岩波明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
国語便覧を見るのが好きで。自分が学校でもらう学年になる前から兄のものを眺めていました。中でも近現代の文豪のページを読むのが好きでした。
顔写真、ペンネーム、本名、年表、死因、エピソード。なんでかとっても面白かったです。著作はそんなに読んでいないのに…。
という、文豪に純粋に興味があるので手に取ってみたのですが、想像以上にタイトル通り、本当に「文豪はみんな、うつ」な内容でした。
あまり詳細知らず手に取ったのですが、よくある実は○○!みたいなゴシップのノリの軽いものかと思ったら著者が精神科医ということで丁寧に分析されていて面白かったです。
うつ、統合失調症、躁鬱、私はぼんやりとしかそれぞれわからずきちんと区別できませんが著者は症状や発症時期をもとに憶測を立てており、読み応えがありました。
真摯に向き合っている感じがしたので、ゴシップ系と違い好感が持てました。
後世に名を残した偉人を捕まえて、言葉が乱暴ですが所謂クズエピソードを挙げてあげつらうものを大なり小なり見かけますが、茶番というか小者というか何者にもなれないものが他人のふんどしで相撲をとっているというか滑稽に思えます。
どれだけ地上へ引きずりおろそうとしても、世間一般の凡人には到底届かない才能を持った人たちなのに、と思います。
認めたくない言葉にしたくないルサンチマンを、自分たちの尺度でもわかるところで発散しているのかな。
P237の「ただ明らかに言える点は、彼らが規格外の人たちで、世間の決めた枠組みに留まることができなかったという事実です。」という文章、とてもしっくりきました。
文豪の有名な名前、著作、そして知っている人は知っている家族、交友関係。
文豪にフォーカスしがちだけれど、その人ひとりの功績ではなく、周りの人々や環境の影響を受けてその人が生きてもがいて発露されたものが著作や言動として結果残るのだなと思いました。
人々の記憶に強く残るのは文豪だけれど、その人たちが生きていた時代直接かかわらなかった人々までも時代を形作って時流となり文豪に影響を与えていたかと思うと人の歴史や営みというものは複雑に絡み合い脈々と受け継がれているのだなと思わされました。
この本の中で紹介されている文豪の中で特筆して好きな人は太宰治で、一番著作を読んでいる文豪でもあります。
うつなどそういった話題であれば必ず名が上がるだろうと思った太宰でしたが、読み進めていくと意外に太宰がそんなに酷くないと思えました。
この中で分析されている太宰は精神を病んだということが強く出たというより結核という病と薬依存、疲労で身体が限界にきていたのではないかという内容は納得のいくものでした。
前期中期後期と作風が変わるのが興味深い太宰ですが、中期の不思議なほどの安定感と朗らかさや、全期を通してわかる丁寧で情熱がある文章を考えると才能は多分にあって人を惹きつける人間としての魅力もあったと思いますし、思考回路が正常でなくなる重い精神病とまではいかないというのは腑に落ちます。
でも生来暗くなりがちで思い詰めやすい質だったのかなとは思います。
詳しく知らず意外だったのは有島武郎、宮沢賢治、中原中也、川端康成。
存在自体初めて知ったのは島田清次郎です。Wikipediaを見たら、自殺を二度程試みていることに衝撃を受けたのですが、それに触れなくてよいのかなと気になりました。
文豪たちが思い詰めたのには、職業というだけでなく時代もあったのかな、と思いました。途中心中既遂者のデータが出た通り、人数が多く影響を受けた面もあったでしょうし、それだけでなく、こう、寒い冬なんか現代のハイテクな暖房や灯や気がまぎれるエンターテインメントがなければふさぎ込む気持ちは加速してしまいそうと感じました。
島崎藤村の、自分の恥部を晒してでも作品にするところは「業」を感じて胸が熱くなりました。第三者なのでそう思えますが、その真っただ中で身内だったら地獄です。
でも彼らは皆、生きている間、苦しんででも、筆を取り命を削り原稿用紙に魂を落とし込んだからこそ時を超えいつまでも残り作品の中で生き続け、人々を魅了し続けるのでしょうね。小説家というのは凄いもんだ。 -
購入済み
不寛容な国 日本
たった数人のクレーマーによって仕事が滞り、何人もの職員が不愉快でやるせなく屈辱的な思いをさせられる。
しかもクレーマーに対して感情的になってはいけないと我慢を強いられる。泣き寝入りするしかない。
そんな状況を変える方法はないかと期待してこの本を読んでみたが、そう言う解決策を述べる内容ではなかった。
それでも、いかに日本が生きづらい不寛容な国かがよく分かった。
寛容さを持った人間であり続けるには意識して努力していかないと、あっという間に自分も不寛容な人間に成り下がってしまいそうだ。
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Posted by ブクログ
天才と呼ばれる多くの人たちは大抵発達障害を持っていた。逆に発達障害は傑出した才能開花の可能性を秘めているとも言える。
世の価値観を変革するトリックスターは常人では担えない なり得ない。既存の価値観を無視・破壊し新たな価値を創造する発達障害者が時代を塗り替えていった。
文学や芸術には発達障害が原因となる鬱や不安障害による幻覚や幻聴が現す世界が投影されることが多い。常人の到底考え及ばぬものや作者独自の世界観として最高峰と評される作品は様々な精神病の苦悶の末に生み出されたものと作者の苦しみも含めて読むことができたらなお味わえるのではないだろうか。
天才が生み出した結果は注目されるけど、その過程や環境を辿ると大抵精神に何かしらの異常があり身辺処理や人間関係に欠陥を抱えてる。
世を変える・絶賛されるモノを生み出して一気に花開いたあと そのまま自ら抱える欠陥によって自滅の道を辿っていくのも変革者の共通点でもあるんだよね。