝を埋めるために力を尽くしていきたい。
Posted by ブクログ
ぼんやりと感じていたことが明確に言葉になり確信に至った感覚。
いまだに強く根付く専業主婦前提社会によってみんな疲弊している。
働く母親…長時間残業前提の企業戦士並みの働きをしないと一人前と認められず悶々とし、十全な育児ができてないのではと思い悩む
専業主婦…閉鎖的な空間で家事・育児のすべてをひとりで担わなければならない、専業主婦がしなくてはいけない事柄が膨れ上がり脱せなくなる
また専業も働く母親も選んだ選択肢に自信がなくどことなく後ろめたさを覚える
男性…男女の賃金格差が大きいので、家計を支えるという任務から抜け出せない
では専業主婦前提社会を変えればいいのでは?といっても、この社会は社会全体のシステムが複合的に絡み合って成立してるのでそう簡単には変えられない。
(女性に不利な雇用制度、社会保険制度、家族同伴の転勤、ケアを外注できない風土など)
その時々のライフステージによって様々な役割をこなしそれが社会的に意義があると見なされきちんとキャリアに繋げる。なにより幸せなキャリア人生を送り、子どもに「働くって楽しい」と思ってもらう。そのために何をすべきなのか、なにからてをつけるべきなのか、。
Posted by ブクログ
・仕事と家事・育児の両立にいっぱいいっぱいの共働き家庭
・家事・育児の責任を一手に背負い、逃げ場のない専業主婦
・「稼ぎ主プレッシャー」と滅私奉公的働き方を課された男性
こうした「共働きも専業もしんどい」状況は、じつは日本社会の「主婦がいないと回らない構造」が生み出していた。
長時間労働や無制限な転勤など、終身雇用・年功序列という制度で回してきた「日本のサラリーマンの働き方」。
これらの制度は、主婦の妻が夫を支える前提で作られている。
専業主婦前提の制度は、会社だけではない。
丁寧すぎる家事、保育を含む教育への予算の低さ、学校の仕組み……問題は社会の様々なところに偏在し、それぞれが絡み合って循環構造を作っている。
「女性が輝く社会」というスローガンがむなしく聞こえるのは、この構造が放置されたまま、女性に「働け、輝け」と要請しているから。(紹介文より)
ーーーーー
子どもを育てながらフルタイムで働いている私には、とても響いた1冊。
現状はよくわかった。
社会的背景も納得のいくものだった。
じゃあ、今どうするの?の答えはない。
少しずつ社会は変わっているけれど、今私を楽にしてくれるものではない。
社会が変わるには、時間がかかるのだ。と諦めを強くする1冊。
第一部なぜ共働きも専業もしんどいのか
・1955年から半世紀以上主婦論争が続いている
・①好きで専業主婦をやっているわけじゃない
②好きで専業もをやってるから、ほっといて欲しい
・制度や仕組みを疑うことなく自己責任論に帰してしまっていいのか。本当は改善された方がいい既存の課題含みのシステムは放置され、時に強化されてしまう
・人は相対的な不満を抱える生き物。もしかしたら自分も選べたかもしれない選択肢を羨ましく思う
・「仕事も子育ても」は、ワガママなのか。
・教育問題や社蓄を生んだ戦後日本型循環モデル
第二部主婦がいないと回らない構造
・しんどさのカギは「自己決定できること」「自分で時間や状況をコントロールできること」
・共働きが増えたといっても「夫は仕事、妻は仕事家事育児」
・共働きとはいえ女性は約6割が非正規。正社員は専業より少ない。
・日本の家事は高度化している
・子どもは完璧な献立より、楽しいお母さん、楽しい食卓がいい
第三部変わる社会の兆し
Posted by ブクログ
共働きでも専業でもそれぞれつらい。
そこには、男は仕事、女は家庭という固定観念から男は仕事を辞められず、女性はキャリアを諦めざるを得ない。
かと言って専業になると子育てが大変な上、保育園にもまともに入れない。
スラスラ読めた1冊。
Posted by ブクログ
今の日本は、構造面と人々の慣習面(マインド面)から子育てしながら働き続けることの難易度が高くなっているとよく理解できた。これからの自分と家族がどう舵取りをしていくか沢山のヒントを得ることができた。
Posted by ブクログ
専業主婦経験者の著者、とても納得するところもあった。複雑なことがこの一冊に盛りだくさん。そして生きづらい世の中だなと感じました。どちらを選んでも後悔するだろうしどうやっていくのか考えなくてはいけない。
Posted by ブクログ
専業主婦に依存する社会に問題提起する本。本書は日本社会がいかに主婦のタダ働きに支えられてきたかを説明する。会社都合を優先させる転勤の仕組みや、学校での保護者の働きなど、共働きの世帯にとって非合理的。私自身、妊娠した途端に「里帰り出産はするの?」「お母さんは手伝いに来てくれるの?」と聞かれる毎日に辟易した。誰も「旦那さんは育休取るの?」とは聞かない。私の両親は現役で仕事をしているのに、なぜ子育てが始まる前から“専業主婦であるはずの祖母”の活躍を周囲から期待されるのか…日本の現状にがっかりする。
Posted by ブクログ
シンガポール在住で二児の母である著者が、日本の社会を分析する
第一部 なぜ共働きも専業もしんどいのか
1 共働きがしんどい
・専業主婦を志向する20代女性が増えている
→ 共働き家庭で育った子どもが、親の背中を見て「こうなりたい!」と思える環境でない
・親世代は祖母(元専業)という頼れる存在がいたが、現在では頼れる仕組みがない
・男性が主夫になったところで周囲の理解は得づらい
男性用トイレにおむつ替え台がなかったり
・夫婦フルタイムはしんどい
→キャリア競争から降りるか、離職につながってしまう
保育園のお迎えで早上がりすることの罪悪感
・子どもとの時間が足りない、十全な育児ができていないのではないか、という自信のなさ
2 専業主婦がしんどい
・夫の転勤に付き合うしかない
休職制度がなければ仕事を辞めざるをえない、帯同先で孤立してしまう
・夫や社会に引け目を感じてしまい、お金を使いづらくなったり、家事のプレッシャーが強まる
・「自分で選んだんでしょ」といった自己責任論や、「専業になれるなんていいですね」という嫌味
・専業を経て再就職したり、柔軟に働く人が増えることで、専業とワーキングマザーという対立軸がなくなるのではないだろうか
3 しんどさを生み出す循環構造
・1950年代半ばの高度経済成長期、都市部への人口流入とともに「サラリーマン」が激増
→それまでの農業や自営業では家族ぐるみで働いていた
・核家族で団地に住み、専業主婦が支えることを前提とした仕組み
会社が家族ごと丸抱えするような福利厚生、給与体系
・男性中心の雇用と女性雇用のあり方が相互補完関係になっており、一種の均衡を形成していた
→ワークライフバランスを重視する企業が現れても競争に負けてしまう
→家庭における性別分業にもつながった
・高度成長時に合理的と選択された結果に今も依存している(経路依存)
→ひとたび選択されてしまうと、相互補完的な制度の集まりのセットとなり、部分的な変更が難しくなる
→男女の賃金格差が「合理的」となってしまい、再生産される悪循環(劣等均衡)
第二部 主婦がいないと回らない構造
第一章 主婦に依存する日本の社会
1 転職に踏み切れない、早く帰れない男性
・住宅ローンなどの仕組みもあり、辞めにくい
・転職を妻に反対される
・妻が働こうにも、保育園が確保できない
2 主婦を生み出す転勤の仕組み
・日本のサラリーマンは「時間、場所、職務が無限定」
転勤を断れない、メンバーシップ型雇用
→判例では徐々に転勤を断れるように変わってはいる
・夫に帯同するため仕事を辞める妻
夫の単身赴任によるワンオペ育児を避けるため、帯同休職or退職
→配偶者帯同休職制度があっても、夫の滞在期間が延びれば辞めざるをえない
・帯同した妻の就業を、夫の会社が認めないことが多い
→妻が夫をサポートすべき、という観念が根底にある?
3 「パート主婦」はなぜ値切られるのか
・日本では高学歴主婦が多い傾向
→学歴に見合う就業機会がない
・高処遇の仕事は拘束性が強く、パートは時間の融通は聞くが低賃金であり経歴を評価されない
・103万の壁
第二章 専業でないとこなせない?日本の家事
1 高度化する家事
・「片付いていない」と言いながら、ホテルのようなもてなしを頑張る専業ママ友
→親世代からの水準の引継ぎ、インスタ映え
・家電が発明されても家事時間が減らない現象は、家事時間のパラドックスとして万国共通
→時間が減ったのは裁縫くらいで、あとは技術の発達によって家事の水準自体が上がってしまう
・家事代行サービスの利用も進まない
→他人を家に入れることへの抵抗、サボっていると近所の人に思われそう
2 一汁三菜「おふくろの味」は幻想だらけ
・日本の食文化のレベルは高い、給食やキャラ弁など
アメリカのランチはビスケットやポテトだけ?
・1960年代以降の女性が料理をしていない傾向
→その母親世代は雑誌やテレビを通して料理を学んだため、教えられておらず、娘にも教えていない(あえて強要しなかった?)から
・一汁三菜は実はもてなし料理
3 主婦のアイデンティティと自己納得
・井戸端会議はネットワーク、入れなかった場合は致命的
・離職によって家事が生きがいに
認知的不協和
「男女平等であるべき」と思っていた人が専業主婦になると
①認知自体の修正(性別役割分担のほうが合理的だな)
②現実を認識に合わせる(やっぱり働きに出たい!)
のどちらかを選ぶことになる
→①のパターンが多い?
・夫に嫌われたら終わり
夫のカネで生活、フラストレーションを飲み込むようになる
自分がここに住んでいられるたった一つの理由「夫の愛を確保できていること」
・団塊世代の主婦
夫に家事をやらせず、靴下のありかもわからないようにしておく
→私がいないとダメだと思わせる、依存させるという生存戦略
第三章 子育て後進国・日本の実態
1 ワンオペ育児に苦戦する母親
・仕事と育児の両立中、仕事をやめようと思ったことがある女性は55.5%
→理由としては「子どもに向き合えない」が多い
・専業主婦は逆に負担が重かったり、時間を持て余している
→子どもの体力を使わせ、時間を費やすために習い事へ通わせる
→それを見た共働き家庭も、焦って習い事へ行かせる
2 祖父母頼みは成り立つか
・教育方針の違いと世代間ギャップ
→実の親子である母娘関係も例外ではない
母に助けてもらっているのは事実なので、不満を言い辛い
3 置き去りにされる「保育の質」への不安
・3歳までは母の手で育てる(三歳児神話)は神話にすぎない
→世界的にはむしろ、就学前教育への公的投資に注目
・日本は「量」の確保で躓いていて、「質」の議論が二の次
保育園はほったらかし、幼稚園は専業向け?
4 立ちはだかる「小一の壁」
・それまでとは別の問題が出てくるが、周囲は「だいぶ楽になったでしょう」
放課後の居場所問題、いじめ、「紙ベース」の学校連絡、PTAなど
第3部 変わる社会の兆し
1 変わる夫婦
・専業主夫になればいい、と役割を入れ替えるだけでは解決しない
男性も女性ももっと流動的に仕事を変えられるように
2 変わる働き方
・フルとパートの間、週3~4日の働き方
・ギグ(単発の仕事)エコノミー
→保険制度の見直し、価格保証などフリーランスの保護が必要
3 変わる人事制度
・ジョブ型(勤務地や職務を明示化)や手挙げ制、転勤の見直し、リモートワーク
・キャリアの階段を緩やかに
欧米ではキャリアを追求するエリートのみが長時間労働をしているが、日本は「皆階段を上る」
→キャリアを追求すればケアは難しいというのは世界共通なのでは
4 変わる家事
・家事代行の市場規模や多様化が進んでいる
Ctoのマッチングなど、利用者増の鍵は「対等感」
→お願いすることで、家事は有償であり、れっきとした仕事だということに気付く
5 変わるべき保育・学校
・利用者同士が子どもを預かったり送迎したりするサービス(アズママ)
→ファミサポやシルバー人材は世代間ギャップ
6 変わる世界の中で
・日本企業はダイバーシティといって主に「女性活躍」を進めてきた
→これからは女性という「属性」ではなく、「個をどう生かすか」に視点が移っている
多様性はコミュニケーションコストがかかるが、革新的なアイデアが出やすい
Posted by ブクログ
なぜ女性は仕事で上り詰めることができないのか?
なぜ家事がこんなにしんどいのか?
保育や学童はこれでいいのか?
など。
・sentient activityを通じたマネジメントは女性ばかり担っていて、その状態から誰かに作業を委ねようとするとかえって言語化する手間が生じてしまう。
・「もしかしたら自分だって選べたかもしれなかった選択肢」と比べての「相対的」な不満「相対的剥奪感」
Posted by ブクログ
書名通りのためあらすじ割愛。
現在子あり専業主婦の立場で、いずれは働きたいと考えているので、共働き、専業主婦どちらに関しても非常にためになりました。専業主婦については、自分では言語化できなかった部分を説明してもらえて、そうそう!と納得しました。
共働きに関しては、子供が大きくなるにつれて生じる問題が次々とあり、正直いつになったら働き出せるのかと不安にもなりました。
そして実際働き出したとしても、社会の構造上、主人に家事育児の一部を担ってもらうことは不可能なのだと絶望しました。
何度脳内でシミュレーションしても、全ての負担が自分にのしかかる姿しか想像できません。主人は保守的な人間なので、私が働きに出るまでに劇的に社会構造が変わることを強く願います。
子供が生まれてからは働きに出ていませんので、ワーママの実態について知ることができ、参考になりました。
自分で言語化できなかった部分は「sentient activity」という言葉です。ケアが成り立つために必要な「感知すること」「思考すること」。
この概念を知ったことは私の中では画期的なことでした。文中の例でもありましたが「料理をする」という一つの家事について、主人に任せた時は本当に単純に「料理をする」という事だけしかしませんが、私が日常の家事の一つとして「料理をする」となった時、その背景に冷蔵庫や日用品の「在庫を確認」して何日分かの「献立を立て」「買い出しに行き」、子供のお迎えや子供に割く時間配分を気にしながら、そこでやっと出てくる「料理をする」、その後も、調理後の「洗い物」「配膳」など…。たった一つの「料理をする」という家事をこなすだけで、言い出したらキリがないほどさまざまなタスクが生じます。そしてそれらが所謂「名もなき家事」にあたるのだな、とここまでは私の事前の知識の範疇でした。
更に「sentient activity」を加えると、献立を考える時に子供や主人の状況や好み、いつ買い出しにいけるかといった感覚的なマネジメントが加わります。
「こうした「sentient activity」を通じたマネジメントを女性ばかりが担っており、その状態から夫など誰かに作業を委ねようとするとかえって言語化する手間が生じること、マネジメントが目に見えない活動ゆえにその困難を男性に理解させることが難しい」(p.44)には激しく同意しました。
なぜ主人に料理を任せても私自身の負担が思ったより減らないのかがよく分かりました。
なぜ自動調理器やお掃除ロボットを導入しても家事の負担が思ったより減らないのか、本書を読んでとても良く分かりました。
そしてこれらの負担を確実に減らすためには、社会全体の構造を大きく変えていく必要があるのだとよく分かりました。
まだ私が働きに出ることが可能になるまで数年あります。それまでに社会構造が変わるとは到底思えないので、自身でできることを探していこうと思います。
Posted by ブクログ
タイトルに一言で答えるなら、女性が過剰に家事育児を担い疲弊しているから、これに尽きる。
様々な論文やデータ、インタビューを元に構成されているが、学術的というより著者の強い思いも時折感じられ、何度も頷きながら読んだ。
親世代の丁寧な育児に縛られたり、夫のおふくろの味に縛られたり。便利家電が出てきても変わらない家事時間。
日本の女性は頑張りすぎている。
じゃあどうすれば良いかというと真新しい対策が出てくるわけではないけれど、現実を認識するのには良い本。
Posted by ブクログ
・サラリーマンの働き方には妻の支えが不可欠。長時間勤務、全国転勤
・パート主婦は家計補助としか見なされず低賃金
・家事が高度化している。家電も増えたが家事に費やす時間はそこまで大きく減っていない、求める水準がどんどん高くなっているから
・一汁三菜は元々もてなし料理
・ワンオペの辛さは自分で時間をコントロールできないこと。専業で家事育児を担うのは精神的肉体的に大変
・母親が保育を担うことで国が予算をかけたり考えなくて良いしくみにされてきた
・小一の壁も大きい
・夫婦それぞれが、収入を得る役割、家族をケアする役割を分担したり交換したりしながらその時々の役割に適した働き方を選択し続けていくあり方を目指すことが、長い目で家計を安定させる
・転勤の仕組みを見直すべき
・週3〜4の働き方もあり
全体的にそうだよなーと思う内容。全体的に内容について驚きは少なかったがやはり専業のしんどさはもっと理解されるべきと思う。
個人的に家事で求めるクオリティを高すぎることは首を絞めるなと思う。ここまでのクオリティを求めてきたのは歴史的にも無いし共働きの状況にマッチしてない。ここまで高いクオリティの家事を求めたら本来外注すれば大変なこと。そこそこでよしとすることは大事と感じた
Posted by ブクログ
SNSで断片的に取り上げられる問題が整理されている本だった。転勤・長時間労働など働き方の問題や賃金の男女格差、専業主婦対共働き、保育の質・量の不足、など。著者はシンガポール在住とのことで諸外国との比較もあった。時代の変化とともに少しずつ変わってきてはいる、グローバル化社会で生き抜くためには変わる必要がある、とあったが、今現在渦中の子育て世帯としてどう動いていくかは自分で考えなければならない。
Posted by ブクログ
共働きも専業主婦もそれなりに辛く、男性もそれなりに辛く、今の社会システムが制度疲労をおこしてるという前提については概ね賛同できた。しかし、筆者は「主婦がいないと回らない仕組み」を壊す可能性をシェアリングエコノミー、ギグワーク、ジョブ型雇用などの中に見出しているが、私はそこには賛成できなかった。本書のなかでは繰り返し「私たちが子どもたちに残したいのはどんな世界か」が語られるのだが、私はジョブ型のような労働を切り売りするような働き方には人間らしい豊かさを感じないため、それを次の世界に残したいとはどうしても思えない。どちらかといえば、荒唐無稽なチャレンジを支えるためにベーシックインカムを実現する、という方向性のほうが魅力的に感じる。
Posted by ブクログ
緩い階段、という解が得られるのか今の自分にはまだ見えてない。。渦中の主婦にとっては、問題提起や分析は納得だが、そんなに希望が見えてこないので読むのはちょっとしんどい。
Posted by ブクログ
なにか課題があるにも関わらず当事者たちが「自分で選んだんだから」と自己暗示をかけることで、
本当は改善されたほうが良い既存の課題含みにシステムは放置され、ときに強化される可能性もある
再生産労働
共働き家庭が、喉から手が出るほど欲しているはずの「子どもとの時間」。長すぎると持て余すが、短すぎると渇望する。その二極化に親が四苦八苦している。
フルとパートの間くらいの働き方→ショートフルタイム
専門性が高く高所得を確保できる個人はギガエコノミーの経済圏でも活躍できるが、低技能層にまで拡大していくと、懸念もある。
Posted by ブクログ
飛ばし気味に読んだ
たくさんある、○歳の壁
ギグワークを新しい選択肢として残しているものの、高い能力を持った人に限られるとか、社会の構造が変わってもできるか、とか課題も残してる
男の方が、自分自身のキャリアをどれだけ周りと柔軟にできるか
緩やかな階段; きつい期間をやり過ごしてその後キャリアを築けるように
Posted by ブクログ
"手料理がうまくないと女性として失格、というような世間の見方もぜひやめてほしい。結婚披露宴でのファーストバイトで「一生美味しい料理を作ります」みたいな司会も、芸能人の結婚会見で妻の料理で好きなものを夫に聞くのもやめてほしい。料理をするのは女性でも男性でもいいし、その在り方もさまざまに変化していくものだろう。"(p.123)
Posted by ブクログ
“家に専業主婦の妻がいる男性“だらけの職場で正社員として勤務しつつ、激務の夫に頼れないで、小1の壁に苦しんでいる今こそ読まなくては!と手にとったものの…
社会構造の問題点が分かりやすく論理的にまとめられてはいるけれど、具体的に私達子育て世代が役員世代にどのように働きかけていくか、どのようなサービスや公的支援を利用していけば良いかといった解決策の提示は一切なく、ただただ、辛い事実が羅列され、こんな世の中で子育てとか無理ゲーじゃんと、絶望的な気持ちになります。
確かにタイトルも、''なぜしんどいのか''であって、''どうすればしんどくなくなるのか"じゃないもんな。
そしてなぜしんどいのかを理解していて欲しい"制度をかえていく側の人"は絶対読まないよなーこの本。
Posted by ブクログ
しんど、と言いながら最後まで読んだ。息子によれば、読みながら何度も、しんど、と言っていたらしい。
仕事をめぐって、家事をめぐって、子育てをめぐって、様々な角度からいかに女性がしんどい状態に置かれているか、これでもかこれでもかと畳み掛けてくる。断片的にはネット記事などでよく目にする内容ではあるのだが、この本の価値は、がんじがらめになって悪循環に陥っていく様を体系的に論じている点にあると思う。
しかし、論理的に説明されればされるほど、違和感が残るような気がする。それは、ジェンダーが文化と切り離せないという視点が欠けているからではないだろうか。
ジェンダーは文化そのもの、とも言える。ジェンダーから役割や振る舞いというものを切り離そうとすることは、文化そのものを破壊することに繋がっていくのではないか。
そして、今よりもっとジェンダーや公平性に配慮したきめ細かな制度は作れるだろう。でも、その制度を運用しようとして更に息苦しい世の中になっていくのではないか。
しんどい。
Posted by ブクログ
この本を読んで、子育てをしたい!と思う方は、どのくらいいるんだろうか。
いつも、こうしたテーマの話になると「労働基準法を変えればいんじゃね?」って思うけれど、果たしてそうだろうか。
サマータイムもプレミアムフライデーも、日本人にはなじまないように、きっと法律を変えたって(例えば、法律で一日の労働時間を短くしたって)日本人は働きまくる。
じゃあどうすればいいか。
日本人は、グレーゾーンが苦手だ。このままでは、生きるには専業主婦(主夫)もしくは正社員のいずれか選ぶことを迫られる。というか、迫られている。誰かがいないと生活が成り立たないような、そんな制度になっているからだ。誰もいなくても生活が、社会が回るシステムとか、お金と引き換えに誰かがやってくれるシステムとか、そういうのがないと、やっていけない。後者はお金がある人はいいし、実際そうしたサービスはどんどん増えている。でも、制度を利用できる人が、「世間体が…」と言って利用しない。前者はどうだろう。前者のシステムになるには、自立を前提とした制度が必要だ。
今の日本の制度は、自立を阻害するような制度になっている。扶養が特にそうだ。103万の壁と、130万の壁。逆転現象は特にダメでしょ。現在の自営業の保険を見てもわかる通り、会社員と比べると、圧倒的に不利。特に正社員。組織に属している、というだけで特権階級。
わたしは自由に生きたいから、世間体とか、専業主婦を選ばざるを得ないといけない状況とか、そんなことはまっぴらごめんで。でも働き続けると言っても今の世の中共働きで子育てなんて自分がキャパオーバーになるなんてわかってる。さらに、自分の生い立ちのことも含めると、家族を持ちたいとかそんなことも思ってない。だから結婚にもそんなに興味がない。
専業主婦を選ばざるを得ないのは、制度がそうなっているからだ。それを女性が担うのも、男性が当然のように働くことを選ぶのも、制度が前提となった世間体だ。日本の男性の育休制度は、世界が誇るほど素晴らしいものだ。それなのに、その利用を阻むのは、世間体だ。(おのれ世間体…!)ニワトリか卵か。制度ができた時は、一億総中流と言われた社会だった。格差社会の今は、それに合わせて制度を見直さないといけない。幼児教育の無償化が、果たしてその役割を果たしているのか?全く果たしてないわけではないかもしれないけれど、今着手すべきがそこなのかどうかってこと。
制度として扶養に入った方が生活しやすいのであれば、誰だって扶養に入りますよ。そしたら当然、扶養に入っている側が、どうしても立場としては弱くなる。いくらジェンダーがどうのこうの言ったところで、制度が、国が、力のある側の味方をしている。女性が子育てをするのは当然なのに、男性がちょっとでも子育てに関与すればイクメンと言われる。女性が家事をするのは当然なのに、男性が家事をすれば家庭的と言われる。女性が電車で子どもを泣き止ませられないと非難される。働くママ、と言うわりに働くパパ、とは言わない。男性は働かないとヒモと言われるのに、女性は専業主婦という立派な職業になる。
労働基準法をどうにかいじったところでこの国は変わらなさそうだし、保険制度をいじる方が、実態と合う気がするんだけどな、なんて素人ながらに言ってみる。
Posted by ブクログ
専業主婦前提社会が保たなくなってきているとして、どうすれば良いのかの分かりやすい処方箋は本書にはない。ある主夫の「自分の時間が欲しかったから」に激しく同意。3歳の壁、小1の壁、小3の壁、中一の壁、とこれからも壁ばかりみたいです。。。保育の質は重要。今の保育園は悪くないけど体力的には物足りない感じなのかもなぁ。学童ってどんなとこなんだろう?もしかしたら学校選ぶより大事かもしれない。学童イヤとか言われたらと考えるだけで恐ろしい。。。まぁ、そのときは自分が時短勤務しますかねぇ。期日は全部午前中にして、あ、IT化すれば家でできるじゃん!!素晴らしい。