VOFANのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆3.5
物語シリーズ第9弾、今巻の主役は神原。
今巻はこれまでのような軽快でアホな会話劇がほとんど無く、これまで読者が持っていた神原駿河のイメージ像が変わった感じですね。
良い意味で裏切られたかと言うと正直微妙です。
作中でもたびたび語られる『自分に対する自分と他人の評価のずれ』というやつでしょうが、展開に大きな起伏もなく淡々と進むので退屈だったと言わざるを得ません。
阿良々木くんや火憐ちゃんが出てくるシーンが唯一の良心。
肩すかしを食らった気分。
アニメ化するのが心配だ・・・。沼地が延々と語るシーンとかどうするんだ?上手いことしないと死ぬほど退屈だと思うがw -
Posted by ブクログ
何かを成す時、大義名分がしっかりしていると格好良い。けど、それはともすれば胡散臭く見えるものかもしれない。むしろ格好つけないで、「ただ自分がそうしたいからそうする。」と、割り切った人は格好良く見える。
本書のシリーズの登場人物は、一貫してそんな割り切った、腹を括った人ばかりなのが、読んでいて気持ち良い。
自らが犯してしまった結果、背負う事となった業を、あっさりと取られてしまったらどうだろうか。素直に喜ぶべきなのか、それとも取り返すべきなのか。労せずして叶う願いに、価値はあるのだろうか。物語を通して様々な価値観が議論されるのが面白いです。 -
Posted by ブクログ
“とにかく。
親ではない親を。
娘を殴るような親を——庇おうとしている。
そんな羽川が。
僕は友人として——素直に気持ち悪かった。
なんだこいつ。
なんなんだ、一体。
「暴力が仕方ないなんて——何言ってんだよ。お前がそんな言葉を吐いちまっていいのか?それは、お前が、もっとも許せないことじゃ——」
「いいじゃない——一回くらい」
羽川はそんなことを言った。
いや。
僕は、そんなことを言わせた。”[P.120]
「つばさファミリー」
知らぬまに、落ちているのが初恋だ。
“「だけど阿良々木くんの気持ちってのも、あるんじゃないのかい?」
「僕の——気持ち」
「僕はてっきり、阿良々木くんは委員長ちゃんに恋しちゃってるんじゃないかと思ってたけれど」
「馬鹿言うなよ」
僕は笑う。
にやりと笑う。
そして——
ここはにやりと笑って、格好のいい場面である。
「僕は羽川に、恋しちゃってねーよ」
「そうかい」
「そうだよ」
そういうことに——しておこう。
それが一番、幸せだ。
はっはーと、忍野も笑った。軽く笑った。”[P.301] -
Posted by ブクログ
“「もうお兄ちゃん、妹のおっぱい触り過ぎ!」
「それ、そこだけ切り取って聞くと、なんだかものすごいキャラだな......」
好感度の欠片も残ってない。
鬼畜とか鬼とか、そんな言葉じゃ足りねえよ。
そいつは悪鬼羅刹だ。
「今の言葉、書店用ポップとかで使うからね!」
「どこの書店さんが使ってくれるんだよ、そんなポップ」
「我こそはと思わん書店さんに、期待したいよね」
「やめろ、煽るな」
どんな営業妨害だよ。
「まったくもう」
月火は廊下から立ち上がって、ぶつくさ言いながら、僕に剥がされてしまった浴衣をあたふたと着直す。
「あんまこんなことばっかりしてるようだと、私達、本当に羽川さんにお兄ちゃんのあれやこれやを密告しちゃうからね」
「それは勘弁して欲しいなあ」
どんだけ怒られるかわからん。”
「つきひフェニックス」
青春は、にせものだけでは終わらない。
“「なんで」
と、かろうじて言う。
かろうじて問う。
痛みと混乱と動揺の中、かろうじて——
「なんで月火ちゃんを......狙うんだ」
狙った獲物、とか言って。
月火に狙われる理由なんか——ないだろう。
かつて忍が吸血鬼狩りの専門家達からその生命を狙われたのとは、わけが違う。
「月火ちゃんには......あなた達から狙われる理由なんか」
「あるやん。ありゃあ怪異やで、バケモンや」
影縫さんは振り向きもせずに、当たり前みたいに辛辣に、僕からの質問に答えた。
高い位置から僕に答えた。
「子で子にならぬホトトギス——化物の偽物が、人間の家族に混じって人間の振りして、人間を騙して生きとんやで——そういうのを指してな、うちらは『悪』、ゆうねん」
「............」
「うちら正義の味方としちゃあ——見過ごせんよ」
そないな詐欺はな。
許せんよ。
そう言い残して——影縫余弦と斧乃木余接。
怪異と人間。
陰陽師のツーマンセルは、僕の家の前から去っていったのだった。”